遊戯王:シンクロ型【ホーリナイツ】デッキ紹介

【ホーリナイツ】とは、2020年12月5日に発売した「SELECTION 10」で登場した「ホーリーナイツ」と名のついたカード群と、これらがサポートする光属性・レベル7・ドラゴン族モンスターを中心とするデッキです。

私は登場時点から、各種「ホーリナイツ」モンスターと、「聖夜に煌めく竜」のビジュアルに惹かれ、新カードが出るたび【ホーリナイツ】デッキをいじってきました。
そしてこの度、ようやく納得のいく構築ができました。こちらのデッキは、身内戦やリモートデュエルでも良い反応をいただくことがありましたので記事にして紹介したいと思います。
なお、紹介するデッキはトーナメントシーンを意識しないコンセプトデッキとなります。紹介に際して、各カードの略称、非公式用語を用いる場合があります。ご了承下さい。
また、デッキ紹介の後に備忘録的にデッキ構築の変遷についても記します。
他の人の【ホーリナイツ】デッキ構築の際の助けになれば幸いです。

1.デッキ内容紹介

http://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/member_deck.action?cgid=85702157df8faed599660fff769d5170&dno=37&request_locale=ja

【ホーリーナイツ】ギミックを使ったシンクロ召喚デッキです。
「宣告者の神巫」で「ホーリーナイツ」モンスターを墓地へ送り、「ホーリーナイツ・レイエル」で「ホーリーナイツ」を蘇生することでレベル10シンクロが出せること、「ホーリーナイツ・フラムエル」が相手ターンにも墓地から除外可能なことの2点に着目し、「相剣大公-承影」をエースに据えています。
また、「ペンデュラムグラフ」を手札に加え、「オッドアイズ・アドベント」をサーチしておきます。
「アドベント」を使用し、「ペンデュラムグラフ」をコストに「サウラヴィス」を手札・墓地から儀式召喚、墓地へ送られた「ペンデュラムグラフ」を「フラムエル」で回収しスケールに貼ることで「アドベント」回収、といった毎ターン「サウラヴィス」を儀式召喚するループを形成します。

2.展開例

再掲になりますが、紹介に際して、各カードの略称、非公式用語を用いる場合があります。ご了承下さい。NSは通常召喚、SSは特殊召喚を指します。

このデッキでは、「宣告者の神巫」を「スターダスト・シンクロン」のコストでリリースすることが最初の動きになります。
そのため、最初にこの基本の動きを紹介します。

手札に「宣告者の神巫」+「スターダスト・シンクロン」に触れるカード(「スターダスト・シンクロン」3枚+「スターダスト・イルミネイト」3枚+「調律」3枚+「おろかな埋葬」1枚の計10枚)があるパターン

  1. 「スターダスト・シンクロン」がない場合は、上記のカードを用い、手札か墓地に用意しておきます。

  2. 「宣告者の神巫」をNS、効果は使いません。

  3. 「宣告者の神巫」をリリースし、「スターダスト・シンクロン」のSS効果を起動。

  4. 「宣告者の神巫」のリリースされた場合の効果と、「スターダスト・シンクロン」の着地時効果とが同時に誘発します。大抵の場合「神巫」チェーン1、「シンクロン」チェーン2で処理することになります。

  5. 逆順処理、「スターダスト・シンクロン」の効果で「スターダスト・イルミネイト」をサーチ、「宣告者の神巫」の効果で「サイバー・エッグ・エンジェル」をSS。

  6. 「サイバー・エッグ・エンジェル」の着地時効果が発動、「祝福の教会―リチューアル・チャーチ」をサーチ。

  7. 手札で余っている魔法を片っ端から使用し、墓地の魔法を2枚以上確保します。足りない場合は、「祝福の教会―リチューアル・チャーチ」の①の効果を発動し、手札の魔法を「古聖戴サウラヴィス」に変換しておきます。

  8. 「祝福の教会―リチューアル・チャーチ」の②の効果を発動し、墓地から「宣告者の神巫」を特殊召喚します。

  9. 「宣告者の神巫」の着地時効果を発動します。手札に「古聖戴サウラヴィス」と「オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン」がいない場合はEXデッキから「虹光の宣告者」を墓地へ、いる場合は各種「ホーリナイツ」モンスターを墓地へ送りレベルを6に変更します。

