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ニンジャスレイヤーRPGシナリオ:【フェイク・ニュース・アンド・フィード・ガーズ】

御礼

このシナリオは古矢沢=サン作「リムジン護衛任務(仮題)」を元に、戦闘内容などにアレンジを加えたシナリオとなります。原作と一部内容が異なりますのでご注意ください。
原作者およびニンジャスレイヤーに関わるすべての方々にラブ、リスペクト、ラブを。アリガトゴザイマス。
原作:リムジン護衛任務(仮題)

初めに

 このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」に対応したシナリオであり、ニュービーニンジャ3~4人、またはベテランニンジャ1~2人でのプレイを前提にデザインされている。
シナリオの内容は全体的に小説的な記述を多めにしてあるため、必要に応じて内容の削減を行い、テンポアップを図っても良い。
RPGプラグインとして、「リボルバー・アンド・ヌンチャク」を使用している(銃器を使用)。こちらも参照すること。

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NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。

+「メキシコライオン」を倒した+
+条件+ 
と記載している場合は、戦闘やダイス判定の成功・失敗などによる条件分岐を表す。
後に続く内容を実行すること。
読み上げる場合は先述のルールで記載されている。

0:シナリオの章区切り
(数字):で区切られた一文はシナリオの章区切りを表す。

情報:キャラ以外の情報、および備考
灰色で塗りつぶされた部分は、PC達に開示すべきキャラクターステータス以外の情報を指す。
キャラクターステータスの表示
カラテ    1 体力    1

黒く塗りつぶされた部分はPCに開示すべきキャラクターのステータス情報である。
原則として、この内部の情報は全てPCへ開示しておくこと。

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シナリオの概要

PC達を始めとしたソウカイニンジャはゲイトキーパーから招集命令を受けた。『アーバンホエール』なるニンジャがネコソギ・ファンドの襲撃を予告したため、ソウカイニンジャの大半を使い、ネコソギ・ファンド社員の護衛任務を発令したのだ。
重役はより高位のソウカイニンジャが受け持つため、PC達に割り当てられるのは一般社員の護衛任務だ。襲われる可能性も低そうな、楽なミッションではあるが…?

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

0:作戦

:タタミ100枚が敷き詰められた完全防音の会議室に、ニンジャの笑い声が響き渡る。
:「ムッハハハハハ!良かろうヘルカイト=サン!その案でやってみるがいい!タイムイズマネーだ!」
:「ハイ、ヨロコンデー!!」
:重金属酸性雨を降らす雲の隙間から、珍しく赤々とした空が顔を覗かせていた。

『フェイク・ニュース・アンド・フィード・ガーズ』

1:指令

非戦闘のためマップの用意は無いが、必要に応じて作成すること。
:深夜0時。君たちはシックスゲイツのトップ、ゲイトキーパーよりIRCを受信し、数十人に上るソウカイニンジャと共に、ここトコロザワ・ピラーの一室に集められた。
:等間隔に並べられた長方形の一人用机と椅子。周囲にはクローンヤクザがずらりと並び、黒板めいた最前線のワイド・スクリーンには現在何も映っていない。先に集まったニンジャたちは思い思いに席に座り、雑談している。
:ワイドスクリーンの横にはオフホワイトの装束を着た、ただならぬ気配のニンジャが足を組み座っていた。
(これはヘルカイトである。後ほどPCに接触するが、PC達がソウカイニンジャとしてふさわしくない行動をとる場合は、ヘルカイトによる粛清を行うこと。NM権限でアンブッシュを行ったり、ケジメさせれば良い。)
:君たちも他のニンジャに倣い、最後尾の席に固まって着席した。

自己紹介などのロールプレイを必要に応じて行うこと。

:ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン……部屋に鐘の音が響くと部屋の明かりが消えた。
:どうやら会議が始まるようだ。
:静かにしなければ、ソウカイニンジャとしての恥を晒し、ムラハチされてしまうだろう。

:ワイドスクリーンに、ミラーめいた光沢のあるニンジャ装束を身に纏った、尋常ならざるアトモスフィアのニンジャが映し出された。ソウカイヤ最古参の1人にして、シックスゲイツの創設者、ゲイトキーパーだ。会議室に緊張が走る。

ゲイトキーパー:「ドーモ、若きソウカイニンジャの皆さん、ゲイトキーパーです。今回君たちを呼んだのは、明日執り行われる、ネコソギ・ファンド社重役会議の警護をしてもらうためだ」

