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くっくのはなし

近藤です。

今年は春の陽気の日もありますが、園芸仲間からバラが凍った、パンジーが凍った、去年越冬した里芋が今年はダメだったわという話を聞きます。我が家の蝋梅は無事でホッとしていますが久しぶりに寒い日が多い山の我が家周辺です。

3学期がはじまったある日のこと。この冬は特別寒いのか子どもたちが長袖の下着を着て学校へ行くと言い出しました。いつもはかっこ悪いとか袖が気持ちが悪いとか色々文句を言うんですけどね。

山の中学校のきまりでは下着は白と決まっているのですが、長袖の白い下着なんてない!と気がつきました。過保護なようですが、風の吹き付ける寒い田んぼの中の一本道を歩いていくのは想像しただけでも凍えそうだわ、と思った夫と私。夜、ショッピングモールに走って白い長袖の下着を入手。そして翌朝、子どもたちは少しだけ暖かい格好で登校したのでした。


私が子どもの頃のこと。

下着のことは「おじゅばん」と呼んでいました。寒い日はこたつに入れるか、母がストーブの前にかざすかして温かいおじゅばんを着せてもらっていました。その後ブラウスを着たら、その袖からおじゅばんの袖を引っ張り出して「くっく」と伸ばして折り返し、ブラウスのボタンを止めるのです。

おじゅばんの袖は必ずアイロンでもかけたようなシワのなさ。それから「くっく」と母が言いながらちょっと力を入れてその動作をするのが冬の決まりでした。

三つ子の魂なんとやら、なのか、自分の子どもが小さい頃は私も同じようにしていて、おまけに私自身が長袖のおじゅばん(機能性下着っていうんですっけ?)を着るときももちろん「くっく」は外せません。

急いで出かけようとする日に「くっく」をせずに増反に洋服を着ると、なんだか収まりが悪いし、何よりシワにならないはずのところがシワになっているのが気持ち悪いと感じます。

子どもたちもいつか同じように思う日が来るんでしょうか。

ちなみに先日のこと。夫に「くっく」をしてあげたんですけど、どうだったのか聞くのを忘れていました。着ていることが気にならないようだったら「くっく」はいい働きをしたということになるんだろうなあと思いますが、さて、いかに。

では、また。