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さんぽRTA



あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


穢れた海で、多忙を嘆く

忙しい〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!


初めまして。コオロギと申します。あまりにも忙しすぎて作業を放り出して叫んでしまいました。

皆さんは忙しいという状態をご存じでしょうか?多くの方はご存じないかと思いますが、実はとっても身近なもの。
「あれ?なんかやらなくちゃいけないことがいっぱいあるな〜」という状態のことを「忙しい」と言うのです。これなら身に覚えがあるでしょう。

皆さんはどうですか?様々な情報が飛び交い、目まぐるしく変わる社会の中、忙しい日々を送っているのではないでしょうか。今の日本人は多忙、いやタタタ忙くらい忙しい方がほとんど。若者ですら寝てない自慢をする有様です。

現代社会において、中々ゆっくりできる機会も少ないですよねえ・・・

季節はすっかり夏になり、子供たちは夏休み・・・

あの頃は良かったなァ・・・毎日が充実していた・・・

外で遊んで、帰ってきたら金曜ロードショーでジブリ・・・

「あの頃」

あの頃に戻りたいなァ・・・ジブリに浸りたいなァ・・・・・・・・・・・・・・

と言うわけで。
ジブリを参考にしつつ、手軽にノスタルジックに浸れるような「何か」をすることにします。日本人のソウルムービーとも言えるジブリなら、きっと何か良いアイディアを授けてくれることでしょう。誰でも簡単にできるような何かを生み出して、ウンコをする暇もないほど忙しい皆様に提案したいところです。最初からジブリ見とけばノスタルジックになれると言う話はNG。

とは言ったものの、具体的に何をすれば良いのでしょう。忙しいことには変わりないですし、「意図的に無邪気に遊ぶ」と言うのは中々難しいものです。いざ子供の頃に戻ろう!と意気込んだところで、中途半端に終わってしまってはいけません。

いっそのこと、ジブリ側から具体的なことを指示して欲しいものですが・・・

あ。



ありました。


この「さんぽ」という曲、歌詞にさんぽのなんたるかが全て書いてあります。さんぽにおける心構え、具体的な事例、アドバイス。
「さんぽに挑戦してみたいけど、何から始めれば良いかわかんないなあ」という、さんぽビギナー(サンボマスターとは無関係)向けに作られた指南書とも言えるでしょう。

つまり、この歌詞に書いてあることを一通り経験すれば、手っ取り早く「あの頃」を味わうことができると言うわけです。

ですが忙しいものは忙しい。のんびりとこなしている暇はありません。
できる限り効率良く、素早く「さんぽ」を完了させる必要があります。

そう、つまり・・・


タイムアタックです。


「さんぽ」の歌詞に書かれている事柄を一つ一つこなしてゆき、最終的にかかった時間を計測し、競う。さんぽRTAの誕生です。

ルールはシンプル。

  • 「さんぽ」の歌詞に書かれている物事を探すタイムアタック。

  • 解釈の余地があるものは走者の解釈に任せる。(擬音、行動など)

  • 徒歩で移動する。

  • 「坂道」「トンネル」などは歩くところまで含める。

  • 全てを達成したタイミングでタイマーストップ。

以上が簡単なルールになります。
と言うわけで、まずは歌詞に書かれたものををリストアップしていきます。

  1. あるこうあるこう

  2. 私は元気

  3. 歩くの大好き

  4. どんどんいこう

  5. 坂道

  6. トンネル

  7. 草っ原

  8. 一本橋

  9. でこぼこ砂利道

  10. 蜘蛛の巣

  11. 下り道

  12. みつばち

  13. 花畑

  14. トカゲ

  15. へび

  16. バッタ

  17. 曲がり道

  18. 狐も狸も出ておいで

  19. 探検しよう林の奥まで

  20. 友達たくさん

今回はこの20種に分類しました。特に鬼門になりそうなのは蜂、トカゲ、へび、バッタなどの生き物でしょうか。時折見かけることはあっても、この全部を狙って見つけるのは厳しい。狐と狸は簡略化したものの、手こずりそうです。
もちろん、レギュレーション次第ではこの分類も変わってきますのであくまで今回のみの分類になります。


さて。細かいルールも決まったところで、早速タイムアタックの実践と参りましょう。

ですが、何を隠そう私は関東の都会に住んでおり、私が冒頭で叫んでいた場所は東京湾。ここでは中々さんぽは難しいでしょう。



と、言うことで。


白川郷にやってきました。


嘘だっっっ!

新宿から高速バスを乗り継ぎ10時間。やってきました世界遺産、白川郷。岐阜県の山岳部に位置し、昔ながらの村落の在り方が残る、まさしく「あの頃」を体現したような場所です。ここなら好タイムが期待できるでしょう。

スタート地点

資料集で見たことのある場所を見つけたので、スタート地点にします。
現在時刻は二時三十分。普通に観光もしたいので、三十分以内を目標にしたいと思います。


それでは、さんぽタイムアタック・・・


スタート!


