高校生クイズ2020参戦記その7

※この感想文はHuluのディレクターズカット版を観ながら、ツイッターでツイートしたことを織り交ぜつつ書いています。本編及びディレクターズカット版のネタバレを含むのでお気をつけください。

追記:最終回にも関わらずタイトルを盛大に間違っていることに気づいてしまったので修正しておきます

その後も少し修正入れました

前書き7

ここ数日の連続投稿に驚いた方も多いのではないでしょうか。(どの口が言うか) 気が付けばもうすぐ高校生クイズ2021の発表が来かねないという状況になったことで、無理やり決勝まで書き上げることが出来ました。

足りない語彙力、ぐちゃぐちゃの文体、定まらない語り口、安定しない投稿頻度…… 最終回まで読んでいただきありがとうございました。もう少しだけお付き合いください。

今回は決勝はもちろん、ついでに僕のクイズ観について語ろうと思います。興味ないという方は興味あるところだけでもどうぞ。

画像1

↑記念の一枚 顔隠してないバージョンもある

クライム・ザ・スリップ・マウンテン

2303分の3。6909分の9。ついに決勝。

意気込みを問われて答える。

「決勝にいるのは夢で、今この夢の中にいるけど、本当の夢は「優勝」っていうこの先にあるので、最後まで全力を尽くして3人で頑張りたいと思います」

「本当の夢はこの先にある」は決勝に行ったら絶対言おうと決めてたことです。『第37回高校生クイズ』の決勝で見た激闘。あの激闘がきっかけで僕はクイズの面白さというものを知りました。今、その夢の舞台にいることは事実ですが、これだけで満足はできません。憧れの舞台で勝利を掴んでこそ、真にすべての夢が叶ったと言えるのです。

中々決まったセリフと思うのですが、緊張によりカミカミで焦ってるように聞こえるのがひどい。もう少しうまく言えればなー。

渋谷幕張リーダーも僕と同じ気持ち。やはりみんな同じような思いを持っているらしい。

長野リーダーが長野県初の制覇を狙うを言っていたので、僕も福島県初の制覇を狙うと返す。(福島県のこれまでの最高成績は第17回でいわき光洋高校が残した3位) ちょっと、そこにいる渋谷幕張。何してんの。君たちも勝ったら千葉県初優勝でしょ。何で教えてくれないの。


松丸さん作成ということが伝えられていた決勝問題。地頭力をフル回転させなければ答えにはたどり着けない、頂点にふさわしい(今見るとこれ「山」にかかってますね)難問らしいが、さてどんな問題が来る。松丸さん作成というからにはきっと壁一面に張り出された謎解き問題みたいなものがーーー

桝さん「巨大ヌルヌル山を制覇しろ、クライム・ザ・スリップ・マウンテン!」

えぇぇぇ、カメラの画角外にこんな大きなセットがあったんですかぁぁぁ

ルールはシンプル。登ってボタンを押せば勝ちだ。

頂上まで約5m。さらに表面には日テレのお得意ともいえるスーパーヌルヌルローション。(僕のローションに対するイメージは「なんかヌルヌルしてるやつ」止まりです……ホントですよ!)

使えるアイテムは、1mのロープ2本、30㎝の角材5本、自転車のタイヤ1本、新聞紙5部、手袋5双、塩500g…………塩? 何に使えるか分からないけど何かには使えそうな道具だ。


そして僕たちの手助けをしてくれるスタントマンさん3人。「ほぼ三つ子」と称されるだけあって誰でも変わらなさそうに思えるが、しっかりとくじ引きをする。どうせなら撮れ高を作っておこう。

僕「じゃあ(1位を目指すという意味で)ナンバーワンの1番でお願いします」

さて、渋谷幕張と長野はこの流れに乗ってくれるかな?と思っていると、

渋谷幕張「3人の力を合わせるので3番で」

乗ってくれた。長野に要らないプレッシャーがかかる。

長野「最後は“ニコニコ”して終わりたいので2番で」

今振り返っても見事な返しだ。変なプレッシャーかけてごめんよ。


シンキングタイムは15分。話題の中心にあるのはほとんど塩。ローションと化学反応するかもしれないし、粒がいい感じに足や新聞紙に引っかかってくれるかもしれない。しかし、とりあえず塩を使うという発想は出るものの、その後どうすればいいかが出てこない。角材の使いどころとか全がく分からない。

そういえばロープはどんな構造になっているんだろう。断面を見せてもらって……なるほど、こういう風になってるのか。いわゆるよくあるロープだ。

あまり案が出ずシンキングタイムを持て余してしまうこととなった。


ついに決戦の時間だ。この答えに自信があるわけではないが、突っ走るしかない。最後まで戦い抜く!