ゲイトキーパー:「先日、ダイダロス=サンが、ネットワーク上でアーバンホエールの名を持つ傭兵と正体不明の発信者が愚かにも我がネコソギ・ファンド社への襲撃を依頼する取引を行ったことを確認した。ダイダロス=サンがアーバンホエール=サンの身元と、発信者の正体を掴むのは時間の問題だが、もしアーバンホエール=サンが明日に控える会議を妨害してきた場合、それによって引き起こされる社会的、経済的損失は甚大なものだ。故に私は、その会議に参加するネコソギ・ファンドの社員全員にニンジャの護衛を就けることに決めた」

:スクリーンに『アーバンホエール』なるニンジャの情報が映し出される。

:#SOUKAI_NET:SYSTEM_BOT:アーバンホエール
:中折れ帽が特徴的な黒い革製のニンジャ装束、ピストルカラテの使い手、フリーランスの賞金稼ぎ、平時より一般的な拳銃と近接戦用拳銃の二丁を携帯している。

:ゲイトキーパーは説明を続ける。

ゲイトキーパー:「重役達が乗るリムジンは襲撃される可能性が高いため、シックスゲイツであるヘルカイト=サンを充てる。逆説的に君たちが充てられるのは襲撃される可能性が低いリムジンということになるが、けして手を抜いてはいけない。君たちの任務は、ネオサイタマの秩序を守る崇高なものである。それを肝に銘じておきなさい」

:クローンヤクザ達が、貴方たちに護衛対象の詳細と、護衛中に避けるべき行動のリストが書かれた書類を配る。
ゲイトキーパー:「作戦実行は早朝だ。以上。明日の会議が、何ごともなく円滑に執り行われることを期待している」ゲイトキーパーがそう言い終えると、モニターの映像はプツリと途切れた。

:君たちに配られた書類は以下のような内容だった。

護衛対象:アシタダ・ヤタウジ
年齢:39歳
身長:169cm
体重:51kg
性別:男性
役職:係長

◆注意事項な◆
1.敵の乗る車が接近していることに気付いたとしてもそれを破壊してはならない。大破した車は渋滞を引き起こし経済活動の妨げとなる可能性がある。
2.どれほど危険な状況に置かれたとしても、車を停止させてはならない。到着時刻の遅れによりネコソギ・ファンド社重役会議の開始が遅れた場合、看過できない経済的損失が発生する。
3.任務中不測の事態が発生した場合はヘルカイト=サンに連絡すること。
◆破ったらケジメ重点◆

:他のニンジャが退出を始める。
:君たちの元に歩いてくるニンジャがいた。前に座っていたオフホワイトのニンジャだ。

???:「チェック。貴方たち、ソウカイヤに来て間もないニュービーニンジャですね?ドーモ、ヘルカイトです」

:ソウカイヤの威力部門、「シックスゲイツ」の一人。極めて高位のソウカイニンジャであり、ソウカイヤに属するなら知らないものはいない。

ヘルカイト:「ラオモト=サンとネコソギ・ファンドに損失を与えるようなシツレイがあってはなりません。ルックビフォアユーリープ。この後私はトレーニングを行うつもりです。その気があれば、私と共にトレーニングすると良いでしょう」

ヘルカイト:「トレーニングしたい者はこの後エレベータで13階のトレーニングルームへ来なさい。アー、来なくても良いですが、シックスゲイツたる私の言うことを聞いておいた方が、後々得だとは忠告しておきますよ」

:君たちはそれぞれヘルカイトの元に赴きトレーニングしてもいいし、しなくても良い。

各個人で決定して良い。
なおトレーニングに行かなかったニンジャはマーケットでの買い物を実施できる。
なお、1人もトレーニングに行かなかった場合、襲撃時のヘルカイト救援までにかかるターン数が5ターンから7ターンに伸びる。

