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センテンスで答える 1(be動詞編)

前回の「中学2年になる前に」の続編ですが、中学生だけに役立つわけではないと思い直し、タイトル変更。有名大学に合格した生徒と最近 TOEICのリスニング問題について話していて、「(問いの)出だしを聴き取れない」のはなぜだろうかと考えた時、理由の1つとして、疑問文に答える練習が不足しているからではないかと。地味な練習だから、学校では時間をかけないのかもしれない。Did Mr. Cho...? という問いに対してどう答えればよいのか、学校での英語の成績が良い生徒でも迷うのだ。When ....? や Who ....? の問いの出だしの When がそもそも聞き取れなかったりする。聞き取れたとしても、その後に迷う。実際の問題では、Who ...? の問いに対して必ずしも人名が正解とは限らず、「シフト表を見てくれ」が正解、ということもある。Who made this?  に Alice was. を選んだら得点できない。Alice did.なら正解の可能性が高まるが。そして、学校のテストでも同様のスキルが問われる。

高校の定期テスト(英語)の問題に「次の質問に英語で答えを書きなさい。ただし、センテンスで答えること。」という条件が見受けられることがある。Yes / No だけや単語だけでなく、主語と動詞を伴うセンテンス(文)の形で書けと求めれる問題だ。それだけ、答えられない生徒が多いのだろうし、きちんと文の形で書けるように望まれているのだろう。

実生活では「通じればOK、失礼がなければOK」ということが多いし、急ぐ時や語数に限りがある記事などでは、省略・簡略化した方が合理的だ。それでも、学習の初期の段階ではきちんとセンテンスで言える(書ける)ようにしておくことがよい。本来の正統な表現を知っていて、必要に応じて略すのと、略式しか知らないのとでは土台が違う。土台が小さいと、高く積み上げた時に倒れやすくなりがち。家にたとえたら、土台、さらにその下の地盤は目立たないけれども、何より重要だ。

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文の形で答える英語力は、日本では中学校で身につけることだが、できていない現実を目にする。偏差値が高い中高一貫校に通う高校生でも、不完全だったりする。春休みの家庭学習の1つとして、または、年間のいつでも思い立った時にトライしてみませんか。(言葉遣いが統一されていませんが、読み物というより、練習問題として活用されることを願っていますので、そこは生暖かい目でスルーなさってください。)

この先は、中学英語の基本的な答え方を練習する問題を載せますので、中学生・高校生・受験生、保護者のかた、学生ではないかたにも練習に役立てていただければ幸いです。

【主語を代名詞に変換する練習】

 センテンスで答えられない原因の1つは、代名詞化に迷うから。

例えば、Do you and Tom play tennis?  という問いに Yes, they do. と答えてしまうミスが実際に少なくない。正しくは Yes, we do.

「あなたとトムは~?」→「あなたたちは~?」と聞かれたので、「はい、私たちは~」となる。「あなたと彼」には「あなた」が含まれるから、「彼ら」にはならない。

A: Is Tom a student? ― Yes, he is.  B: Is Tom a student? ― Yes, Tom is. 

どちらも正しいが、Aの方が一般的だ。つまり、2度目からは代名詞に変えるので、その練習を10問。代名詞に集中するため、まずは全て be動詞で、全て Yes で。

 例) Is that a bird?              ―Yes, ( it ) ( is ).

 1) Are you a student?      ―Yes, ( ) ( ).

 2) Are you students?     ―Yes, ( ) ( ).

 3) Is Mr. Smith your math teacher? ―Yes, ( )( ).

 4) Is Ms. Green your music teacher? ―Yes, ( )( ).

 5) Are Tom and Sam brothers? ―Yes, ( )( ).

 6) Are you and Kei classmates? ―Yes, ( )( ).

 7) Am I doing a good job?  ― Yes, ( )( ).

 8) Is your mother a teacher?   ― Yes, ( )( ).

 9) Is this your pen?                 ― Yes, ( )( ).

10) Are these your shoes?               ― Yes, ( )( ).


【解答】(      )内だけでなく、音読しやすいように Yes, も付いています。                                                     1) Yes, I am.  2) Yes, we are.   3) Yes, he is.     4) Yes, she is.              5) Yes, they are.  6) Yes, we are.    7)  Yes, they are.  8) Yes, she is.  9) Yes, it is. 10) Yes, they are.

