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Tシャツを買って、[Footwork & Network vol.22 No.3]

6月5日、青山で開催された保護犬保護猫の譲渡会イベントに行った時。
Dog Shelterという保護犬団体のスタッフさんとお話しした時のことについて。



譲渡会は近くのファーマーズマーケットと併設した場所で行われており、マーケットを見に来た人がふらっと立ち寄りやすいような仕組みになっていた。

私は元々、譲渡会目当てで会場に向かったのだが、ファーマーズマーケットの方も魅力的でじゃがいもと玉ねぎを購入してしまった。また、初めてヴィーガンドーナッツを食べたが美味しかった。(他にもフルーツジュースやヴィーガンハンバーガーなど様々な商品があった。)
ファーマーズマーケットを少し外れると譲渡会場があり、保護されたわんちゃん、ねこちゃんに触れ合えるようになっていた。前述の通り、私はこちら目当てで来たのだが、ファーマーズマーケット目当てで来た人も私がマーケットに惹きつけられたように可愛い犬猫たちが実際に来ている会場を見れば足を止めてしまうこと間違いない。



Dog Shelterの方とお話したのはこの時だった。
このイベントの告知をしていらっしゃった運営の方に挨拶をし、イベントのことを丁寧に教えていただいた後、再び一人で会場をぶらぶらしていたのだが、なにか思い出に残るものが欲しくなったので譲渡会の方で買い物をしようと思った。(譲渡会でもマーケットは行われており、犬用の服やハーネス、Dog ShelterのTシャツがあった。)私は「Dog Shelter」と胸にプリントされたネイビーのシャツを購入した。

すると、同じシャツを着ていたDog Shelterのスタッフさんが購入時に「ありがとうございます!このお金はわんちゃんたちに役立てられます!」と言ってくださった。Tシャツを買うことがどのように保護犬の役に立つのかイメージできなかった私はどういうことかなのかと思わず質問した。

すると、Tシャツを買ったお金は具体的には保護犬たちの医療費や生活費などになると教えてくださった。
当たり前だが、保護犬の受け取りや里親が見つかるまでのお世話にはお金がかかる。しかし、保護団体はペットショップのようにビジネスをしているわけではない。そうなると基金やこのようなイベントでのグッズ売上がわんちゃんたちのためになるのだと腹落ちした。

そう思うと急にこのTシャツが誇らしくなった。特別高いわけでもないがわんちゃんたちの役に立っていると思うと意味があるように思えてきたのだ。
今思うと、このような気持ちになったのも購入時にスタッフさんが「わんちゃんたちの役に立つ」と教えてくださったことも大きいと思う。自分のような軽い気持ちで買った人間でもわんちゃんたちの役に立てたと気づくことができ、自分も保護犬活動に関われた気持ちになった。
その後、実際に保護犬と暮らしていらっしゃる Dog Shelterのスタッフさんと話すことで保護犬保護猫の現状を知ることができた。
悲惨な現状を知って自分にできることはない、これは自分の問題ではないと動かないでいることもできるし、目を背けずにスタッフさんたちのようにきちんと向き合うことができる人もいる。しかし、Tシャツを買ったことやスタッフさんの何気ない言葉は傍観者であった私を向き合う側へ一歩近づけてくれた気がする。
自分の世界を広げること、世界や社会と向き合うことはTシャツを買うように少しずつでいいからはじめていこう、と感じた譲渡会での出来事だった。


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