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2:トレーニング

:「13階、トレーニンググラウンドドスエ」電子マイコ音声が鳴り、エレベーターの扉が開く。

以下のマップを開示する。

ヘルカイト:「ウェルカム。よく来ました。早速トレーニングを始めましょう」

:ヘルカイトは2つの選択肢を提示した。

:①メキシコライオンと戦う。
:②ヘルカイトに手合わせを申し込む。

①VSメキシコライオン

ヘルカイト:「当然1対1です。ソウカイニンジャが獣ごときに後れを取るなど許されませんからね。では、ライオンを放て!」

①を選択したPCの目の前にメキシコライオンPCと同数が出現する。
それぞれ目の前のPCしか狙わない。

選択肢提示後から戦闘開始前までに以下の「特殊ルール」と出現する敵(飢えたメキシコライオン)のステータスをPLに伝えること。

特殊ルール:
・この戦いではニンジャは爆発四散しない。体力が0以下になった場合、ダメージを受ける直前にヘルカイトがインターセプトし、即座にライオンを殺す。
・作戦に影響がないよう、トレーニング中に受けたダメージは即座に治療される。また、消費した精神力も即座に回復する。
◆飢えたメキシコライオン (種別:アニマル/ライオン)
カラテ		8	体力		4
ニューロン    	1	精神力    	2
ワザマエ		4	脚力		4
ジツ		ー	万札		0
							
◇装備や特記事項
装備なし
特殊:『飢えた野生』
 このアニマルは血と肉に飢えているため、体力は少ないものの、非常に獰猛だ。
 近接攻撃が常にダメージ2を基準として計算される。
スキル:『突撃』
 『突撃』を行うと脚力の2倍までの距離を移動できる。
 ただし曲がることも後戻りもできず、一直線の移動しかできない。
 この移動時は一直線でさえあればナナメ方向への移動も可能である。
 『突撃』の使用直後に近接攻撃を行う場合、そのダメージは+1となる。
 ただし、『突撃』を使用したキャラは次の出番まで一切の回避が行えない。

+「メキシコライオン」を倒した+「カラテ」または「ワザマエ」の成長ロールを行う。PCが任意で選択して良い。
ヘルカイト:「オフコース。これくらいは出来て当然です。それでも良いトレーニングにはなったでしょう」

+「自分が相手するべきメキシコライオン」以外に手を出した+ 手を出したPCは即座にトレーニングは終了。【名声:ソウカイヤ】がー1される。
ヘルカイト:「話を聞いていましたか貴方?聞こえないのであればその耳は不必要ですね。耳を今すぐケジメしなさい」
なお生き残っていたライオンはヘルカイトに一撃で殺される。マップから脱落させること。

+「メキシコライオン」に敗北した+「カラテ」を1失い、【名声:ソウカイヤ】が-2される。
ヘルカイト:「ミゼラブル。たかが獣に負けるとは、貴方はニンジャ失格です。これでは作戦の成功も覚束ないでしょうね……」

②VSヘルカイト

ヘルカイト:「私とスパーリングをするものは申し出なさい。1対1でも、多対1でも結構です。まぁ貴方たちのようなニュービーなら、全員でかかってきた方がよいと思いますよ?」

ヘルカイト:「それと、スパーリングはイポンを取られたものから脱落です。良いですね?」

選択肢提示後から戦闘開始前までに以下の「特殊ルール」と出現する敵(ヘルカイト)のステータスをPLに伝えること。

特殊ルール
・体力に1ポイントでもダメージを受けた場合、そのキャラクターは戦闘から脱落する。この戦闘で【精神集中による自動成功】は使用できない。また、この戦闘に置いて【サツバツ!】が発生した場合、ロールの結果は後遺症の残らない【1】で固定される。
・作戦に影響がないよう、トレーニング中に受けたダメージは即座に治療される。また、消費した精神力も即座に回復する。

+ヘルカイトに敗北した+トレーニングに参加したプレイヤー全員の【名声:ソウカイヤ】-1。ただし、1対1だった場合、名声の低下は発生しない。

ヘルカイトに敗北した場合の読み上げセリフ(多対1)
ヘルカイト:「私がなぜシックスゲイツであるか、骨身にしみたでしょう、ニュービー?命が惜しくば、思い上がらないことです。」

ヘルカイトに敗北した場合の読み上げセリフ(1対1)
ヘルカイト:「ナンセンス。ヤクザとして一人で立ち向かう度胸は買いますが、長生きしたければ貴方では決して手の届かない領域について知っておきなさい。シックスゲイツの力はよくわかったでしょう?」

+ヘルカイトに勝利した+トレーニングに参加したプレイヤー全員の【名声:ソウカイヤ】が+1D6され、さらに好きな能力値1つの『成長の壁』を取り除いたうえで「カラテ」か「ワザマエ」の成長ロールに挑戦することが出来る。
ただし、ヘルカイトの心証は最悪となり、次戦闘におけるヘルカイト救援は発生しなくなる。

