怒りをのみこむ①

 私は2023年、ずっと怒っていた気がしている。
 作るのは「任意」なはずのマイナンバーカードを「作ったらポイント(という名のお金)をあげるけど、2月までに作らなかったらあげない!」という狡猾な作戦に対して。
 マイナンバーカード普及のために、いくらの宣伝費が掛かったんだろう。
 また、別の人とのひも付けが沢山見つかり、マイナンバーカードの返納が相次いでもなお、今年の秋には従来型の保険証を廃止するという決定には、君たちの目は節穴か!と指を指して怒鳴りたくなる。
 因みに私は最後のひとりになっても作らない意気込みだ。
 ウィシュマ-サンダマリさんの死から明らかになったように、入国管理局では人道的にあり得ない対応が難民の方々になされていた。国が出した入管難民法改定案は、採決直前まで立法事実の根拠とされていた資料に間違いが指摘され続け、本当に多くの反対の声が上がったし、まさか、改定案は通らないだろうと思った。何しろ、法律を作る理由が間違っているのだから。自国に帰ると命の危険があるという理由で難民申請をしている方々に対し「難民申請が三回通らなかったら、貴方は難民ではないので、強制送還になります」というやり方は、日本から出た後の彼らの命を全く考慮に入れていないと思う。もしかしたら迫害の危険がない外国人もいるかもしれないが、『ずるいひとを日本に入れないために』厳しすぎる審査をし、国へ送り返すのは間違ってはいないか。
立法の根拠とされた難民審査参与員の審査のずさんさというか、外国籍の人達への圧倒的な偏見にはあきれた。
 LGBT理解増進法なる法律が国会を通過してしまった時も、恥ずかしくねーのかと声に出して(カーラジオに向かって)怒っていた。
 そもそも『差別をなくす』という意気込みが感じられない『理解増進』という言葉のチョイスがどうなんだ、と思うけれども、もっとひどいのが、最終的に与党案と維新国民案が歩みよった際に加えられた条文だ。
 「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」何で、より差別されがちで、安心して生活できず、自殺念慮が高いとされているLGBTQ+の方々の方が、マジョリティに対して留意して暮らさなきゃならないのだろう。
その一文のせいで、かえって不自由を強いられるのではないかと思うくらいだ。
これでまだ6月だ。
8月にはついに、福島第一原発のALPS処理水が海洋放出された。
私はどれだけ希釈されようが、原発事故の処理水を海に流すのは反対だ。外国の原発も流している、と言う人もいるけれど、その放出は正常に稼働している原発が計画的に流しているものだ。
福島第一原発のALPS処理水の放出は、無限に続きそうだ。敷地内に並ぶおびただしい数のタンク。あそこに溜まる汚染水(トリチウム『だけ』が残っているとされている)を、排出濃度基準の40分の1の濃度に薄めているらしい。終了まで30年とも言われるが、いまだに汚染水は出続けているのだし、タンクが減っていくのか非常に疑問だ。処理水放出は10年先でも、ルール通りに放射線量を計って希釈してなされているだろうか。
私達が注目しなくなったら、極端に言ったらタンクの汚染水をそのまま流したり、しないんだろうか。
関係者の理解なしにはいかなる処理も行わない、という、かつての言葉がむなしい。海は世界に繋がっているし、その水は未来に続く。ならば、関係者は世界中にいるし、未来の人達だって関係者だ。
②へ続く

 


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