まずは塩。上を通れるか、ーーーー通れない。

新聞紙と組み合わせたらどうだ?ーーーー通れない。

あまり塩の効果が出ていない気もするが、何もしていないこの時間がたまらなく不安で仕方ない。とりあえず「塩+何か」を続けて実行し続けないとメンタルがもたない。塩切れが心配になってきた。


しばらくして、松丸さんからヒントが出る。

松丸さん「あることに気づくと、大きさが変わるものがあります!」

ピンとこない。この中で大きさが変わるものなんてロープか新聞紙ぐらいしかなさそうなものだけど、ロープが仮に2倍になったとしても5mは届かないし、新聞紙は大きくはできそうだけど強度がなさすぎる。もしかしてタイヤの大きさを変えることができるのか? 伸びるようには見えないが、中にロープを入れたりすれば可能性としてあるのか?

何も指示を出せないこの間がもどかしい。何かしないと。松丸さんのヒントには合致しないが、靴を新聞紙で包んだりと新聞紙を多用したり、この先が全く見えないがロープをタイヤに入れてもらったりした。

やってもらってて申し訳ないが、この方法では何も見えてこない。何かが下りてくれば。


閃いたのは本当に突然だった。松丸さんのヒントからロープの使い方について考えていた時だ。

ロープは三つ編みのように絡み合っていて……

…………三つ編み! そうだ! それならロープをほどけば!

1mが3mに、2本なら6mになって、十分頂上に届く!

自分の人生でも上位に食い込む会心のひらめきだ。


急いで伝達する。あとはこれにもう一工夫加えればーーー

ーーーそう思った刹那、画面の上に突然何かが見えた。信じたくはないが、あれは明らかに他のチームどちらが作った仕掛けだ。僕たちも近いうちにたどり着いていたであろう、タイヤを引っかけるリングとしてロープに結び付けた道具。すでに完成してゴールに王手している。

ここでトラブルが起こり、全チームの指示出し、スタントマンさんのアクションが一律ストップ。シンキングタイムが与えられたが、もう考える必要もない。

この状況から逆転するのは絶望的だ。こちらは仕掛けに気づいたばかり、相手は道具が完成済み。このまま平運で仕掛けを作ったチームが優勝するだろう。それでも、諦めるわけにはいかない。全国放送や真剣勝負という以前に、ここはあれだけ憧れた夢の舞台だ。解法までたどり着いて簡単に諦められない。最後まで足掻いてやる!

やや時間があって再開。ローションのせいで手袋を取らないとロープがほどけない、そしてその伝達の過程ですれ違いが起こるといったリモートならではのトラブルが起こったものの、その後は順調にロープがほどかれていく。僕たちにできることは輪投げが失敗するように祈るだけだ。頼む。外れ続けていてくれ。


しばらく外れ続けたものの、ついにその時は来た。

2本目のロープほどきに取り掛かっている途中、あのタイヤがボタンに引っかかってしまった。何の因果か、安積によく見えるように。

こうなれば、あれだけ忌々しかったローションが今度は有利に働く。ロープを掴んでさえしまえばローションの滑りが利用できるため、音に対する反射神経以外の運動能力が最悪クラスである僕であっても登れるだろう。

黄色ジャージのスタントマンの姿が見え、優勝が、決まってしまった。


「……………………悔しいなぁ…………」

共に戦ってくれたスタントマンさんにお礼を言った後、ため息と共に無意識に出た言葉だ。夢まであと1歩だった。当然悔しい。でも、ただ悔しかったわけじゃなかった。

自分でも信じられないくらい清々しい気持ちだった。この負けは、フィジカルが追い付かなかったわけでも、チームワークが悪かったわけでも、ましてや時の運に見放されたわけでもない、「知力」の部分での敗北だ。(僕は高校生クイズにおける「実力」は、「知力」ととらず「知力・体力・チームワーク・時の運の総合力」ととっています) 変な理由はない。ただただ、安積は渋谷幕張に知力で劣ったのだ。知力はクイズの問題や、時には謎解きなどにも触れて、クイズ研究会が鍛える1番の要素だ。そこが足りなかった。だからこそ自分たちの負けを、これ以上にないくらい認めることができた。