+ヘルカイトに1対1で勝利した+ そのプレイヤーの【名声:ソウカイヤ】が+10され、さらに好きな能力値2つの『成長の壁』を取り除いたうえで「カラテ」「ワザマエ」両方の成長ロールに挑戦することが出来る。
ただし、ヘルカイトの心証は最悪となり、次戦闘におけるヘルカイト救援は発生しなくなる。

ヘルカイトに勝利した場合の読み上げセリフ
ヘルカイト:「……ほ、ほう?ニ、ニュービーにしては中々の腕ですね。ト、トレーニングはこれにて終了です。作戦で死なないよう、精々気を付けることですね……!」
:ヘルカイトは恐るべきキリングオーラを放ちながら、トレーニンググラウンドを後にした。

トレーニング、買い物終了後

:君たちは翌朝の任務に備え、仮眠をとった。ニンジャ第六感が、明日の波乱を君たちに告げていた。

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3:ミッション

戦闘前
:君たちが書類に記されていた住所に行くと、小さいがよく手入れされた家の玄関に、スーツを着たサラリマンが立っていた。「ドーモ、ソウカイ・シンジケートの皆さん。ネコソギ・ファンド社係長のヤタウジです」男はそういうと、君たちに名刺を差し出した。

ヤタウジ  種別:モータル
カラテ		1 体力		2
ニューロン	1 精神力	2
ワザマエ 		1 脚力		1
ジツ		0 万札		10
装備:『クロームハート』
アイテム:『ヤタウジの名刺』×12、『通信端末』

:君たちはそれぞれ『ヤタウジの名刺』をアイテムとして入手した。

ヤタウジ:「私のようなものにまで護衛をつけていただけるとは、まことに感謝してもしきれません。大変お手数をおかけします」
:七三に分けられた黒い頭髪の小男は、その背を更に小さくして殊更に頭を下げ、手を揉んでいた。

:そこへ装甲ヤクザリムジンが止まり、運転クローンヤクザが降りてきた。「ドーゾ、オノリクダサイ」

ヤタウジ:「この装甲リムジンは、各所に対スリケン加工が施された最新型です。ニンジャ同士の戦闘に巻き込まれても、そう簡単には壊れません」

:運転クローンヤクザがドアを開けると、ヤクザリムジンの内部から涼し気な空気が漏れた。
:窓は装甲版で覆われ、外を見通すことはできない。
:君たちはヤタウジを中心に、それぞれドアの側へ乗り込んだ。全員が乗り込むと、装甲ヤクザリムジンは滑らかに発進した。

:スプリングが良いのだろう。ハイウェイを120km以上で走っていても、揺れはほとんど感じない。
:ヤタウジは小型冷蔵庫からヒヤ・サケを取り出し、ニンジャたちに差し出した。

ヤタウジ:「どうぞどうぞ、リラックスしてください。まさか重役の方々を差し置いて、私が狙われる可能性など、万に一つもありませんからな。ハハハ!」その時!

:BLAMBLAMBLAM!激しい銃撃音とともに、装甲ヤクザリムジンの車体が揺れ、鉄同士がぶつかり合う甲高い金属音が社内に鳴り響いた!

ヤタウジ:「アイエエエエッ!?」

:かすかに窓を開けて外を見ると、車体に「す殺で事仕なか確」と威圧的なショドーを施した装甲リムジンが並走しているではないか!その車体の上には、クローンヤクザと、ニンジャ!

全員に【ワザマエ】HARD判定を行わせること。

+全員判定失敗+
:BLAM!窓の隙間を通過した弾丸が寸分の狂い無くヤタウジの胸を貫く!「グワーッ!?」
:ヤタウジの心臓はサイバネ置換されていたため、辛うじて一命は取り留めたものの重傷!

:これはネコソギ・ファンドの会議に影響を与えるだろう!
ヤタウジが負傷する。成功報酬が -6 される。

+1人でも成功+
:<成功者のダイス数+ニューロン値で最も高い者>のニンジャアドレナリンが分泌され、時間感覚が鈍化した!
:窓の隙間を精密に潜り抜けたヤタウジの心臓を狙う弾丸を見出し、それを握り潰した!

