戦士がみた青い星
この10日間の戦いで、僕の体はキズつきすぎていた
3日間もあれば解決するはずが、反乱軍の戦闘機の戦力がアップしていたことと、こちらは援護がほとんどないほどの数に減ってしまっていたのも誤算だった
とにかくコロニーで最低限ではあるが、破損した関節部分の補強とやはり最低限の燃料補給はしてもらわないと。
もしすぐ彼奴らがまた奇襲攻撃でもされたもんなら、今度はキズや破損ではすみそうにもない。命の危険さえある。
本来、命って言ってよいかわからないが、ロボットに人間の脳だけが組み込まれた僕らには。
10日間休息していなかったからだろう。脳に新しい人工血液を流してもらうと、心地よさと意識が遠のいていった…
反乱軍の数が年々増加していると会議で報告があった。
彼奴らは現体制に何の不満があるというんだ。すべて平等に時間と権利が与えられ、何もしなくても生活していける世界。
緊急ブザーと同時に僕は“宇宙の果て”と言われる空間に飛び出した。
今日という今日は、彼奴らに深刻なダメージを与えてやる。遂に完成した新兵器のビーム砲で、僕は反乱軍より先に先制攻撃を仕掛けた。
ものすごい光と爆発音の後には、反乱軍の姿は粉々のチリとかしていた。
この攻撃をきっかけに、僕らは反乱軍の拠点となっている青い星に攻め入る。
この拠点の星を叩けば彼奴らの戦力はガタ落ちになるはず。僕はいつも以上に、攻撃的に容赦なく彼奴らを片っ端から破壊していった。
新兵器のビーム砲の効果は絶大で、彼奴らの戦闘機はほぼ壊滅したはずだ。
僕らは宇宙の果ての先の星の本部と思われる高台にあるドームの入り口を破壊して中に押し入った。
そこは僕が想像していた世界とはまったく違う景色が広がっていた。
違う生物なのか?僕らより少し小さな同じような生物と、またもっと小さな小さな生物がたくさんこちらを見ている。
攻撃をしかけてくるわけではなく、ただ涙を流していた。
僕らはこの生物を確保して、コロニーに持って帰ることとなった。かなりの数がいるので、まずは現状把握と生態系を分析してからコロニーに運ぶこととなり、30日間この青い星に残ることになった。
この星の生物は、たぶん哺乳類と言われていた動物になることのようだ。
そして“宇宙の果ての先の星”といわれているこの青い星の生物を大型カプセルに収納して、コロニーに戻る日がやってきた。
この生物を見ていると、とにかく温かい、何故か懐かしい感覚になることに気付き始めている自分がいた。人工血液が脳内に流れる時と同じような感覚に似ているような。
さて、コロニーに戻るとしよう。
3日後からプラグが刺さった満たされた生活に戻れるのに、なぜかこの星から離れるのが寂しいのはなぜだろう?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?