干し柿を作るぞ!
朝玄関先に出たら大量の柿が置いてあった。
やや、これはどうしたものか。
まるで笠子地蔵じゃないか。
こんなに大量の柿、しかも渋柿、どうやって消費しようか。
こんな時こそ干し柿である。
というか干し柿しか選択肢はない。
早速作っていこう。
まずは柿の枝を切っていく。ヘタと繋がっている枝を丁字になるようにチョキン、チョキン、と整えてやるのだ。
これは後で紐を結ぶ重要な場所だから、間違っても全部首チョンパしてはいけない。
枝を切り終わったらそこに紐を結ぶ。荷造り用のPP紐がいい。新聞紙なんかをくくるあれだ。先ほど切った丁字の枝にひきとけ結びで締めてやり、4個ほどぶら下げる。すると「柿分銅」ができる。
できた柿分銅は全部で27個。4×27で108個干し柿を仕込んでいることになる。煩悩柿だ。日本広しといえど108個も干し柿を作る大学生はいないだろう。少なくとも文学部にはいないはずだ。
次に柿の皮を剥く。大量にあるから大変に思われるかもしれないが、大雑把に剥くのでそこまで苦ではない。シルシルシル、と剥いて干していく。
しかし剥いていると明らかに熟れていてうまそうなやつがある。剥いた皮を舐めてみると甘かった。なんと。これは甘柿であったか。しかし調子に乗って次のやつも舐めたらしっかり渋柿であった。ぐええ、舌が痺れる。渋というのはなかなかに強烈で、口をすすいでもとれない。ただ、耐えるしかないのだ。
なんとか剥きおわり、いよいよ最終工程となる。柿を紐ごと熱湯に浸すのである。およそ10秒、これで柿が消毒されてカビがこんにちはすることがない。後は2週間くらい干せば完成である。
なんだか吊り橋のような見た目になっていたので干し柿橋と名付ける。新たな晩秋の風物詩の誕生だ。
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