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シグエンサのパラドール(452文字)

マドリードから2時間ほど、シグエンサという小さな町。
この町に、遠い昔アラブの要塞だったり、お城だったり、といった経歴をもつパラドールがあって、そこに宿泊するためにこの町を訪れた。

パラドールとはスペインの国営ホテルで、近代的なものもあれば、シグエンサのように元は古城だったり、または中世の修道院だったり、王侯貴族の邸宅だったりと、歴史的建造物を利用したものも多い。

外観も、また贅沢な空間の中庭も重厚な石造りで、見事なお城っぷり。

ひときわ重々しい王の間。
薄暗さに、ますます歴史が感じられる。

パラドールは町外れの丘の上にあり、宿泊した部屋の窓からはシグエンサの町が一望出来た。
煉瓦色の壁に赤い屋根の家が細く曲がりくねった石畳み沿いに立ち並ぶ。

町とは反対の方向は何もない、のどかな平原。
カスティージャのカラッとした青空が広かった。

パラドールに宿泊するだけの目的であっても、十分にその価値はあった。
ついつい旅先ではせわしない観光や移動でクタクタになる悪い癖があるが、ここでは「のんびりと過ごす」という贅沢が出来た。

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