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ロティの冒険

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白い仔馬ロティの冒険のお話です。 月・金曜更新予定です。
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2014年9月の記事一覧

理想と現実

理想と現実



「ねえ……この作品達は職人さんが心を込めて作ったものなの」

「あぁ、そうだね。だから僕はこれを売りたいと思ったんだ」

「私はまだ世界の半分も見てないわ。でも、貴方がお店をやるならそれを買った人も作った人も笑顔になるようなお店にしてもらいたいわ」

「どういうことだい?」

 私は今まで出会った絵描きさんや文章書きさん、写真家さんの話をしたの 

 それだけで生活している人は、皆、絵や文章や

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新しい出会い

新しい出会い



「貴方は誰?」

「君の耳についてる星だよ。君が頑張ってるのをずっと見てたんだ。でも、アドバイスしたらきみひとりでできるようになったことにならない。だからずっと黙っていたんだ。これからは『雲さん来て』って願えば、そこに雲が現れるよ」

「本当に?」

「うん。海辺で試してみると良いよ」

 私は雲さんが言った通り海辺で願ってみたの。すると、何もなかった場所から雲ができたわ。恐る恐る乗ってみると

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努力と願い

努力と願い



 やり方なんて知らないわ。だから父さんが飛んでたのを見よう見まねで、練習したの。こんなことなら父さんにどうやったら飛べるのか聞けば良かった。

 でもあの頃の私は羨ましがるばっかりで、自分しかできないことが欲しくて訊きもしなかった。

とにかく、わからないなり気に空を飛んでる所をイメージしながら丘の上から飛び降りたり、ジャンプしたり。 

 ちっともうまくできない。当然よね。始めからうまくでき

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願いのために

願いのために



 その絵かきさんの言うとおり私は色んな人にであったわ。

 絵や文章だけのお金で生活している人、他の仕事をしながら、それでも絵や文章をかいたり、写真を撮って売っている人。売れなくて、大好きなのに、やるのをやめてしまったって言ってた人もいたわ。

 現実は絵描きさんの言う通りだった。

 自分の作品だけで食べている人にも、凄くお金を持っている人はほんのひとにぎりでほとんどの人ほそぼそと生活してい

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作品の価値

作品の価値



 尋ねる私に、絵描きさんは溜め息をついて言ったの。

「この絵は売れないよ。いや、確かにこの絵は売れるかもしれない。でも、きっと今日君が稼いだお金よりずっとずっと安く売れるだろう」

「どうして?」

「君はまだ世界をそんなに知らないんだね。職人、特に私の様な絵描きや文章を書いている人、写真家、そんな趣味でも出来ることを生業にしている人たちでそれだけで食べて行けるのは、ほんの一握りなんだよ」

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世の中の仕組み

世の中の仕組み



 旅は私が考えていたほど簡単な物じゃなかったわ。

 食べ物も、寝る所も全部「お金」っていう物が必要なのを私は知らなかったもの。

 でも、私には使い古しのおもちゃのピアノしかない。

 町の公園で、広場で、時にはお店の前でだって私は弾いたわ。

 お金が集まらなくて、公園で草を少しだけ食べて寝た日もあったわ。雨の中、どこにも雨宿りできなくてずぶ濡れになりながら一晩中歩き続けた日も。

 ご飯

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サーカスとの別れ

サーカスとの別れ



 その夜、私は団長の部屋の前にいたの。

「ここを抜けたいです」

 ってちゃんと言わないと、心配すると思ったから。前足でノックすると待っていたように扉が開いたの。

 入るとそこはいつか本で読んだ魔法使いの部屋のようだったわ。不思議な文字で書かれた本の山と、実験に使うと思うガラス器具。そして、透き通る綺麗な羽を持った妖精。

 団長のくすりと笑う声で、驚いてそこに立ち尽くしていた私はここに来

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赤いおまもり

赤いおまもり



「えっ……!?」

 ピエロさんの言葉に私はピエロさんの顔を見た。いつも通りの仏頂面だったけれど、嘘を言って騙そうとしていないことは目を見てわかった。

「私はここに来るまで色々な所を転々としていました。この顔で、空間を移動できる力がありますからどこに行っても気持ち悪がられました。石などを投げられたり、街に入れてもらえないこともありました。ここに居るみんなはそれぞれの特異性が故に辛い目にあって

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