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投げつけられる言葉 ≪重度障害児子育て≫

障害のある子を持つ親として、よく言われる言葉がある。
きっと言わなくても分かるだろう。
「かわいそう」だ。

はっきり言わせてもらうと、語彙力と想像力が足りないのだろう。そんな言葉しか思い浮かばず、言われた側の気持ちをこれっぽっちも汲み取らない言葉だ。

障害があるというどうしようもないことを「かわいそう」というのは、いかがなものだろうか。

例えば、身長が伸び悩んでいる子に対して、「背が低くてかわいそう」と言うだろうか、一生懸命走っていてもタイムが縮まらない子に「走るのが遅くてかわいそう」と声をかけるだろうか。

よほど心がない人でないと言わないはずだ。
しかし、障害がある人には堂々と平気でこの「かわいそう」は投げつけられる。そのうえ、周りも違和感を抱かないことが多い。

この言葉に娘が小学生のとき、立ち向かったことがある。
「かわいそう」を投げつけてきた相手に向かって、「私の弟はかわいそうじゃない」と反論したのだ。
ただ、その相手に娘の言葉は一切響かなかった。
「え?どうして?かわいそうじゃん」

『障害を持っている=かわいそう』なのだ。
娘から言われても、意味が分からないといった様子だった。

「かわいそう」と言った子は、もしかしたら親から「かわいそうだから優しくしてあげないとだめよ」と言われていたのかもしれない。
大人が言葉を間違うと、その子供も言葉を間違う。
どうか、「かわいそう」なんだと教えないでほしい。

大人でもこの言葉を投げつけられると、辛い。
慣れることはない。
小さかった娘の心はどれほど痛かっただろうか。

こう言ってほしい。こうはどうだろう。
とは、あえて言わない。
言葉選びを今一度、考えてもらいたい。

心の中でどう思うかは自由だ。
でも、言葉に出すときはどうか。


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