アーバンホエール:「ドーモ、アーバンホエールです。貴方の命を頂戴しにまいりました」

:敵ニンジャの先制アイサツだ!君たちはミッションをこなすため、車体の上に飛び出した!

マップ開示後、アーバンホエールとクローンヤクザのステータスを開示すること。
なお、クローンヤクザは公式ルールの「クローンヤクザY-10型」とする。

◆アーバンホエール(種別:ニンジャ)
カラテ		7	体力		7
ニューロン    	5	精神力    	5
ワザマエ	        5	脚力		4
ジツ		0	万札		12
◇装備や特記事項
装備:LAN直結型ハンドガン、生体LAN端子、サイバネアイ
スキル:『連続攻撃2』
スキル:『ピストルカラテ』
 『小銃』『重火器』属性を持たない銃器を持ち、かつ近接攻撃できる場合に使用可能。
 ピストルカラテを宣言後、所持する銃器による射撃を行う。攻撃難易度+1
 この時、隣接している敵もターゲットとすることができる。(射線が通らない敵はターゲット不可)
 所持する銃器のスキルセットは原則使用可能だが、『時間差』を宣言することはできない。
 ピストルカラテ使用者本人の、射撃に関するスキルセットは宣言することはできない。
 射撃後、近接攻撃を処理する。この時『連続攻撃』を宣言することはできない。

アーバンホエール:「ソウカイニンジャどもよ!そこに乗っている重役をこちらに渡せ!そうすれば貴様らの命は助けてやる!」

なお、『係長』は当然中間管理職程度のレッサー社員であり、幹部クラスではない。
アーバンホエールが、「装甲リムジン内に乗っている社員を重役と勘違いしていること」はPLに伝えても良い。

装甲リムジン内の社員について、アーバンホエールとPCが交渉した場合、証拠なしではアーバンホエールは信用せず、聞く耳を持たない。
証拠として『ヤタウジの名刺』を提示すると、特殊イベント「偽情報を証明した場合」が発生する。(後述)

戦闘開始 1ターン目
:ここで君たちは護衛任務のブリーフィングで受けた注意事項を思い出した。
冒頭で配られた資料の注意事項を再度提示する。

◆注意事項な◆
1.敵の乗る車が接近していることに気付いたとしてもそれを破壊してはならない。大破した車は渋滞を引き起こし経済活動の妨げとなる可能性がある。
2.どれほど危険な状況に置かれたとしても、車を停止させてはならない。到着時刻の遅れによりネコソギ・ファンド社重役会議の開始が遅れた場合、看過できない経済的損失が発生する。
3.任務中不測の事態が発生した場合はヘルカイト=サンに連絡すること。
◆破ったらケジメ重点◆

:君たちが必要であれば、ヘルカイトへ連絡を取ることができる。

+ヘルカイトを倒していない場合+
:ヘルカイトへ連絡を取れれば、多少時間はかかるがシックスゲイツであるヘルカイトが援護してくれるだろう。

+ヘルカイトを倒していた場合(救援イベント無しになる場合)+
:<IRCなどでヘルカイトに連絡しようとしたPC>がいくらIRCを送っても、ヘルカイトから一切の返信が無い!君たちはヘルカイトの救援は無いものと覚悟するしかないだろう!

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戦闘中の「アーバンホエール」の描写について

銃による射撃の描写(ピストルカラテでの射撃含む):「イヤーッ!」BLAM! アーバンホエールの愛銃、LAN直結型ハンドガンが火を噴く!(命中判定)
ピストルカラテの描写(初回):「イヤーッ!」銃の反動を利用したアーバンホエールの鋭い回し蹴り!<対象となったキャラクター>へ襲い掛かる!(命中判定)
ピストルカラテの描写(2回目以降):「イヤーッ!」アーバンホエールのピストルカラテが<対象となったキャラクター>を襲う!(命中判定)
サツバツ!により社外にはじき出された場合の描写:「グワーッ!?」後方に吹き飛んだアーバンホエールは、リムジンの外へはじき出された!爆走するリムジンから置いていかれたアーバンホエールの姿は瞬く間に小さくなり、やがて見えなくなった。
(マップからアーバンホエールが脱落する)
爆発四散時の描写:「アバーッ!」致命傷を受けたアーバンホエールの体が車両から落下し、ハイウェイ上に鮮血をまき散らしながらバウンドする!「サヨナラ!」爆発四散!