(ここで「なぜ決勝戦が完全な実力勝負になれたのか」について、少しオカルトめいた考察をしようと思います。今回の決勝でなぜ時の運が平等に働いたのか、僕はその理由を「全チームが準決勝で1度負けているから」と考えています。もし準決勝に勝ち抜けの順位がつくようなものだったならば、この決勝における「勢い」というものはそこに現れてくるでしょう。しかし、今回の準決勝は全チームが1度失敗しています。前回の表現を繰り返し使うならば、全チーム1度は「命運尽き果てている」、勢いが0に戻っているのです。そこから休憩等の間があまりなく、再び勢いがついたりするようなことはなかったので、チームごとの運の差がないまま決勝戦に突入したというわけです)


松丸さんの解説によると、この問題のポイントは2つ。1つはもちろん、ロープがほどけることに気づくこと。そしてもう1つは、いち早く塩から脱却すること。我々は松丸さんの手のひらの上で踊らされていたのです。塩という絶妙に使いたくなるチョイス、恐るべし。

渋谷幕張が気づいたのは松丸さんのヒントのすぐ後らしい。やっぱり力負けか。

「手先が不器用なので助かった」という言葉には共感しています。親戚や友人等、安積を応援してくれた方々から中々の確率で「ロープほどくの遅くなかった?」との声をいただいたのですが、僕がほどく方が圧倒的に遅いです。というか、ロープほどく経験なんてないから普通あんなものです。黄色スタントマンさんが上手かっただけです。ロープほどく経験なんてないからあんなにいい問題になったのです。(スタジオで実際にやってみよう勝負だったらどうなったでしょうか。手先の器用さには自信がありませんが、登る速さだけは運動部宗像君がぶっちぎってると確信しています)

安積にも感想が求められたので、松丸さんに「塩置いたの一生許しませんよ」と言っておきました。本心です。ただ、「すごい良い問題でした」というのも本心です。問題製作者にとってこれが何よりの賛辞ということは、クイズ好きの端くれとして理解しているつもりです。

そういえば、スタジオでは「ロープをほどくことに気づいたから準優勝だよね」と言われ、賞状ももらったのでずっとその気でいましたが、どうやら長野高校も賞状をもらった(=準優勝だった)そうです。まあどっちも敗者なので同率でもいいやと思いつつ、「こっちはロープほどくのに気づけたよ」マウントはずっと取っていこうと思います。(記録収集するとき面倒なことになりそう)

長野高校リーダーの「もう塩見ると怖いです」という言葉に共感できる人は日本でもそう多くないと思います。僕は数少ない1人です。


(この後にあったはずのモーリー・ロバートソンさんの話は僕のクイズ論で話します。何度も後回しにしてすいません)


全てが終わり渋谷幕張の表彰式を見守る。全国大会において、僕たちが唯一参加することができなかったプログラムだ。来年こそこの舞台に立ちたい。また新しい目標ができた。

総括7

総括という名の反省タイム!

「実力が足りなかった」で終わらせたい、というかそれで終わらせていいのですが、この決勝の秀逸さについて語らせてください。


まず、問題そのものが面白く、平等です。ロープをほどくのも巨大輪投げをするのもまず経験することがないので、実力差が出づらいです。松丸さん本人も語っていますが、ロープが三つ編みになっている情報というのも観察すれば分かりますし、知っていればアドバンテージになります。先述の通り、(挑戦するのはスタントマンさんですが)ローションのおかげで登れないということはまずないでしょう。リモートのためロープを実際に触れないというのもいい難易度の設定になっています。

何より、この道具が山の上で見えてそれをパクろうとしても、作るのに時間がかかるので、よほどのことがない限り先手を打ってるチームには追い付けません。本当によくできた問題です。(このことをツイッターで話したら松丸さんからリプをもらえました。あの人、狙ってやってます。やっぱり謎解きブームの立役者はスゲーや)


また、この問題の特徴は、極限まで物理問題に偽装したひらめき問題だということにあります。時間軸としては、決勝は準決勝のすぐ後にあたります。つまり、全チーム完全に「物理脳」になってたわけです。(このあたりは準決勝がカットされて4回戦のひらめきから続いたテレビ版だと分かりづらい) 塩や新聞紙といったいかにも理科系に使えそうなアイテムが並べられていたことで、(少なくとも僕は)まんまと物理・化学系の問題だと思ってしまったのです。

過去回にも目を向けるべきでしょう。地頭路線であった38回、39回の決勝は模範解答が物理の理論を使ったものであり、過去回を覚えていれば覚えているほど、今年の決勝も同じ路線だろうというバイアスがかかってしまいました。2年分、2大会分の壮大な前フリです。


そして、物理脳になっていようと、「この問題の製作者は松丸さん」ということを覚えていれば、明らかに理科系アイテムの塩に引っ張られることはありません。そのために最初に松丸さん本人が「地頭力が必要」と言っているのです。本っ当にいい問題!

