「あたし、赤松」

赤松という都市名

2021年1月現在、更紗語の単語の造語は、想界の音訳地名を解析していくことで導出されている。同時に現想対称性等の制約から「こういう語形になるはずだ」といった考察によって導出された単語もある。

その代表例が「赤松」の更紗語名である。

「赤松」という名前の都市は、更紗語で赤い松という意味の地名を日本語に訳したものである

とこれまで繰り返し述べてきたのだが、じゃあ更紗語でどういうのか、に対する答えが出ていなかった。それが最近になって出てきたのである。

結論から言えば、「赤松」は更紗語で「aatasi」である。「aa」が赤、「tasi」が松という意味である。「aa」は現想対称性等の制約に基づいて導出され、「tasi」は音訳地名から導出された。

結果としては、「城栄国にある aatasi という名前の都市は、更紗語で赤松という意味なので、日本語版地図においてはその名前を意訳して『赤松』という日本名で読んでいる」という表現になる。

それはそうと、 aatasi という更紗語名は、どことなく日本語の1人称代名詞の「あたし」に似ている。

そこで気がつく現想対称性

城栄の赤松は、首都圏と長大トンネルを介して新幹線で結ばれていて、「米が沢山とれる地域」でもあるという点で、日本の新潟に似ており、描画時も「新潟に相当する都市である」と意識されていた。

ここの現想対称性が、都市名に対しても成り立つならどうだろう。赤松の更紗語名は日本語の1人称代名詞に似ていた。ならば、新潟(の日本名)は更紗語の1人称代名詞に似ていたりしないだろうか?

すなわち、更紗語の1人称代名詞は niigata に似た発音なのではないか、という発想である。

留意しておきたいことは、

・更紗語ではあまり語中のg音があまり安定しなさそう(要検証)

・日本語の1人称代名詞の「わたし」は3音節。「山」・「川」はどちらも2音節。一方の更紗語は、日本語よりも音節数が少ない傾向があり、山はkyi、川はmwaでどちらも1音節なので、1人称代名詞も2音節以下の可能性が高い

の2つである。色々検証してみた結果、

・nika が「あたし」に近い、やや砕けた1人称代名詞

・nwika が「わたし」に近い、高頻度で使われる1人称代名詞

であろうという結論を得た。

地名から直接的に観測できる語彙は少ないが、こういう形で間接的に割り出せるものを含めると、謎解き方式でそこそこ造語できるかもしれない。

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