  10. レベル2の「サイバー・エッグ・エンジェル」とレベル6チューナーの「宣告者の神巫」で「混沌魔龍 カオス・ルーラー」をシンクロ召喚します。

  11. 「混沌魔龍 カオス・ルーラー」の効果処理。ここで基本展開は終了です。

上が基本の動きとなります。
11.のあと、墓地から「スターダスト・イルミネイト」の効果を使い、余っている「スターダスト・シンクロン」のレベルを3に変更すれば、「混沌魔龍」と合わせてレベル11の「サイコ・エンド・パニッシャー」のS召喚が狙えます。
他にも、3.のタイミングで墓地か手札に「スターダスト・トレイル」がいれば、モンスターがリリースされた際にSSされるので、「混沌魔龍」に追加して「PSYフレームロード・Ω」のS召喚ができます。

次に、最大展開の紹介をします。ただし、大まかな動きは上に近いので適宜簡略化して紹介します。

「水晶機巧-ハリファイバー」をリンク召喚でき、手札か墓地に「スターダスト・シンクロン」と「スターダスト・トレイル」を用意できるパターン

  1. 何らかの手段で「水晶機巧-ハリファイバー」をリンク召喚。

  2. 「ハリファイバー」の効果でデッキから「宣告者の神巫」をSS。

  3. 上の基本展開と同様の展開を行います。この際、3.の手順の際に「スターダスト・トレイル」をSSしておきます。

  4. 「カオス・ルーラー」着地後、「スターダスト・シンクロン」と「スターダスト・トレイル」が場にあるので、これらで「PSYフレームロード・Ω」をS召喚します。

  5. 相手ターンに移ります。スタンバイフェイズに、「Ω」の効果を使い、展開で除外されたカードを墓地へ戻します。(「ジェット・シンクロン」か「スターダスト・シンクロン」、「ホーリナイツ・フラムエル」を優先的に戻すことが多いです)

  6. 相手メインフェイズ、何らかの効果処理後に「ハリファイバー」の効果を発動、「フォーミュラ・シンクロン」をS召喚扱いでSS。

  7. 「フォーミュラ・シンクロン」の着地時効果で1ドロー、処理後に「フォーミュラ・シンクロン」の相手ターンにS召喚する効果を発動し、「混沌魔龍 カオス・ルーラー」とS召喚。合計レベル10で「相剣大公―承影」をS召喚します。

  8. あとはお好きなタイミングで「PSYフレームロード・Ω」の効果を発動し、ランダムな相手の手札1枚と「Ω」とを除外する効果を使えば、「承影」の効果が起動し、相手の場と墓地のカードを選んで除外できます。

最大展開の場合、最短でこのデッキのコンセプトである「フリーチェーン的に「承影」の除去効果を起動する」という動きに到達します。

上記のS召喚を用いる展開と並行して、「ホーリナイツ」ギミックを活用して「オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン」と「古聖戴サウラヴィス」とのループコンボを形成します。
一応、どういう動きになるか紹介しておきます。

「オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン」と「古聖戴サウラヴィス」とのループコンボ

  1. 「聖なる篝火」、「祝福の教会―リチューアル・チャーチ」、「宣告者の神巫」の効果で「虹光の宣告者」を墓地へ送る、「聖なる降誕」のいずれかを使用し、手札に「オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン」と「古聖戴サウラヴィス」とを用意する。

  2. 「オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン」をスケールに貼り、エンドフェイズへ。

  3. 「ペンデュラムグラフ」の効果を発動し、デッキ・墓地から「オッドアイズ・アドベント」を手札に加え、「ペンデュラムグラフ」を手札に戻します。

  4. 相手ターンです。適宜手札に構えた「古聖戴サウラヴィス」の効果を使ったり使わなかったりします。(対象を取る効果発動を無効にできるので、「承影」を守るのに使うことがあります)

  5. ターンが返ってきました。手札の「オッドアイズ・アドベント」を使用し、手札の「ペンデュラムグラフ」をリリースすることで、手札・墓地から「古聖戴サウラヴィス」を儀式召喚します。