僕のクイズ観

今まで後回しにしてきたモーリー・ロバートソンさんからの話について、ついに話します。Hulu版での決勝直後にある(実際には準決勝の直後でした。つまり、この言葉は天王寺高校を励ますためのものでもあったのです!)、本放送では何故か提供が重ねられてしまった宇宙世代の話です。

面白い話なのでぜひHulu版で聞いていただきたいのですが、実はこの話には続きがあります。

「そのスケッチブックはいつかのために保管しておいてほしい」

なぜ僕がこの話をここで取り上げるかというと、この話が僕のクイズ観に重なっている部分があるからです。


このご時世、思考力だAIだと言い、クイズをするという行為を「無駄な知識を覚える無駄なこと」として否定する意識高い系の人がたくさんいます。

それに対する僕の答えは3つ。1つは、クイズ好きの9割以上が言っているであろう「クイズに役立てるためだからクイズに役立てばいい」という考え。2つ目は、伊沢さんの意見の1つでもある「いちいち検索するわけにはいかない/ネットで検索するだけでは得られないものもたくさんある」という考え。


そして3つ目は、僕が(多分)独自に持っている「どんな知識も無駄とは限らない」という意見です。

よく「無駄な知識」と言われますが、そもそも「無駄な知識」とはどのような知識を指すのでしょう? 学校で習うなら必要な知識なのでしょうか? 日常生活で使わないなら無駄な知識なのでしょうか?

知識はいつ必要になるか分かりません。勉強していることと結びつくかもしれない。明日の話に出てくるかもしれない。たまたま行った博物館に展示してあるかもしれない。

今回のスケッチブックも同じです。準決勝で出したアイデアは、今はまだここでしか役に立っていない。でも、見返したとき、思い返したとき、突然役に立つことがあるかもしれない。そう考えると、無駄な知識が必要な知識になることがあるのではないでしょうか。

また、そう思うと、普段知識を収集することが楽しくなります。無駄な知識だと思うより、「クイズに役立つかもしれない」「さらにどこかで役立つかもしれない」と思う方が、日常生活が何倍も楽しくなります。結果的に役に立たなくても、その感情はとても素晴らしいものではないでしょうか。

というわけで、僕はこれからも、頭の中のスケッチブックに役に立つかもしれない知識を残すことを楽しもうと思っています。これが僕にとってのクイズの楽しみ方の1つです。


(ちなみにスケッチブックは日テレに回収されました。悲しいかな)

祭りのあと

大会の全工程が終わり、長野高校や渋谷幕張のリーダーとLINEでつながった。長野高校リーダーとは、一緒に千葉に乗り込もうなんて笑い話をしていた。実際に会ったわけでもないのにこんな関係になる。不思議な話だ。

宗像君は(推しメンの生田絵梨花さんこそいなかったものの)大好きな乃木坂メンバーと話せてとてつもなく嬉しそうだったし、久しぶりのクイズだった荒井さんも大会を楽しんでくれた。スタッフさんへの寄せ書きも書いたし、そろそろ解散せねばならない。惜しみつつも、放送日を楽しみに別れた。


放送日までの滞空時間は、1週間の空き期間以上にもどかしかった反面、忙しくもあった。無論、宣伝のためである。学校やクイズ研究会ではもちろん、親戚や小・中学時代の友人にも、連絡ができる人にはひたすら連絡していった。学校経由で福島県ローカルの情報番組である『ゴジてれ Chu!』の取材もあり、福島県民として大いに驚いた。(これが原因で学校の偉い人に結果がバレた) サプライズしたさから、結果には細心の注意を払うことを忘れないようにし、連絡の際には「どれぐらい映るかわかんないけど」なんて白々しいことを言ったりした。果たして、放送中は大量の通知に嬉しい悲鳴を上げることになった。


放送中はツイッターで軽く裏話をしていた。テレビに出たらずっとやってみたかったことだ。こちらでも多くの反応がいただけて、「やっぱりこういう裏話は需要あるよね」なんてファン目線の意見を偉そうに持っていた。(これが参戦記執筆に本格的に動くきっかけの1つとなる)

放送終了直後は不思議な気持ちに包まれながら、他の参加者らとネットでの交流を楽しんだ。


放送後、色々なところで反響を知ることになった。

学校では色々な先生に称賛され、聞いたところではお褒めの電話まで来たらしい。どうやらこの一件で「安積高校」の良いイメージ(と正しい読み方)は広まったようだ。同じクラスにいる生徒会長からはかなり喜ばれた。高校名を背負うことの重大さを身をもって知った。

