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主体的に、[Footwork&Network vol.25]

春学期の締めとなるF&N。今回は去年の11月ごろに出会ってから今に至るまで一緒に活動させていただいている合同会社 Ucycleの代表細田侑さんについてと、一緒に動く中で感じたこと、今も考えていることについて書きたいと思う。

細田さんについて

細田さんは合同会社 Ucycle の代表。東京墨田区で「墨の市」というマーケットを隅田公園で開催したり、「すみだパークシネマフェスティバル」や「ことまちプロジェクト」、「継創」など多くのプロジェクトに関わっている。また、撮影や配信技術もあるため各地のイベント配信や動画撮影、3×3labでも主に撮影機材運用などを行なっている、フリーランスで活動する方である。フリーで活動しているのでこの他にもたくさんのプロジェクトに関わっており、細田さんのカレンダーを見ると毎日違う予定がびっちりかつ休日もばらばらで毎日同じオフィスに出社し、休みの日が決まっていて…という会社員とは全く違うライフスタイルを送っている。そんな働き方をしている細田さんと出会って就活もあった自分は“社会人”というものについて考えさせられた。

出会ったきっかけについて

細田さんと出会ったきっかけは、3×3labだった。自分は去年の秋学期初期、コロナでゼミを受けられないゼミ生などがいたのをきっかけにゼミの授業をハイフレックスで行うことを考えていた。どうやってハイフレックスにできるかを3×3labで先生に相談した時、たまたまその日に3×3labの逆参勤交代のイベント配信をしに来ていた通りすがりの細田さんに先生が「細田さんに教えてもらえばいいよ」と言い、その日に飛び込みで配信のお手伝いをしたことがきっかけだった。(細田さんは10年近く前のカフェゼミに参加していたことで長岡先生とも顔見知りだったらしい。)以降、配信について教えていただいたり、細田さんの現場を見ることで勉強したり、「Ucycle 見習い」としてプロジェクトにも関わらせてもらうことになった。

そんなきっかけで知り合った細田さんだが、一緒に活動していくうちに彼自身の考え方や働き方を見て色々と考えさせられた。そのことについて書くためにもまず、彼と動く中で印象的だったプロジェクトについて紹介しながら書きたいと思う。

玉川野毛町パークラボキックオフミーティング配信

一つは野毛町公園の拡張工事に伴い行われている「玉川野毛町公園パークらぼ」のキックオフミーティング配信。これは世田谷に野毛町公園という公園があるのだが、現在拡張工事中で竣工は2年後。その2年後に完成する公園を住民主体で活用していくという計画が「玉川野毛町公園パークらぼ」であり、その公園をどう活用するかという住民たちのミーティングイベントの撮影記録を頼まれた細田さんのお手伝いを5月21日にさせていただいた。イベントでは住民たちのプレゼンや公園への思いが聞けた。


中でも特に印象的だったのは、目下拡張工事中かつまだ完成していない2年後の公園をどう活用するかという話を近隣住民たちがイキイキと発表していたことだった。そこには周りがどうとかではなく、「“私(たち)は”どうしたい」と主体的にアクションするヒトたちがいた。彼らのように住民自身がまちを楽しむ姿勢を持つことこそが良いまちづくりに繋がると考えている自分にとって「まさにこれだ!」という感想をシンプルに抱いた。

ことまちプロジェクト

次に、「ことまちプロジェクト」について。押上業平エリアにあった歴史ある長屋四棟を解体した空き地に来年2月、新しいまちづくりの拠点となる施設ができる。その施設をどう活用運営していくかというプロジェクトに関わっている細田さん。そのプロジェクトの中でも自分が素敵だと感じたのは地元住民にひらけた拠点となる施設をつくるということはもちろんだが、拠点ができるまでのプロセスも楽しもうとするプロジェクトを行っているということについてだった。
今年の2月に行われた「ことまちプロジェクト」第一弾である解体ワークショップでは解体される長屋を存分に楽しむ子どもや大人の姿が見られた。ただ新しい建物を建てるのではなく、そこに住んだ人の歴史や思いを感じながら過ごすことは新鮮だったし、より一層その場に対する思いを深める機会になったように思う。


