【雑感】昔聴いた曲と今好きな曲

10代の頃に聴いた音楽は、その後の音楽的な嗜好に影響を与えるそうだ。
科学的な正誤、統計的な真偽はともかく、ごく個人的には半分当たりで、半分間違いかな、と思う。

10代の頃僕がよく聴いていた音楽といえば、大半がアニメソングだ。とある軽音楽を題材にしたアニメから「沼」への一歩を踏み入れ、青春の半分くらいはそれに溶けたような気もする。
流行りのアニメの主題歌のうち、気に入ったものを買っては勉強中や登校時間の間に聴く、そういう生活を送っていた。逆に、周囲で流行りの曲というのはあまり知らず日々を過ごし続けていたのだ。
当時名を上げつつあったあるアイドルグループの曲を勧められた時も、「聞かな過ぎて逆に新鮮」とか思ってたぐらい。
とかく、サブカルに大きく影響を受けた青春だった。

大学に入ってから知り合ったとある友人は、それとは対照的で、しかし僕とよく似ている。
親の押さえつけが厳しく、アニメも漫画もほぼ触れられず、家にあった音楽CDはいきものがかりと福山雅治だけだったという。
それだけしかないということは、逆にそれをヘビーローテーションするということになる。彼のカラオケのレパートリーの大半が、その2アーティストで埋まっているのを鑑みると、結構な回数は聴いているのだと思う。歌い方も福山雅治にモロに影響されたような、良く響く重低音。
形は違えど、よく聴いていたアーティストはいるらしい。

僕は彼と知り合ってしばらくしてから、アニメソングを彼に勧めた。
そのままどんどんのめり込んでいき、いつの間にかその知識量と情報を追う速度は、ゆるゆるだった僕の遥か上を行くようになった。
新たな地平を進む彼は、出会った頃より輝いているようだ。
彼も僕に、福山雅治やいきものがかりのCDを貸してくれた。
福山雅治の『虹』は、彼のカラオケの十八番だ。初めて聴いた時から忘れられなかった。僕もいつか、僕の虹へ向かって飛び立てるような、そうあるべきだと言ってくれるような、美しい歌。
未知の領域を教えてくれた先達に、僕は感謝した。

10代の頃好きだった曲は、今も変わらず好きだ。
でも、今知った曲も、それと同じくらいか、それ以上に好き。昔の僕だったら絶対に聴かなかっただろうものを、愛せていることは喜ばしい。

人生を歩き続ける限り、人は変わる。
人と関わり、影響を受け続けることで、僕は進化できる。
そうだといいな、と思いながら日々を過ごしている。

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