  6. 「宣告者の神巫」の効果や「混沌魔龍 カオス・ルーラー」の効果で墓地へ送られた「ホーリナイツ・フラムエル」の効果を発動します。墓地の「フラムエル」を除外し、墓地の「ペンデュラムグラフ」を手札に回収します。

  7. 「ペンデュラムグラフ」をスケールに貼りエンドフェイズへ…以後2.から先の動きを墓地の「ホーリナイツ・フラムエル」が尽きるまで行えます。「PSYフレームロード・Ω」で「フラムエル」を除外から墓地へ戻せば、3回以上のループも行えます。

以上が「サウラヴィス」の毎ターン召喚を行うループコンボになります。基本展開を行いながら、こちらのコンボの準備も並行して進めます。

3.一旦おわりに

以上、基本展開とループコンボを活用し、時には「サウラヴィス」を展開補助と割り切って「スターダスト・シンクロン」のコストやS召喚の素材に巻き込んでガンガンS召喚をしていきます。

主に狙う動きは、「リチューアル・チャーチ」の効果で毎ターン墓地から「宣告者の神巫」を蘇生、「宣告者の神巫」の効果で「ホーリナイツ」モンスターを墓地へ送り「ホーリナイツ・レイエル」で蘇生、するとレベル6チューナーとレベル4モンスターが出力されるので「相剣大公―承影」をS召喚、という流れです。

「ホーリナイツ」モンスター各種が墓地から除外して発動する効果を持ち、特に「フラムエル」が相手ターンでも墓地から除外できるため、「承影」を能動的な除去として使うことができます。
また、「承影」の破壊に対する耐性に加え、手札に「古聖戴サウラヴィス」を構えることで「トロイメア・ユニコーン」などの対象を取る除去に疑似耐性を付与できることが大きなポイントになります。

その他、いろいろと「除外」にかかわる効果を持つモンスターを採用しており、全体的にシナジーする要素の強いデッキとなりました。
あとデッキパワーには全然関係ないですが、何故か星空に関わるカードで固まっており、フレーバー的にも綺麗でなんか気に入ってます。

「ホーリナイツ」デッキにしてはかなり特異な、面白いアーキタイプのデッキになったのではないでしょうか。
「ホーリナイツ」に興味がある、デッキがまとまらなくて困っている、セレ10剥いてパーツが余っている方は是非組んでみてくださいませ~。

4.余談:「ホーリナイツ」雑感

以下余談です、本デッキ紹介には関わりませんが「ホーリナイツ」というテーマについて色々考えたことを書きなぐっておきます。
アイデアが誰かの役に立てば幸いです。

まず、「ホーリナイツ」デッキをはじめて組んだ際、本デッキのような綺麗なシンクロデッキではありませんでした。

はじめは愚直に、公式の想定する「ホーリナイツ」モンスターや魔法罠で「聖夜に煌めく竜」を相手ターンに出し妨害するデッキを組んでいました。
ただし、このデッキタイプだと正直デッキとしての強みを感じにくく、あまり好きこのんで使用する理由を見いだせずにいました。具体的には「イビルツイン」デッキとの差別化が難しく感じられたためです。

「イビルツイン」デッキは純粋1枚初動から、相手ターン中の破壊による1妨害と1ドローでのリソース回復を行えます。これは「聖夜に煌めく竜」(1枚)と「聖夜に煌めく竜」を出し入れするカード(計2枚)、これに加えて「煌めく聖夜」発動時の状況とバリューが変わりません。

まとめると、計4枚以上のカードを使い、やっていることは「イビルツイン」の純粋1枚初動の動きとそこまで大きく変わらないことが最大の問題点でした。

そこで、差別化を図る際に着目したのが「ホーリナイツ」は召喚出来るモンスターの制限がかからないという点でした。特に、「聖夜に煌めく竜」が自分のフィールドも破壊できる点も活用できるデッキとして「アーティファクト」との混合デッキがはじめに組み上がりました。