3月には学校代表の1人としてラジオの学校紹介番組に出させていただいた。他の3人は、生徒会長、ハンドボール部部長、応援団団長。そしてそこにいるクイズ研究会会長。場違いにならないためにも、安積の紹介に奮闘した。

安積高校だけではなく安積高校クイズ研究会・AHQの知名度も大きく向上したようだ。全国大会に進出したことで、学校誌や学校新聞などで取り上げてもらう機会もできた。校内では「クイ研」という言葉を以前よりも圧倒的に聞くことになった。

クイズ研究会の偉業はOBの方々にも届いたようで、なんと、ちょうど10年前に全国大会に出場した3人の先輩から荷物が届いた。(安積は以前、第8回大会と第30回大会で全国大会に進出している) 中身は、クイズ好きにはおなじみ「スーパーハヤオシピンポンブー」に、安積高校カラーである紫色の花たち、そして手紙だった。突然の贈り物に、高校生クイズの歴史の長さと、時間を超えたつながりの強さを感じた。

色々あった中でも一番嬉しかったことは、「安積高校でクイズ研究会に入りたい」と中学生が言っているという話を聞くようになったことだ。自分がクイズを広める立場になったことに驚いている。先述の通り、僕がクイズに興味を持ったのは中学2年生の時、『第37回高校生クイズ』を見たことがきっかけだ。あの時憧れた立場に今いると思うと、少し恥ずかしいとともに、素直に嬉しい。ただ申し訳ないことに、実はAHQ、まだ学校非公認である。こうなってしまった以上は、責任をもって、僕が学校にいる間にAHQを安定させたい。


そしてこの春、新入生が入ってくる。冬の放送のためクイ研目的に安積を選んだ高校生はいないだろうが、AHQを存続させるためにも死ぬ気で勧誘せねばなるまい。今から気合が入っている。

エピローグ

予選で全国7位だった時の僕たちやれるぞ感、全国大会が始まるときのワクワク感、負けられない舞台での緊張感、今は鮮明に残っているこれらの感情も、時間がたてば少しずつ薄れていくことを避けられない。

だからこそ、忘れないうちに文面に残した。高校生クイズに参加した喜びや楽しさを伝えたくて、インターネットで公開した。この参戦記そのものが、僕が感じたことの証だ。


そして、僕は、僕たちは、福島県代表の安積高校として全国大会に出場し、しかも準優勝という成績を残せた。そのことは、高校生クイズの歴史、テレビクイズの歴史、クイズの歴史に長く残り続ける。僕が覚えているよりずっと長く。

大好きな高校生クイズの歴史に自分の名前が残ることを、僕はずっと誇りに思っていたい。


ーーーそして、今回以上の成績を歴史に残すことを、僕は諦めてはいない。

(終)

Special Thanks

共に戦ってくれたチームメイト 荒井さん 宗像君

自宅での高校生クイズ参加に協力してくれた家族

いっぱいイラスト描いてくれた妹

安積高校の生徒&先生&OBの皆様

一緒にクイズをしてくれているAHQの部員のみんな

非公認活動の顧問を引き受けてくださっているO先生

僕たち宛にお花やお手紙をくださった第30回全国出場者の先輩方

県大会でライバルとして戦ってくれた福島県在住高校生

全国大会でライバルとして戦ってくれた全国大会進出校

よくペーパーを出してもらっている前橋高校のWさん

10年間の司会お疲れ様でした 桝太一アナウンサー

 僕たちの緊張を和ませてくれた千鳥さん

宗像君含め多くの高校生の願いを叶えてくれた乃木坂46の皆さん

応援で場を盛り上げてくれた3時のヒロインの皆さん

良いリアクションを見せてくれた四千頭身の皆さん

最高の問題を用意してくれた松丸亮吾さん

僕たちの作戦を一生懸命実行してくれたJO1の皆さん

身代わりになってくれた水溜りボンドさんとはじめしゃちょーさん

すてきな言葉を届けてくれたモーリー・ロバートソンさん

『第40回高校生クイズ』を創り上げてくださったすべてのスタッフさん

安積と連絡を取ってくれたスタッフさん M.E.さん

決勝戦の赤いスタントマンさん Mさん

応援してくださったすべての方々

『高校生クイズ2020参戦記』を読んでくださったすべての方々


これにて完結です

改めて、ここまで読んでくださったあなたに最大限の感謝を表します

本当にありがとうございました

安積高校クイズ研究会・AHQ初代会長 航ぺン こと 大和田航洋











隠れSpecial Thanks

僕の活躍を見て『クイズエース6』にオファーしてくださった

新井来歌夢さんはじめとする『クイズエース』運営陣の皆様

クイズエース出たよ!!!!











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