横浜のチベットへ再び

結婚して直ぐに、12年ほど横浜のチベット(田舎）と言われる場所に住んでいた。
古い公団団地で、貧乏でも元気が一番的な生活をしていた。
この頃は、子供3人の将来を考えて、とにかく金を貯める生活をしていた。
この団地は立地的に不便だったけど、周りは自然は豊かで、子供らしい遊びには事欠かない場所だった。

また、賃貸の金額も凄く安いので、子供が小学校くらいになると、貯まったお金で頭金を払い、家を買って引っ越しする家族も多かった。ステップアップするための住処の面もあった。

そのためか、見栄の張り合いのような生活をする家庭もおらず、下町みたいな付き合いがあった。
当時の小学校の校庭で焼き芋を焼く。これでクレームがこないような場所だ。

でも、安い集団住宅の故、幾分の治安の悪さと、ゴミをポイ捨てするような一部の悪ガキとか大人が目に入り、当初はイライラした。
それでも、団地の北側に広がる自然豊かな、放置された裏山あがり、そこで遊ぶにつれて、気持ちも落ち着いた。
この裏山の自然が残ったのは、偶然だが、大規模な開発が頓挫したおかげだった。

20年ぶりに団地を訪ねる
妻の実家から３キロほどの場所なので、実家に車を置いて歩いて行くことにした。
ここに住んでいた頃は、とにかく徒歩が移動手段の基本だった。（車も自転車も持っていました）

車の排ガスと騒音の酷い幹線道路を避け、緑地帯を抜ける遠回りコースだ。
昔、子供達との緑地と野山を巡る散歩がレジャーだった。娘１などは5才で5キロくらい普通に歩いていた。（息子、長女（娘１）、次女（娘２））

ログハウス
団地は変わりなかった。でも子供は少ない。団地脇の小学校は廃校になっていた。
このような古い団地、今は老人や、外国人の住処となっている。

小さい子供達の為にあったログハウスを訪ねる。昔のままあった。中はアスレチック的な構造となっており、楽しめる。
現在の外観と昔、娘１が遊ぶ。

里山へ
宅地開発はされず、里山公園として行政が管理した形となっていた。
今は有料のコースになった俺のマウンテンバイクコース。ここで、よく練習した。俺の自転車の乗り方の全てはここで学んだ。
自転車に乗れるようになった息子と一緒に走ったりもした。

現在は有料となり、バイク持ち込みだと2時間で2500円。電気バイクのレンタルもある。担当者に話を聞くと、この疫病のお陰で経営は苦しいそうだ。

息子と遊ぶ。後ろには古いアラヤのマウンテンバイク。

里山のポイントである休耕の田んぼでは、春から夏、カエル、ザリガニ、魚獲りで子供達は大いに楽しめた。
今は立ち入り禁止となっている。ゴミも落ちて無く綺麗にはなったが、少し寂しい。
年寄りの散歩コースではあまりにも淋しい。子供達の遊び場としての昔が懐かしい。昔はこんな感じで、子供達が魚を捕っていた。

ゴミ、不法投棄など
昔、都市部の近い里山は不法投棄の場所となっていた。
写真は同じ場所の今と昔、息子の横にある不法投棄の車、これが深夜放火された。殺人事件も起きてきた。ゴミは治安の目安だと思う。

環境の悪化
ここ横浜のチベットに住み10年経った頃、裏山の開発がついに再開された。
また小３の度息子が、裏山で遊んでいて、中坊に田んぼに落とされたりした。不法投棄のゴミも多くなった。友達だった家族もドンドンと家を買い引っ越していた。
不景気のためか昼間から生活保護のおっさんが酔っ払っているような場所になっていた。

自然の魅力は捨てがたいが、周りの環境の悪化と、家も手狭になり、限界となった。
お金も何とかなったので、2004年に自分の地元、多摩地区へ家を買い、引っ越すことにした。

20年後の里山
現在、行政が里山ガーデンという形で管理化に置いているので、治安と不法投棄などのゴミ問題はないようだ。夕刻ランニングしても危険はない。ある意味過疎化かな。

放置された自然と管理した自然の違いはあるけど、それでも20年の間で、この程度の開発で終わったのは奇跡だろうね。

ただ、子供達が自由に泥だらけになり、冒険出来る場所ももある。そんな環境の方が良かったように思える。また、当時のお年寄りは、子供達に自然における遊び方を教えてくれた。
今は散歩して写真を撮るだけでの年寄りが散歩する里山ガーデン。
結論として魅力はない。

最後に、昔ここで、子供達がオオクワガタのオス（小さな個体）を捕まえた。（これは秘密だ）
放置時代の里山、ヒメジョオンの群生の中ではしゃぐ娘１。