Online Safety for Sistersの手法の問題点

出だしから色々とつまずいている「Online Safety for Sisters」に関しての思うところです。
私としては、このグループの目的には賛同しますが、手段に関しては反対します。

Online Safety for Sistersとは

まず、「Online Safety for Sisters」は「ネット上でのハラスメントをなくすことを目的として作られたグループ」とのことです。

ただ、主要メンバーの過去の言動や不手際などで、発足当初から色々と躓いているようです。

これらの点は、メンバーの方の対応次第で鎮静化すると思われますので、特に取り上げることはしません。

問題点と二つの懸念

このグループは宣言として、以下の目的を掲げています。
①SNSでの誹謗中傷による自殺撲滅
②SNS事業者に差別解消を義務づける法制化の呼びかけ
③オンライン上のヘイトスピーチ解消に向けた取り組み

どの項目も、一見すると正しいように見えますし、昨今のネットの書き込みによる自殺者が出ていることからも、ある程度の理解は得られるのではないかと思います。

ただ、私は「法制化を目指す」ということが大きな問題だと考えます。
これに関して、二つの懸念があります。

1.ネットの発言に法を持ち込む危険性

「法制化を目指す」ということで、法によるネット上の発言に対して規制をかけることにより、誹謗中傷などの発言を減らすことが目的だと思われます。

ですが、やろうとしていることは、
「自分たちの望む形でネットを管理したい」
です。

法整備を求めるということは、何かしらの基準を設けてネットでの発言をコントロールするということです。
目的としては「ネット上の誹謗中傷をなくす」でしょうが、その手段として「言論統制」につながる方法をとることは非常に危険だと考えます。

確かに、現状の法ではネット上の誹謗中傷に対する法的措置をとるためのハードルは高いです。
そのため、被害側が対処できないという問題があるのも事実です。

ですが、その対応としてネット上の発言を監視するような方法をとるということは、恣意的な運用につながる恐れが非常に大きいです。
場合によっては、特定の党や政治家に対する批判も誹謗中傷判定されて刑事罰を受けかねないような事態になるかもしれません。

2.事後対応なので効果が薄い

もう一つ、法により規制することで抑止効果を狙うと思われますが、これはどうしても「被害者が発生してしまう」のです。

被害者が発生しないことには、法による処罰は行われません。
法による処罰が行われるということは、誹謗中傷による被害者が発生したということです。

法による抑止というのも効果がないとは言いませんが、加害行為が目的となっている人にとっては、法による抑止は効果がありません。
無くすことを目的とするのであれば、それに応じた手段をとる必要があります。

上記の二点が、「Online Safety for Sisters」の法制化という問題に関する、私の考える懸念点となります。

私の考え

最後に、私が考えるネット上の誹謗中傷をなくすために必要と思う行動は、以下の内容を啓蒙していくことです。
・画面の向こう側には、自分と同じ人間がいるということ
・同じ言葉をかけられたとき、自分が傷つくかどうか考えること
・その言葉を、自分にとって大事な人にも言えるか考えること

要は、「現実でも同じ内容を対面者に言えるか考えよう」ということです。

法制化のように目に見える対応に比べると、対応には時間がかかり、効果が出ているかもわかりにくいものになります。
ですが、ネットを利用する一人一人の意識を変えていき、自分から誹謗中傷のような表現をしないようにすることが、一番重要だと考えます。

私自身、20年はインターネットを利用しています。
なので、インターネットは自由なものであると認識しています。
その自由が侵害されるようなことは反対していきたいのです。

今後も自由に、楽しくインターネットを使うためにも、法制化のようなネットの管理を目論むような内容は反対し、自分や周囲にマナーを守った対応をするようにしていきたいと考えます。

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