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エマニュエル・トッド『第三次世界大戦はもう始まっている』と映画「渚にて」(1959年)

 フランスの歴史人口学者であるエマニュエル・トッドの新著『第三次世界大戦はもう始まっている』(文春文庫)が広く読まれているようです。

 この本で著者はロシアのウクライナ侵攻の根源的な要因から論じているのですが、ここではそのことには触れません。

 ただ、この戦争ではロシアと米英が軍事的に衝突していて、
 「第三次世界大戦はもう始まっている」
 というのです。

 そんなロシア・ウクライナ戦争に対する論評に触れて思い出した映画があります。それはイギリス人のネビル・シュートが書いた小説『On the Beach』を原作として1959年にアメリカで映画化された「渚にて」という作品です。
 で、そのあらすじを紹介すると……。

 1964年、第三次世界大戦が勃発。核兵器による放射能汚染で北半球は壊滅状態となる。

 最後に残ったのは南半球のオーストラリア。が、それも近く到来する放射能による全滅が予見されている。

 そんな状況のもと、アメリカの原子力潜水艦の乗員やオーストラリア海軍の軍人とその家族や恋人などが、それぞれの終末までの時間をどのように過ごすかを淡々と描き出す。

 そんなドラマの果てに放射線の数値が急上昇し、潜水艦はアメリカに戻ることになる。と、オーストラリアでも、教会での集会の信者が激減し、プール・バーにも客がいなくなる。

 と、ある主人公は自動車の排ガスで一酸化炭素中毒自殺を図る。で、恋人同士は別れのキスを交わしたり、共に睡眠薬を飲んだあと、初めて出会った渚での思い出を語り合ったり……。
 ついに潜水艦が出航し、その後、街には誰もいなくなる。

 なお、上記の映画「渚にて」の主題曲のサントラ盤を、つぎのURLで聞くことができます。

 この記事と直接の関係はないのですが、ぼくは、こんなキンドル本を出版しています。
 無論、Kindle Unlimited なら、無料でダウンロードできます。お読みいただけると、大喜びします。


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