見出し画像

終戦記念日に思うこと(404文字)

 数日前に境港にある水木しげる記念館を訪れた。水木しげるさんと言えばゲゲゲの鬼太郎があまりにも有名だが、それだけではない。

 むしろこの記念館では、水木しげるさんご自身の戦争体験の語り部としての役割の大きさを再認識させられた。

 戦争は二度と繰り返してはならない悲惨な過ちだ。彼は今その作品を通して伝えている。

 彼は戦争で左腕を失っている。右手で原稿は書けるが、用紙が動かないように左肩で押さえていたのだそうだ。その無理な姿勢を何時間も続けて書き上げるのがどれほど大変なことなのか、想像に容易い。それでも伝えなければならないと考えたのだろう。

 8月15日を控えたこのタイミングでこのような機会を得て、たまたまとは言え深く考えさせられた。

 戦争が終わり、高度成長期を経て、平和でなんの不自由もない時代に生まれ育ったことは、自分の力や努力によるものではない。たまたま与えられた幸せであり、その偶然に感謝したいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?