見出し画像

形容詞と副詞 ポイントはたった1つ

 英文法を学ぶ時、効率が良いのは「文型」の知識を身につけることです。同じ単語でも語順(単語の配列)によって全く意味が異なってしまう場合もあり、単語だけで「なんとなく」読むのはリスク大です。

 今回は、初心者向けの内容ですから、ほぼ中1レベルの英文にします。

 文型を理解するには「品詞」の知識から始めるとよいです。品詞とは、「○○詞」と「詞」で終わるもの。例えば The book is new. なら、品詞は

the(冠詞)/  book(名詞)/  is (動詞)/  new(形容詞) となります。

「その本は新しい」という意味で、S(subject / 主語)は the book,  V(verb / 動詞)は is, その後に何があるかで文型が決まります。この文では new が形容詞で「C」になり、学校で習う5文型のうちの第2文型(SVC)です。

「C」は「補語(complement)」のことで、「C」になることができるものは、名詞または形容詞。形容詞と副詞の区別がつかなくて、文型の区別が不完全な人は多いです。「C」って何?と理解したら、後半の問題にトライ!

画像1

 形容詞と副詞の区別ができれば、文型の区別は今より楽になり、さらに、不定詞の「形容詞用法」と「副詞用法」の区別も、関係代名詞と関係副詞の区別も楽になり、関係形容詞も理解しやすくなります。

 では、形容詞と副詞を見分ける「たった1つのポイント」とは何か?

 それは、「形容詞は名詞につながる」と覚えておくだけです。なぜなら、副詞は「名詞以外につながる」からです。ハイレベルになれば「名詞につながる副詞」も登場しますが、中学~高1の文型テストなら、これでOKです。

 では、練習してみましょう。次の fast は形容詞? 副詞?

 1) This is a fast train.           2) They run fast.    

 1)これは、速い電車だ。 2) 彼らは早く走る。

  1)「速い電車」→ fast は名詞 trainにつながるので、この fast は形容詞。

  2)「速く走る」→ fast は動詞 run につながり、この fastは副詞 。

   日本語訳も、形容詞は「い」や「な」で終わることが多く(100%ではないですが、例「楽しい」「静かな」など)、副詞は「く」や「に」で終わることが多い(例「楽しく」「静かに」など)というように、変化します。

 ところが、 2) を「彼らは走るのが速い」と訳すこともでき、「速い」という日本語だけで考えるとわからなくなってしまうのです。そのため、英語の品詞を考え、「形容詞は名詞につながる」を思い出し、2)の fast は run(動詞)につながるから、形容詞ではない⇒副詞だね!と判断すればOKです。

「彼ら」という人(名詞)につながるのでは?と思った人もいるかもしれませんが「彼らは速い」だけでは、仕事が速いのか、問題を解くのが速いのか、早食いなのか、よくわからないですよね。「走る」という動詞につながると考え、動詞につながるのは副詞だということです。

画像2

 マグロにはワサビ、サラダにはマヨネーズ、など相性のいい組み合わせがあるように、「be動詞(is)は形容詞と相性がよい、一般動詞(runs)は副詞と相性がよい」と考えても、ある程度は判断できます(100%ではないです)。

 副詞はとても働き者(!?)で、①副詞は動詞につながる、②副詞は形容詞につながる、③副詞が副詞につながる、④副詞は文全体につながる、などいろいろな働きができるのに、文型において OにもCにもならないのです。

それ以外は副詞)」を基準に、易しいレベルから区別してみましょう。

3)~8)のどこに形容詞または副詞があるかな?

 3) They are happy.              4) They lived happily.

 5) He is a good singer.       6) He sings well.

 7) She arrived early.            8) She likes early morning.


画像3


【解答】                                                                                                                      3) happy は形容詞(「彼らは幸せ(な人たち)だ」人(名詞)につながる) 4) happily は副詞(「彼らは幸せに暮らした」 動詞 lived につながる) 5) good は形容詞(「彼は上手な歌手だ(=歌が上手い)[職業が歌手でなくてもよい]」名詞 singer につながる) 6) well は副詞(「彼は上手に歌う」動詞 sings につながる) 7) early は副詞(「彼女は早く着いた」動詞 arrived につながる) 8) early は形容詞(「彼女は早朝が好きだ」名詞 morning につながる→「早い朝」)

 形容詞+ ly ⇒副詞 というパターンは多いです(100%ではない)   例:happy - happily     easy - easily    usual - usually    careful - carefully 

 happy とhappily,  good とwell のように、形容詞か副詞かで「見た目が異なる」ものもあれば、1) 2) の fast や 7) 8) の early のように見た目(つづり)が同じものもあります。応用レベルでは「形容詞の well 」も登場するので、単語だけに注目せず、文全体で考えましょう。

 例  My cat got well. 「私の猫は元気になった」  

    この well は「元気な(状態)」という意味の形容詞です。元気な状態をゲットした⇒元気になった ということです。「(ケガや病が)『よく』なった」という日本語で考えると、 I know that well. 「それを『よく』知っている」と『よく』の字面は同じになりますが、後者の well は副詞です。

 got well の well は動詞 got につながるのではなく、cat という名詞につながる( cat の状態を説明する)ので形容詞なのです。

 いかがでしたか? 「名詞(人や物事)につながるのが形容詞」はOKでしょうか。あなたにとって、昨日よりも英語が楽しくなりますように。





 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?