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「元禄お犬姫」諸田玲子 著を読んで

 たまには、読んだことのない作家で、面白そうな読み物をと考えて、図書館で手にした本。一気に読み終えた。

 もちろん犬という単語に惹かれてのこと。時は綱吉のお犬様、そして赤穂浪士の頃。刃傷沙汰が物語の早いうちに起こって、道場に沢山いた赤穂浪士がいて…という始まり。

 でもそれは、あくまでも小説の背景であり、主人公のお犬姫と周辺をめぐる犬がらみの事件を主に物語は進んでいく。最後まで、意外な展開の連続。で、大団円に。

 読み終えて、生類あわれみの令で、犬たちが幸せになったかというと、綱をかけたらいけないとかで、収集がつかず、野犬が増えて、それを一ヶ所にまとめるも、犬で溢れてしまい…という具合で、必ずしもそうではなかったようだ。

 この小説も、こうした生類あわれみの令により、その裏側に起こった不幸な出来事に翻弄され、さらに酷い事件が起こっていく。

 何事も行き過ぎは良くないのかなぁと。犬バカの私がいうのも説得力はないかも、だが。

 この作者の他の小説もまた是非読んでみたい。年末年始の読書には良さそう。