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夢の途中だったアイドルたちへ

アイドルがさらわれた。
アイドルグループを応援していると、そう感じることがある。「週刊文春」という名の爆弾が落ちて、右往左往しているうちに、アイドルが消えてしまう。
幸せに暮らしていたのに。大好きなアイドルを応援していただけなのに。

彼女たちは「恋愛禁止」のルールを破ったと糾弾される。
そうなのかも知れない。
彼女たちを、恋愛禁止のルールがあるからこそ応援していて、ショックを受けた人がいるのかもしれない。でも私にはそういう実感がない。だから、理不尽にアイドルがさらわれたように感じてしまう。

なぜアイドルを応援するのか。色んな理由があると思う。私は、ステージ上で彼女たちが輝く姿がすきだ。
迷ったり凹んだりしながら、自分の道を見つけて、どんどん自信をつけて魅力的になっていく姿を見るのがすきだ。

NMB48の横野すみれちゃんが大好きだった。
見つけたのは2019年7月Showroomのpopteen誌面争奪権バトル。
ライブ配信のポイント(無料or課金ギフト)をアイドル同士が競って上位になれば雑誌に載れるという、なかなかシビアなイベントだった。
彼女はまだ無名だったけど、画面の向こうで面白おかしくスライムを作ったり、カラオケをしたり、添い寝(!)配信をしたり、見てる人を楽しませようという気持ちと、必ずのし上がるぞ!という野心を感じてめちゃくちゃ惹かれたのだった。


完全に落ちるわたくし。

この配信のころは「アイドル雑誌のグラビア撮影、2回目呼ばれた!」「良くなったよって褒められたんだ!」って初々しくて、そうするうちに抜群のスタイルと可愛いさであれよあれよと注目されて、雑誌の表紙も飾るように。

なんと加入2年半で写真集まで決まって、どんどん上り詰めていきました。

グラビアの活躍で得た自信はNMBの活動にも繋がっていて、ステージ上でのパフォーマンスが明らかに変わりました。

公演デビューは同期の中で一番最後だったすーちゃんが、センターで堂々と踊るさまは本当にかっこよかった。
(↓時間指定したので見てね)

たくさんの可愛い女の子たちと比べられながら、自分の強みを見つけて、磨いて、名をあげようとする。多くの人の視線に晒される世界で、自分にできることを見つけようとする。一歩一歩登って、輝いていく。

とてもじゃないけど私にはできない、と思う。(いやまぁそりゃそうだけど)
なんて格好良いんだろうと思う。
彼女たちがこんなに頑張ってるんだから、私もその1/100くらい頑張ろうと思う。
私にとってアイドルは、メジャーリーガーでありセーラームーンなのだ。スーパースターなのだ。憧れて、ワクワクして、明日を生きる元気がもらえる。私が彼女たちに魅力を感じるとき、恋愛に対するスタンスはあまり関係がない。

私は週刊誌を読んでガッカリもしていないし、悲しんでもいないし、怒ってもいない。
好きだったアイドルが目の前から消えてしまったことが、ただただ寂しい。
そして、彼女がどんなに傷ついただろうと思うとやりきれない。
恋愛禁止こそがアイドルの価値だと思う人もいるかもしれない。夢が壊れたという人も。
でも、私にとっては、横野すみれちゃんはめちゃくちゃカッコいい憧れのアイドルのままだ。

どこかの誰かの応援の仕方を、とやかく言うつもりはない。どんなことがあっても応援し続けるのがファンだと言うつもりもない。
でも、こんな風に応援してた人もいるんだ、こんな気持ちもあるんだということを、誰かに知ってほしかった。
彼女たちが積み上げてきたものが、あの時の輝きが、週刊誌の記事一つで真っさらになったと思われたら悲しすぎる。ストイックに築き上げたプロポーションより、一瞬で魅了するパフォーマンスより、恋愛をしないことがアイドルの価値だなんて思われるのは、私には悲しすぎる。
彼女たちの輝きは私の心にしっかり残っているし、きっとそういうファンだってたくさんいる。なかなか声に出せないだけで。

アイドルをやりきったと言って、大きな卒業コンサートで華やかに卒業していくアイドルはそりゃもう素敵だ。
でも、私は、夢の途中でいなくなってしまったアイドルたちにも、たくさん元気をもらってきた。そして、今でも彼女たちのことが大好きだ。

彼女たちが、次の場所で、またキラキラと輝いているといいなと思う。

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