そのデッキは、早々に崩してしまい、デッキレシピも残っていませんが、デッキコンセプトだけ紹介しておきます。

それは、「光天使」の展開力を借りて「アーティファクト・ダグザ」をリンク召喚し、その効果で「アーティファクト・デスサイズ」をセット、相手ターン中に「聖夜に煌めく竜」で「デスサイズ」を割ることで相手のEXからの展開を封じる。以後のターンも「ダグザ」をリンク召喚しては「煌めく竜」で叩き割ることで、半永久的に「デスサイズ」を蘇生し続け、相手のEXを完全に封殺するというデッキでした。

おもんね~~~~~~~~~~~

しかもこのコンセプトも後に登場する「D-HEROデストロイフェニックスガイ」によってよりコンパクトに達成可能になってしまいました(2022/04/05現在はアナコンダ禁止により構築は難しいですが)

ということで、「ホーリナイツ」デッキの構築は一旦お蔵入りとなるわけですが、「ペンデュラムグラフ」実装前から「古聖戴サウラヴィス」をフル活用するデッキの構想は練り続けていました。

なぜなら、「聖夜に煌めく竜」は言うほど「ホーリナイツ」と相性がいいとは思っていなかったためです。
「聖夜に煌めく竜」の性質は①の効果による盤面干渉、③のダメステ中の相手モンスの一時除外と連撃を考えればむしろ「フィニッシャー」だと感じています。

他方「古聖戴サウラヴィス」はチェーンブロックを組まない特殊召喚を無効にしつつ、自身の効果で手札に戻ってくることができます。
光・レベル7・ドラゴン族が戻ってくることで蘇生できる「ホーリナイツ・オルビタエル」や「煌めく聖夜」との相性はむしろ「サウラヴィス」の方が良好であり、色々な儀式ギミックを駆使して「サウラヴィス」の連続出力を目指していました。

また、「ホーリナイツ・フラムエル」の墓地効果を活用する点は、「アーティファクト」型のデッキの時点で強く意識していました。
管見の限り、場にいる時に効果を持たないためか、多くの「ホーリナイツ」デッキ紹介で採用枚数が控えめであった「フラムエル」でしたが、純粋に墓地のカードを手札に戻すという効果はアドバンテージに直結しており、積極的に「フラムエル」を落とす&墓地回収をより多くのアドバンテージに変換する手段として「武神帝―ツクヨミ」を採用していました。

カードが除外される、という点も「武神姫―アマテラス」によってアドに変換するという設計が「アーティファクト」型デッキの時点で取り入れられていました。

そんなこんなで、迷走を極め「トランソニックバードを使えばサウラヴィス連続出力できるかな……」なんて考えていたある日、「オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン」の情報をTwitterで入手。
まずは「古聖戴サウラヴィス」のループコンボの雛形が完成しました。

そしてこれは運に支えられましたが、偶然「スターダスト・シンクロン」のお話をフォロワーがしていたのでテキストをまじまじと読む。
え、めっちゃ「宣告者の神巫」と相性がいいじゃんと気づいた時には「ホーリナイツ」デッキをいじりはじめ、本デッキが完成したという次第です。

というわけで、本デッキでは「聖夜に煌めく竜」のギミックは最小限にとどめています。
主に事故ってどうしようもない時に、「レイエル」をNSし「聖夜の降誕」をサーチすれば1妨害を構えられるという保険の動きか、展開に余裕がある時に「アステル」を蘇生しその効果で出力、相手の盤面を一気に崩すフィニッシャーとして活用します。

そのかわり「古聖戴サウラヴィス」を活用する、「ホーリナイツ」の墓地効果(特に「フラムエル」の)を活かす! という2つのポイントが全面に出ています。「承影」+「PSYフレームロード・Ω」の盤面であれば、展開力に長けたシンクロデッキなら達成可能ですが、そこに「古聖戴サウラヴィス」での耐性を付与でき、「Ω」の他にも「承影」の起動手段があることが最大の強みであると考えています。

正直、ロクに自分でデッキを考えもしないのに、テーマの実力を腐す人間への反抗心で「ホーリナイツ」を必死に考えていたような気もします。
本デッキにまとまるまで、かれこれ1年以上かかってしまいましたが、デュエルの相手がこのデッキのコンボを面白く見てくれることが、何よりも代え難い喜びです。デッカスなので……

ご意見などありましたら是非に頂戴したく存じます。
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そんなこんなで趣味についてのブログ更新でした。
でゎでゎ~