なおサツバツ!による心臓摘出や、PCのロールプレイによっては、リムジン上でトドメを刺したことにしても良い。その場合は殺害したPCがアーバンホエールの所持金を得る。

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「クローンヤクザY-10型」の描写について

チャカ・ガンの描写(クローンヤクザが複数いた場合でも、射撃の描写は一度でよい。テキストで進行する場合「」の数は生き残っているクローンヤクザの数に応じて調整すること):「「ザッケンナコラー!」」クローンヤクザによる援護射撃が、貴方たちを襲う!
ドス・ダガーの描写:「ザッケンナコラー!」ヤクザは接近してきた<攻撃対象となったPCの名前>に対して、ドス・ダガーでの攻撃を試みる。(命中判定)クローンヤクザのドス・ダガーが<攻撃対象となったPCの名前>に深々と突き刺さる。ウカツ!

死亡時の描写:「グワーッ!」緑色の血がスプリンクラーのように噴き出す!ハイウェイに落下し、緑色のシミとなって流れていった。

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偽情報を証明した場合

アーバンホエール:「な……!?そんな、バカな……!?」
:ここで賢明なる視聴者には種明かしをしよう。
:アーバンホエールはこのリムジンを狙っている。しかし、本当の重役たちはアーバンホエールの犯行予告を受け取った直後から秘密裏に高位のソウカイニンジャに拉致され、すでにネコソギ・ファンドの完全防弾会議室に連行済みなのだ!タイムイズマネーである!

:そう、この社員護衛任務自体がフェイクであり、敵を炙り出すための囮である。
:これはゲイトキーパー、およびヘルカイトによる高度な情報戦であった。末端のソウカイニンジャと社員たちを使って敵を釣り出し、ソウカイヤの作法をわからせる。更に末端ニンジャの技量と経験を積ませつつ、使えなければ爆発四散させて振るい落とすという、ソウカイヤとして一石二鳥の経済効果を見込んだ狡猾な作戦であった!敵はその餌の一つである、君たちのリムジンにかかったのだ!

:もちろん『餌』の護衛たる君たちにそのような事情は一切知らされていない。
:「敵も味方も全部だませ」とは、ミヤモト・マサシのコトワザである!

アーバンホエール:「く、くそ!!作戦は既に失敗していただと!?フザケルナ!!」
:アーバンホエールはひどく動揺し、ブザマにスキを晒している。ウカツ!次のアーバンホエールの手番まで、彼は一切の回避ダイスを失う!

回避ダイスを表などで管理している場合は忘れずに0とすること。

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3ターン目冒頭

:「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?アバーッ!?」
:ナムサン!リムジン上で繰り広げられるカラテを目撃した前方車両が操作を誤り横転し、爆発炎上!
:恐慌は前方車両に更に伝播し、相次いで事故が発生、ハイウェイはアビインフェルノ・ジゴクと化した!
:しかし装甲リムジンは止まるわけにはいかない!
:ヤタウジを定刻通りに届けなければ、死より凄惨な運命を辿ることが自明だからだ!
:2台のリムジンは巧みにハンドルを切り、事故車を回避し続ける。

+クローンヤクザが残っていた場合+:「グワーッ!」無謀な運転でバランスを崩したクローンヤクザは落下、緑色の染みとなって後方に流れていった!

:辛うじてイクサを続けるニンジャたち。しかしその環境変化は当然彼らに影響を与えるだろう!

:これより、全ての回避行動はULTRA-HARDとなる!

このイベント後、クローンヤクザをマップから脱落させること。

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ヘルカイト乱入 (5~7ターン経過後の最初)

:突如、上空から激しいサイレンの音が鳴り響いた。ヤクザリムジンの上にいたニンジャ達は、皆反射的にヤクザリムジンの上に舞う影を見上げる。

:「イヤーッ!」

:突如その影は目にも止まらぬ速さで急降下し、白い弾丸となってアーバンホエールに襲い掛かった!

カイト・ダイブでアーバンホエールの隣接マスに着地し、直ちにカイト・ダイブによる命中判定を行うこと。

(アーバンホエール回避判定)
+成功+「イヤーッ!」アーバンホエールは紙一重でその影を回避、カラテを構え直した!
+失敗+「グワーッ!」白い弾丸から放たれたチョップが肩口に直撃!アーバンホエールは膝をついた!

