この涙を君に捧ぐ

推しが卒業した。
これでもう、私はあの劇場に行くことも、握手会のために横浜や幕張に行くこともないのだろう。

彼女のアイドル卒業は、私のヲタク卒業も意味する。

アイドルってなんなのだろうか。
私は、彼女の歩みを、自分の人生と勝手に重ねてしまっていた。

昔好きだった人が、「歌や小説に【共感する】というのが自分は嫌いだ。それはその作品を純粋に受け入れて楽しむことをしていない。その作品はその作品のままで完結しているのに、勝手にそこに読者である自分が入り込んでしまっては、作者の意図と異なる」と言っていた。
対照的に、自分は作品を【共感する】ことでしか評価していない人間だったから、その考えがとても面白かったので、今もまだ忘れられない。

アイドルってなんだろう。

偶像

そこに勝手に自分の人生を反映させているようでは、偶像ではなくて虚像なのではないだろうか。

私は、ちゃんといいヲタクをできていたかな。

アイドルの仕方も、応援の仕方も、きっと人の数だけある。
私にとって彼女は、なんだったのか。

勝手なことばかり思ってると分かっているけれど
それでもやめられない。
やはり自分と重ねてしか考えられない。
同じ10年を生きてきた。
それが全てだと思う。

卒業おめでとう。

あなたは、アイドルでした。


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