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公正とはドライな評価 202406.5週目週報

「公正な評価とはドライな評価である」、という厳しい緊張感のあるテーマで書いてみたいと思います。

給料やポジションといった観点で人を評価する立場となったとき、どうしても前から一緒にやっていたメンバーを地位のある役職者としてのポジションにとどめておいたり、給料を高い水準のままにしてしまう、ということがおきます。関係する時間が長くなってくると、仕事を越えてその人との人間関係が出来ているので、その人にとってマイナスとなるような評価をすることが、心情的に苦しくなってくるのは当然のことです。

ただ言わずもがな、そういった私情を仕事に持ち込んでしまうと、結果を出した人・能力のある人が適切に評価されず、不平等で理不尽な環境が形成されていきます。古い組織ほどこういった状況になりがちで、それが発展していくことで、利権とか派閥とかが生まれてきます。その時理不尽を被るのは、往々にして若い能力のある人たちです。人間関係が長い複数の時間軸で形成されている政治などでは、時間の経過とともに多くの理不尽を抱えていってしまうんだと思います。

一方で、起業し始めの頃の仲間集めなどは、人間関係・信頼関係をもとに行われていきます。作ったばかりで従業員のいない、先行きが見えない会社に、普通誰も入社したくないですよね。だから、給料や働き方の条件で魅力を感じてもらうではなく、創業者を中心とした人間性を信じてもらって魅力を伝えていきます。つまり条件ではなく、情に訴えかけた訴求をしていくということです。ベアーズナビにしてもそうやって仲間を集めてきたように思います。

そうやって情に訴えかけ、僕という人間を信じてついてきてくれた仲間がいたのなら、公平な評価という名の下、結果だけでドライに評価していくことが心情的にできるでしょうか。見方によっては、それは裏切りと捉えられるものであり、簡単な判断であるはずがありません。しかし組織を大きくしていけばいくほど、仲間が増えていけばいくほど、その判断に迫られる可能性は高くなります。なぜなら人が増えていけばいくほど、その人より優秀な人材が出てくる可能性が高まりますし、基本的に若い人の方が新しい物事を覚え吸収する力は、どうしたって高いです。ドライな判断をする度に、評価する立場にある人は、どんどんその組織内で孤立していきます。

こういったような組織内の人間関係におけるハレーションを起こさないために、あえて会社を大きくしない、一定のところで成長を止める、ということも選択肢としてあるんだと思います。もしくは最初から結果で評価することを避けて、年功序列で評価するという選択肢もあるでしょう。

でも、結局それらの政策は目先の問題から逃げているだけであって、そのことによって新しい若者の席・チャンスを奪っていたり、そもそも組織としての力を弱めてしまったり、結局もっと大きなものを犠牲にしているんですね。競争に負けているのにも関わらず、無理に現状を維持しようとすることは、誤魔化しの安定です。現実逃避して得た安心です。

大企業に入社すれば、正社員になれば安心だという言説は幻想だと思います。リーマンショックや最近だとコロナで、多くの企業が倒産し少なくない人が仕事を失いました。

結局自分自身が努力して力を高めていかなければ、時間の問題で、最終的には新しい力に取って代わられることになります。新しくできたはずのIT企業、歴史の浅いアメリカという国家の繫栄の歴史には、如実にそれが現れているように思います。

泣いて馬謖を斬るという言葉がありますが、やはり健全な評価・成長とはつまりドライであるということなのでしょう。僕自身としても、もし自分より優秀で責任能力を持ったリーダーが出てきたのなら、自分は身を引かなければならないと思います。弱肉強食の競争社会に生きる私たちにとって、それは仕方ありません。ただ、せっかく関わってくれた仲間には、ベアーズナビに関わってよかったと、そのことによって幸せな人生を歩んでほしいと思います。感情を持ち込まず、組織として非情な評価をしなくてはいけないことは避けられないのかもしれませんが、できるだけそれが起きないよう、また起きたとしても、互いに納得のいく傷つかない形で行われるものでありたいと願います。

だからこそ、皆さんには普段から自分に甘えず、自身の能力を高める努力をしてほしいんですね。

仕事に慣れてきたりある程度時間が経ってくると、手を抜いたりサボるということが出来てくると思います。特にベアーズナビは、出社してるかどうかに関わらず、ほとんど自由裁量だと思うので、サボろうと思ったらいくらでもサボれるはずです。しかし自分に甘えた姿勢は、いつか必ず大きなしっぺ返しとしてに身に降りかかってきます。

現状において皆さんがサボっていると思っていないですし、むしろよく頑張っていただいていると思い感謝しています。会社として、いまそういったような究極の判断に迫られている状況ではありません。ただ、こういった平時だからこそ自分に甘くならずに日々の努力を積み重ねてほしいと思います。日々一定の緊張感・不安感を持って過ごすことで、長期的に自分の力を高めることなり、その積み重ねの連続が本来の安定に繋がっていきます。

気を緩めずに来月も頑張りましょう。

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