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「過去の経験」という蓄えが尽きたら

人生は本棚のようなものだと思う。

哀しい話、楽しい話、ワクワクする話、恋愛の話、いろんな経験がそれぞれ物語となって、本棚に並んでいくのだ。

読める本の種類がたくさんあるほど、数が多いほど、面白いのは当たり前だ。いかにたくさんの「自分の物語」を集めるか、それが生き様だと思っている。

最近、そこの連ねる「新たな物語」が足りないような気がするのだ。

今日はそんな話。


まだハイハイをするかしないかの頃から「絵本」の読み聞かせで育った私は、大の本好きとして成長した。

休み時間は図書室で過ごし、お小遣いもほとんどが本に消えた。お年玉は気を利かせた親戚が「図書券」をくれるほどに。

年間200冊以上は間違いなく読んでいた。そんな生活を軽く20年続けた。

といっても、学術系の本は全く興味がなくて、新書など開こうものなら数行で眠気が襲ってくる。私はひたすらに「小説」しか読んでこなかった。

手当たり次第に本を読み漁ってきたおかげで、「知識」はつかなかったが、語彙力と表現力はそれなりに培われてきたと思う。作文はいつも得意だったし、文章を書くのは好きだ。今でも。

いつでもどこでも鞄の中には本が入っていた。通学、通勤に片道一時間ほどかかる生活だったので早ければ2、3日のペースで一冊を消化していた。

家には定期的に売りにいってはいたが常に500冊ほどの本があった。

それが、イギリスのワーキングホリデーに行くために部屋を引き払うことになり、一変した。

本当にお気に入りの本を数十冊厳選して、あとはすべて売ったり、あげたりして手放してしまった。

Kindleペーパーホワイトを買いはしたものの、どちらかといえば小説がまだあまり多くはなく、英語学習中に日本語の本に没頭するのもどうかと遠ざけているうちに、すっかり本を読まなくなってしまった。

かれこれ3年近く、私は本をほとんど読んでいない。

私のインプット作業は完全におろそかになってしまった。

noteを毎日更新する、そしてTwitterにハマり、アウトプットをいろいろとし続けるようになって、インプット量の圧倒的な少なさを反省する日々が続いている。

今、私が書き連ねる文章はすべて「過去の経験」を引きずりだしてきているものだ。もちろんそれは読書だけでなく、「過去に思っていたこと」「過去に考えていたこと」「過去に書き残していたこと」そういった今までの人生を少しずつ、だが着実に削り出している。

そう私は今、これまで集めてきた「自分の物語」をただ引っ張りだしているだけ。

現にたった40日ほど続けているnoteでさえ、過去に自分が書いたブログ記事を軽くリライトしただけのものがあるのだ。

私は「過去の経験」に依存しすぎている。

過去の読んだ本で培った語彙力と表現力しか、使えるものがない。

このままインプットをしないまま、「新しい物語なり、そのための語彙や表現」を仕入れないままにアウトプットだけを続けていけば、私は何もない人間になってしまいそうだ。

空っぽになってしまいそうだ。

そう思った瞬間、怖くなった。

私はこのまま、「過去の経験」という蓄えを一方的に消費していくだけなのだろうか、と。

過去の経験や体験を面白おかしく赤裸々に語ることで生息をしているSNS上で、唯一頼っている「物語」が減っていけば、私は文字通り存在が消えてしまうのだ。

そんなことを考えるようになって、もっと冒険したくなった

もっと動いて、色んな場所に行って、人に会って、またたくさん本を今度はジャンルもいろいろと読んで、新しい自分を、自分の物語を作っていかないと。

「過去の経験」はなくなることはない。それはわかっている。

でもそこから新しく築き上げなければ、「私」は古くなるのだ。
「過去の話ばかり」をする大人が嫌だった。

なのに私がそうなってしまう、それはいけない。

自分を発信するには、その分、いやそれ以上に蓄えなければならない。

蓄えの中から、集めたものの中から、よりキレイなものを、より良いものを、より面白いものを提供しないと。

私は「面白い自分の物語」をアップデートしていきたいのだ。

「過去の経験」という蓄えが尽きそうだから、私は「新しい経験」を積極的に集めにいく。

新しい経験が、新しい切り口となって、過去の経験をまた違った形で輝かせることも出来るかもしれないから。

だから私は最近ずっとこう言っている。

「冒険がしたい。」

「一週間先に何が起こるかわからないような環境に自分を置いてみたい。」

もっと、もっと「自分の物語が欲しい!」

人生で起こったことを、これから起こることを「ジャンル」としてカテゴライズしていくとしたら、圧倒的に不足しているのは「幸せな恋愛物語w」

冒険の前に、こっちの話が欲しい、という本音を発見したところで、今日はおしまい。


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全力で私の愛をお返しします!

よくいく居酒屋のハイボールは、1杯190円です。もちろん深い意味はありません。