 7) 「私はちゃんとやれていますか」「はい(あなたは)よくやっていますよ」 8) your を you と混同するミスも少なくないです。「あなたのお母さんは~?」と「あなたは~?」は違うのに、Yes, I am.と書いてしまう中学生は少なくない。 10)「これはあなたの靴ですか」1足でも複数形になるので要注意。ソックス、ジーンズ、手袋、メガネなど左右一対のものはそうなります。1足なら a pair of shoes, 2足なら two pairs of shoes となります。

次に、疑問詞を使った疑問文に答える練習を。

例) What is in the box?   (  three apples )   ― ( Three ) ( apples  ) ( are ).

  「その箱に何が入っているの?」「リンゴが3つ入っている」

尋ねた段階では単数か複数かわからないので、単数で質問するが、答える時は3個とわかって答えるので、 is ではなく are を使って答えます。

多くの生徒が混乱するのは、特に who の質問です。次の①(主語の場合)と②(目的語の場合)を混同するからで、やはり文型の理解が必須です。

例: ① Who helped you?    ―Meg did. 

  ② Who did you help? ―I helped Meg. 

①「誰があなたを手伝ってくれたの?」「メグが手伝ってくれた」

②「あなたは誰を手伝ったの?」「私はメグを手伝った」


今回は、代名詞に変換して答えることに集中するため、be動詞の文だけにしました。(      )内を答えとして、センテンスで答えてみましょう。

Yes / No では答えない疑問文

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例) What is this?   (  an eraser )   ―   It is an eraser.

  「これは何ですか?」「それは消しゴムです」

     Is this a crayon or an eraser? ― It is an eraser.

 「これはクレヨンですか、それとも消しゴムですか?」「消しゴムです」

11) What are these? ( erasers )      ―

12) Are these crayons or erasers?  ( erasers )    ―

13) Who are those boys?  ( Tom's cousins )     ―

14) Who is that lady?   ( our new teacher )   ―

15) Where is your book?  ( in my bag )      ―

16) Where are your books? ( in the desk )   ―

17) What was there in the room? ( a piano )   ―

18) What was in the room?  ( his piano )  ―

19) Where is Paul?  ( in the gym )  ―

20)  Where were you yesterday?  ( in Kobe )  ―


【解答】                                                     11) They are erasers.   12) They are erasers.   13) They are Tom's cousins.       14) She is  our new teacher.   15) It is in my bag.  16) They are in the desk.   17) There was a piano.   18) His piano was.   19) He is in the gym.          20)  I was  in Kobe.

 17)も18)も、問いの和訳は同じ。 「その部屋には何がありましたか?」

17) 「ピアノが1台ありました」 18) 「彼のピアノがありました」

主語はピアノであって、there は主語ではないが、疑問文に対して thereを使って答える。問いの英文を和訳すると、日本語の字面は同じになってしまうが、意味することは異なる。同じ「○○がある」という和訳でも、There is ○○.(○○がある)の表現は、そこにあると知らなかった場合に使うのだ。肯定文で比べてみよう。

   ○ There is a pen on the desk. 「机の上にペンがある」 主語は a pen.

 あれ、ペンがある。誰かの忘れ物かな? というような、今初めてペンの存在を言う状況。机を見る前からわかっていた場合にはこの表現はNG。

 There is    × the pen       on the desk.                                                                                  × my pen  

 ペンの存在を前からわかっていて言う場合には there is は使えない。

 ○ The pen is on the desk.   「そのペンなら机の上にある」             ○ My pen is on the desk.  「私のペンは机の上だ」

そういうわけで、There  is ○○. の文は SVではなく、VSの語順であることから、やや特殊な文と見なされていますが、よく登場します。

「昔あるところに、一人のおじいさんが住んでいました」のような物語文の冒頭が英語なら、 Once upon a time, there lived an old man. となります。

  少しわかってきたでしょうか。いきなり全部をわかろうとするより、昨日までの自分より進歩したな~というくらいが、無理がなく長続きできてよいのではと思います。では、あなたは次の状況ではどちらを言いますか?

郵便局ならどの局でもいいが、近くにあるかわからなくて聞く状況で。

①  Is there a post office near here?           ② Is the post office near here?

はい、この状況に合うのは、①です。既に特定の郵便局のことが話題に出ていて、それは近くなの?と尋ねるなら②を使います。そもそも、日本語には a と the に相当する冠詞がないので、日本人にとっては冠詞が最も難しいのではないかと思われます。 a も the も付けない「無冠詞」も含めて、冠詞の世界は奥深いです。

ついでに、 There are pens.   「ペンが(複数)ある」と 、                                                               These are pens.「これらはペンだ」が一見似て見えることでケアレスミスをする生徒も多いです。1文字違うだけで大違いです。

次回は「センテンスで答える 2(一般動詞編)を書いてみたいと思います。皆さんの英語力が高まる一助になればうれしいです☆





 


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