ヘルカイト:「ドーモ、アーバンホエール=サン。ソウカイ・シックスゲイツのヘルカイトです。身の程知らずの野良ニンジャよ、サンシタを狙ってポイントを稼ごうとしてもそうはいきませんよ」

アーバンホエール:「ドーモ、ヘルカイト=サン。アーバンホエールです。ネコソギ・ファンドの卑しいデンショバトめが!撃ち落としてくれる!」メンポと中折れ棒の隙間から覗く、アーバンホエールの目がギラギラと輝き、狂気を帯びる!

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戦闘終了

:アーバンホエールの乗ってきた装甲リムジンは急速にスピードを落とし、ヤクザリムジンから遠ざかっていった。

:全員で行くわけにはいかないが、今なら君たちは装甲リムジンの運転手にインタビューすることもできるだろう。

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侵入時

:運転手「アイエエエ!」スーツ姿の運転手が悲鳴を上げる。「私は上司から命令されただけで、何も知りません!命だけは!命だけは!」運転手はそういうと、慌てて車を道路脇に停車させた。

以下のステータスをPCに公開すること。

運転手 種別:モータル
カラテ		1 体力		2
ニューロン	1 精神力	2
ワザマエ		2 脚力		1
ジツ		0 万札		6
カルマ:善

運転手は既にNRSを発症しており、まともに喋ることはできない。
情報を聞き出すにはインタビュー(拷問)が必要となる。
インタビューした場合、その方法に応じて【DKK】を1~3与えること。
ロールプレイが特にない場合は1D3で決定しても良い。

PC達はこの怯えた運転手から判定無しで「万札」を強奪することが出来るが、そのPCは【DKK】を1獲得する。殺害して奪った場合、得る【DKK】は4に増える。
その他、運転手の利用方法に応じて柔軟に利益とDKKを提供する。

+インタビューした場合+
運転手:「あ、アーバンホエール=サンが車内で連絡を取っていました!その時に、「ゴトキダ=サン」と……!」
:<インタビューしたPC>は「ゴトキダ」という名前を入手した。貴重な情報だ。ヘルカイトに報告すれば役に立つ情報として受け入れてもらえるかもしれない。

即座に報告、または報酬獲得時などにヘルカイトに報告すると、ヘルカイトは気を良くし、ヘルカイトが得る予定の報酬の一部を還元する。
(具体的にはヘルカイトが取り分から一部を返却する。18の場合は6ほど返却すると良い。Aエンドの場合はヘルカイトが機嫌を少し直すだけ。)

運転手への行動終了後、PC達は先行したヤタウジ達へ合流しようと行動し、その場を去る。

ここでシナリオ内戦闘は終了とする。
運転手へのインタビューまたは殺害を行ったPCがおり、かつDKKが2以上のPCがいる場合、その場にいる全PCの内最も高いDKKの値を参照して「Wasshoi!判定」が行われる。(省略可)
戦闘する場合は以下のマップを利用するとよい。

ニンジャスレイヤーの登場方法が限られるので、出現方法ダイスについては省略して構わない。
省略する場合は出目1として対応すること。
ニンジャスレイヤーの殺害目標優先度は DKK最多PC >運転手をインタビューor殺害したPC >その他 を原則とする。

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4:ミッション後…ネコソギ・ファンド社重役会議

:貴方たちは無事、ネコソギ・ファンド社重役会議が開かれるビルへとたどり着いた。「アイエエエ……急がなければ……」貴方たちはヤタウジと共にビルを上へ上へと昇っていく。:たどり着いた会議室の入口に備え付けられたデジタル日時計が指し示す時刻は、19時55分。「……フー、この時間ならなんとか、ケジメもセプクも無しで済みそうです。皆さん、本当にありがとうございました」ヤタウジはそう言うと、貴方たちに深くオジギをして、いそいそと会議室へ消えていった。

+プレイヤー達が会議室の扉を開けようとした場合+ドアノブに触れようとした瞬間、貴方は背筋が凍りつくような感覚を覚えた。ニンジャ第六感が生命の危機を察知したのだ。もしこの扉を開け、ラオモトのビジネスを妨害した場合、貴方を待ち受ける運命は、セプクか、それよりも凄惨なものだろう。

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5:エピローグと報酬

:後日、君たちはトコロザワ・ピラーの会議室に集められ、働きに応じた報酬が与えられた。
:報酬の授与者はヘルカイトだ。

ヘルカイト:「ゲイトキーパー=サンより、今回のミッションの評価が下されました。リッスン。心して聞きなさい」
:そういうと、ヘルカイトは手にしていたオリガミメールを開いて朗読した。

