猫の口内炎に対するホモトキシコロジーの使い方

猫の口内炎の原因の多くは下記のように様々です。

  • 猫白血病ウイルス感染症や猫免疫不全ウイルス感染症のような免疫が抑えられてしまう病気から二次感染

  • 腎臓病に伴う尿毒症

  • 刺激物や異物の影響(電気コードの感電など)

  • 猫ウイルス性鼻気管炎ウイルス、猫カリシウイルスのような上部気道ウイルス感染症

  • 歯根部の膿瘍、重度の歯周病

このほか、歯石の付着や歯周病の程度と関連しているという報告もありますが、実際には歯石が付いていなくても口内炎がある猫が多数います。

猫の口内炎ができる原因はひとつだけではなく、組み合わさって発症していることが多いので治療が難しいことも多いです。


一般的な口内炎の治療

  • ステロイド療法

  • インターフェロン製剤

  • 抜歯を含む歯の処置

  • 抗菌薬の投与

  • 非ステロイド系抗炎症薬

  • サプリメント

  • その他の治療

ステロイド療法

痛みや炎症を抑えるお薬で即効性もあるので短期的にはとても使いやすいお薬です。ただ長期服用する際は副作用も多く免疫を抑える効果もあるので感染症がある場合には諸刃の剣になります。
また根本的な治療ではなくあくまで対象療法になるので短期的な症状の改善に使用していきます。

インターフェロン製剤

インターキャットなどの注射薬や、インターベリーなどの口腔内に塗布するお薬などがあります。免疫を活性化することでウイルスのや細菌の活性を抑える効果が期待できます。
感染症を疑う場合には使っていってもいいお薬です。

抜歯を含む歯の処置

歯周病に伴う口内炎の際には全臼歯抜歯および全顎抜歯の処置が行われます。
その名の通り全臼歯抜歯はすべての臼歯を、全顎抜歯はすべての歯を抜きます。
全臼歯抜歯による口内炎の治療奏効率は70%、全顎抜歯では90%といわれています。
あくまで抜歯は最終手段にはなりますが重度の口内炎や治療反応が悪い場合は有効な手段の一つになり得ます。

抗菌薬の投与

細菌感染に伴う口内炎の場合は抗菌薬の投与が有効になりますが、抗菌薬は苦くて飲ませるのが困難なケースや耐性菌の問題が生じます。

非ステロイド系抗炎症薬

痛みと炎症を抑える有効な薬ですが、長期服用に伴う腎臓への負担や根本的な治療ではなくあくまで対象療法になるので短期的な症状の改善に使用していきます。

サプリメント

副作用なども少なく使いやすい反面効果が実感できないケースもあり、あくまで補助療法的な位置づけになります。
痛みを抑えるアンチノールやラクトフェリンなどが含まれたデンタルバイオなどがよく使われるサプリメントです。

その他の治療

最近ではステロイドや非ステロイド系の薬の代わりにソレンシアという変形性関節症の治療薬を使う場合が時々あります。
口内炎で内服が難しく副作用が気になる高齢の猫ちゃんには月一回の注射で済むので重宝しています。ただ口内炎に対しては適応外治療になるのでかかりつけの獣医師にご相談ください。

ここからが私が実際に行っている治療を紹介していきます。

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