その後、無事に解体が行われた6月。ことまちプロジェクトとして「妄想ワークショップ」が開催された。今度は拠点ができる押上業平周辺をグループでフィールドワークした。(自分は運営兼参加者として参加)フィールドワーク後、まちの集会所にて各グループで各々の妄想について発表した。
ただ、過ごすだけのまちではなく自分が過ごしたいまちを自分で作ることの一歩としてまず妄想をしてみる。これはまちで主体的に生きるための初めの一歩だと感じたし、こういう活動によって野毛町公園のような場や主体的にまちを楽しむヒトが生まれるのではないかと思ったし、自分のまちでもこのようなことをしたいと感じた。
さらには7月の毎週土日に開催されている「おしなりピクニック」
空地に拠点で敷く予定の人工芝の実証実験を兼ねてキッチンカーを置いてみたり、日中をその芝の上で過ごしてみるという企画も行われている。
2月に向けてただ拠点を建てるのではなく、空地や拠点、昔にあった歴史も“まち”として捉えて楽しむ姿勢が素敵だと感じたし、まちづくりに関心のある自分としてもとても勉強になっているプロジェクトである。

長屋があった空地を活用することで生まれた
"こと庭"
墨田区業平1-10-6


また、細田さん自身も「墨の市」や「すみだパークシネマフェスティバル」などを運営、開催している。どちらも墨田の人や区外の人を巻き込むように開催され、まちの日常風景を豊かに楽しく面白くすることを大切にしており、まさに細田さん自身も作ってみたい風景を主体的に作っている。その姿を見て自分も地元で何かやってみたいという刺激を受け、1月に屋台をやってみたし、まちづくりへの関心も深まり続けいる。そんな細田さんの尊敬するところは墨田でいろんな活動をしているにも関わらず全く誇らしげにせず、自分を別のまちのまちづくりイベントに連れて行ってくださったように他のまちからも学ぶ姿勢を持ち続けていることである。これは真摯にまちづくりに向き合っていたり、内発的動機で動いているからこそなのではないかと感じたし、自分もそうなりたいと感じている。

継創

最後に印象的なプロジェクトとして「継創」がある。墨田区はものづくりのまちである。いろんな町工場や歴史ある技術を持った人たちがおり、家業を継いだ2代目、3代目の人たちが集まって「継創」実行委員会、通称「It's実行委員会」を結成。墨田と区外を”家業”をテーマに巻き込んでいこうという活動が「継創」である。自分も父親が一人親方として大工をしているため個人的に家業を継ぐということに関心があった。It'sの方と比べたら小さな家業かもしれないが、会社に属さず自分で事業をしているという点では重なる。また、これは細田さんもだ。就活中、企業説明会では社員の方の話を聞く機会が多かった。が、細田さんやIt'sの方々など自分の事業を持っている人の話を聞くことは刺激になったし、自分で事業を抱えるという生き方や父親の生き方についても考えさせられた。(いつか父親とも“家業”について話してみたい。)

細田さんとの活動を通して

ここで挙げたプロジェクトは細田さんが関わっているプロジェクトのごく一部である。しかし、彼と半年近く一緒に活動させていただいたことでまちづくりや自分のキャリアについてたくさん考えさせられた。
そして、最後に春学期の締めとして「どうして細田さんはこんなに動けるのか。」「自分はどうなりたいか。」について今の思いを書いていこうと思う。
まず、細田さんがここまで動ける理由として、一番の大きな点は主体的に動き続けているからではないかと思う。学生時代からカフェゼミに参加するなど自分の興味に従ってナチュラルに“越境”してきたことが今も繋がっているのではないか。また、「すみだパークシネマ」や「継創」などは実行委員会もほぼボランティア的に結成されており、メンバーはやりたくて集まっている。もちろん細田さんもその一員である。つまり、金銭的価値ではなく別の価値基準で動いており、それができるのも細田さんが学生時代から直感と好奇心で動いていたことや墨田への思いやまちづくりへの思いがそうさせているのではないかと思う。自分もそんな姿を素敵だと思うし、学生が終わっても社会とそのように関われるようになりたいと感じた。

金銭的に価値があるないかで関係を築いたり行動を起こすのではなく、自分が大切だと思うものや興味関心を基準に動き、時には信念を持って腰を据えて関わる。

細田さんのプロジェクトや就活を経験してみて、何を基準に仕事をするか。何を基準に行動するか。など自分の仕事や大切にしているものについて考えさせられた半年だった。
今、自分は学生で時間があるからこそ気ままに動けているようにも思うし、社会人になって仕事に忙殺されたらもっと学生のうちにやっておけばよかったと思うのかもしれない。(しかし、忙殺され自分の行動ができなくなるのは嫌だとも思う。)
将来の具体的な自分の姿はまだ定まっていないが、細田さんのようなスタンスはとても素敵に思う。何はともあれ、自分の後悔しない選択をするためにもまずは残りの学生生活で存分に主体的なアクションを起こし、越境していきたいと思う。

最後に、こんな右も左もわからない自分を快く迎えいれてくれ、いろんな活動に声をかけてくださった細田さんには感謝しかないです。
ありがとうございます!
そしてこれからもよろしくお願いいたします!

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