+A:ヘルカイトの助けを借りずにアーバンホエールを爆発四散させた場合+
:「この度の作戦において敵ニンジャを爆発四散させた手腕は見事であった。褒賞は万札:36とする。全員で納得のいくよう、山分けするように。……見事でした。以上」
:全員に【名声:ソウカイヤ】+2が与えられる。
:ヘルカイトは憮然とした表情でその場を去った。

+B:ヘルカイトの助けを借りてアーバンホエールを爆発四散させた場合+
:「この度の作戦において、シックスゲイツの手を借りつつも敵ニンジャを爆発四散させた手腕は見事であった。褒賞は万札:36とする。全員で納得のいくよう、山分けするように。……しかし私の助けが無ければ、貴方たちは死んでいたでしょう。当然私も取り分をいただきます。そうですね……半分で良いでしょう。ではオタッシャデー」
:ヘルカイトは褒賞の半分をつかみ取り、後には万札:18が残された。
:全員に【名声:ソウカイヤ】+1が与えられる。
特に何もなければ、ヘルカイトはその場を去る。

+C-1:アーバンホエールは逃がしたが護衛は成功させた場合(ヘルカイト乱入無し)+
:「敵ニンジャを逃がしたが、護衛の任は成功であった。よって褒賞は万札:18とする。全員で納得のいくよう、山分けするように。……敵を逃がしてしまうとは、所詮ニュービーはニュービーということでしょう。次からは敵は必ず殺しなさい。以上」

特に何もなければ、ヘルカイトは小言を残し、その場を去った。

+C-2:アーバンホエールは逃がしたが護衛は成功させた場合(ヘルカイト乱入有り)+
:「敵ニンジャを逃がしたが、護衛の任は成功であった。よって褒賞は万札:18とする。全員で納得のいくよう、山分けするように。……なぜあそこで敵を弾き飛ばしたのです!アンビリーバブル。<アーバンホエールを吹き飛ばしたPC>よ、貴方にはケジメを申し付けます。また、私への迷惑料として褒賞の半分を没収です」
:ヘルカイトは青筋を立てながら褒賞の半分をつかみ取り、その場を去った。
:後には万札:9が残った。
:また<アーバンホエールを吹き飛ばしたPC>は、ケジメを強いられ、【名声:ソウカイヤ】ー1される。

なおヘルカイトが吹き飛ばした場合はC-1として扱えばよい。

+D:護衛失敗。(リムジンから離脱など)+
:「護衛任務を完遂できない程度の弱小者に、ソウカイヤでの居場所は無い。その恥を深く反省し、ケジメせよ。……私も同意見です。貴方たちはソウカイヤの恥。次は無いと思いなさい。良いですね!」
:激怒したヘルカイトの凄まじいニンジャ威圧感に君たちは圧倒され、失禁した。
:ケジメを強いられ、全員【名声:ソウカイヤ】がー1される。

ヤタウジが負傷した場合、治療費として褒賞から万札がー6される。
その旨を上記文に追記すること。

:君たちはまた一つ生き残った。だがソウカイヤのニンジャである限り、これからも人智を超えた存在と戦い、死と隣り合わせのクエストに挑み続けることになる。
:今はただ、備えよう。

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6:休暇

A~Cエンドの場合、休暇は3与えられる。
Dエンドの場合、休暇は与えられない。失点を取り返すのに休んでいる暇は無いのだ!ナムアミダブツ!

このシナリオでは「ラオモト・カンの評価タイム」は発生しない想定だが、ニンジャスレイヤーを倒すなど、特別な事態が発生した場合は適宜挟んでよい。

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マップ

本シナリオで使用するマップについて、以下のURLから参照できる。
URL先のスプレッドシートをコピーして使用すること。
(期限切れなどによる削除でリンク切れの場合はご容赦ください。)

おまけ.ニンジャ名鑑

◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【アーバンホエール】◆卓◆
暗黒武道ピストルカラテを用いる傭兵ニンジャ。ニンジャとなる前はネコソギ・ファンドの子会社で働くガードマンだったが、無慈悲な企業単位のキリステにより地位も家族も失いフリーの傭兵となり、復讐の機会を伺う中、ある銃撃戦でテッポウ・ニンジャクランのソウルに憑依された。

シナリオリプレイ


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