サル学の先駆者の一人である河合雅雄さんは戦争に思いを馳せていた。
 「第二次大戦直後、何で人間はこんなバカげたことをするのだろう」
 そう思うと同時に、こんな結果をもたらす人間性の根源を知るには、サルまで立ち戻る必要があると考えた。そんな思いが日本のサル学の底には流れている。

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