「乃木坂46のこと」

乃木坂46のエースと呼ばれるメンバーはその時代のグループの象徴である存在だ。
初代エースの生駒里奈は乃木坂の汗と涙、力強さを。
二代目エースの白石麻衣は乃木坂の可能性と誠実さを。
三代目エースの西野七瀬は乃木坂の弱さ、儚さを。
四代目エースの齋藤飛鳥は乃木坂の進化、そして未来を。
乃木坂46のエース達はここまで全てが1期生メンバーであり、この時代は乃木坂46のイメージの構築、未来への継承であると考える。
1期生からのエース排出を終え、新たに五代目エースとなった3期生の山下美月は、この10年で培った乃木坂のイメージと伝統を託された重要なメンバーであり、1期生や2期生が卒業によりいなくなってしまった未来では間違いなくグループの中心となるメンバーだ。
そして山下美月が受け取った伝統は次の未来へと既に向かっている。
六代目エース、4期生の遠藤さくらと賀喜遥香だ。
ふたりを同じ六代目としたのには理由がある。
近年乃木坂46は変わるもの、変わらないものをテーマに世代交代を急ピッチで進める傾向にある。
その最中で変わるものと変わらないものをひとつずつ持っているふたりが先に述べた遠藤と賀喜、というのが大きな理由だ。
遠藤さくらには変わらないもの、つまりは乃木坂46の最も代表的な象徴ともいえる儚さが。
そして賀喜遥香には変わるもの、つまりは今までのエースにはなかったパッと明るくなる笑顔と幸福感が。
それぞれに備わっている。
このふたりを27枚目、28枚目シングルを通してセンターとしたのは乃木坂46に昔からある乃木坂らしさを損なわず、同時にプラスα進化させることも出来る完璧なWエースの構築であると考えている。
白石、西野の二枚看板だった時代にも似ているが、それとは明らかに違う経験値の少なさこそあるものの、補うことも成長させることもできるのが3期生メンバーの存在だろう。
3期生には代表格山下美月以外にも個人的な主観ではあるが次期キャプテンの素質を持つ梅澤美波や、山下と共に乃木坂の顔となり得る与田祐希、乃木坂46の未来、成長を誰よりも確実に後押しできる久保史緒里など様々な能力を兼ね備えた頼もしいメンバー達がいる。
3期生、4期生が力を合わせて頑張る未来には絶対的に変わってはならないもの、乃木坂46にこの10年寄り添うようにあった最強の武器、究極の乃木坂らしさ「優しさ」が必要不可欠である。
優しさを失ったときが乃木坂46の終わりだと言っても過言ではない。
しかし乃木坂46の優しさはしっかりと受け継がれている。
偶然にも集まった全員が優しい心を持つメンバーだったと彼女達は言うが、優しさは伝染する。
卒業を控えている1期生の高山一実はその優しさをメンバーへと伝染させた人なのではないだろうか。
彼女が笑えばみんなが笑う。
彼女が肯定すればみんなが肯定する。
そうして乃木坂46は最強の武器「優しさ」を手に入れたのだと確信している。
高山が持つ優しさのイメージは全メンバーへと継承されている。
だからこそ乃木坂46はこの先もまだまだ坂道を登り続けていくのだろう。
そして最後に、乃木坂46が更なる坂を登る為には我々ファンも優しさを失ってはならない。
高山一実の優しさを知る者達よ、わかってほしい。
彼女の言葉にはどんなときであっても誰かを傷付けるような言葉など無かったことを。
高山一実はきっとあの子にも優しい言葉をかけている。
我々は今その光景をイメージすることしかできないが、高山一実をイメージしたとき、恨みや怒りといったイメージが全く思い浮かばないのは私だけだろうか。
彼女の優しさには誰もが笑顔になれる力がある。
ならばあの子の事だって笑顔にすることが高山一実にならできるのだ。
彼女の優しさが無駄になってしまわないように、ほんの少しでいい。
考えてみてほしい。

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