と同時に。
1.あるこうあるこう
2.私は元気
3.歩くの大好き
4.どんどんいこう
を達成しました。
当然です。

と、開始一秒で四つも達成する好調な滑り出し。このペースで行くと五秒で終わってしまいますね。完走した感想を用意しておきましょう。



10分が経過しました。

13.花畑

花畑というよりガーデニング

その間に見つかったのはこの花畑のみ。非常に不味いです。完全に舐め切っていました。田舎だからって自然のものがなんでもあると思ったら大間違いでした。
スタート地点付近を探し回ったのですが、あるのは畑と警備のおじさんのみ。一度場所を変えることにします。

最初の四つはともかく、一つ見つけるのに時間がかかりすぎています。なんとか巻き返さないと・・・

あっ!!!


RIP

ヘビだ〜!!!

夏の暑さでしょうか、干からびたヘビを発見しました。昼寝というより永眠ですが、ヘビであることには変わりありません。ここで鬼門だった生き物を発見できたのは大きいです。

村の中心部に移動しつつ、生き物中心に探します。

中心部になると建物が増え、観光客で賑わいます。こんなカメラを回したグラサン野郎は場違い。早急に探す必要があります。が、やはり中々見つからない。

一応、
7.草っ原
9.でこぼこ砂利道
17.曲がり道

などは見つかりましたが、正直どこでも見つかるようなもの。タイムの短縮にはなりづらいでしょう。

途中でデッケエ魚は見つけましたが、残念ながら歌詞にデッケエ魚は出てきません。デッケエ魚の方がテンション上がりますが。ちなみに食べられるけど美味しくないそう。

こうして歩くこと20分。


坂道を発見しました。

割と平坦な道が多かったので、こうして奥まで続く坂道を発見できたのはラッキー。とはいえ現時点で目標の30分をオーバーしています。

早速進んでいきましょう。

はあ・・・はあ・・・


はあ・・・はあ・・・はあ・・・


長え〜〜〜〜!!!

坂道が長すぎる。大泉洋のトークくらい長い。正直、ちょっとくらいの坂道なら楽勝だと思っていましたがこれは洒落にならない。

高速バスでの疲れもあり、この大泉坂を登り切る頃には疲労もピークに達してしまいました。

登ること15分、坂道は終了。

登り切るとそこは展望台になっていました。本来は送迎バスで行くところです。
景色は綺麗ですがタイムには一切影響しません。大事なのはタイムです、断腸の思いでその場を後にします。

19.探検しよう林の奥まで
を達成すべく、展望台近くの脇道に逸れてみました。

ちょうど近くに広場があったので、

声張ってます

18.狐も狸も出ておいで
をクリアしておきます。この直後に家族連れの方々が現れました。聴かれていないことを祈るばかり。

再び大泉坂を下り、

5.坂道
11.下り道
の二つを達成しました。

これで残っているのは

6.トンネル
8.一本橋
10.蜘蛛の巣
12.ミツバチ
14.トカゲ
16.バッタ
20.友達たくさん

7つ。半分は越えましたが、生き物があと3つも残っています。
現時点で1時間弱が経過、かなり厳しい状況です。

ですがこんな時こそ焦らないことが大事。落ち着いて、ゆっくり、丁寧に探せば


ほら蜘蛛の巣。

時間はかかっていますが、まだまだ巻き返せそうです。

しばらく歩くと一本橋を発見。

川遊びをする子どもたちも見つかり、友達たくさんも達成。

これで残りは四つ。綺麗に生き物が残ってしまいました。

そして、ここからが地獄でした。


いない・・・


いない・・・


暑い・・・

探すこと1時間。全く見つかりません。日差しも強く、体力を奪う。撮影のことも考えながらで、肉体的にも精神的にも限界が近い。これはもう、リタイアするしかないのか・・・?

あれ?


蜂だっっっ!!!!!

開始から2時間、ミツバチを発見しました。正直この時になると半ば諦めていたのでカメラはブレブレです。

この後何とかカメラに収めようとスマホを振り回しましたが、逃げられてしまいました。その代わりに外国の方から「what are you doing now?」と聞かれました。さんぽRTAです。

蜂の発見によって希望が見え、元気が戻ってきました。
こうなったらどんな手を使ってでもクリアしてやる、という決意を抱き、再び村を歩きます。

そういえば、観光ではないので土産屋に入っていなかったので見てみます。

すると。


これ、トカゲなのでは?

龍といえば、しばしば創作でトカゲに例えられるものです。随分と格が上にはなりますがこれもトカゲの一種、文句は言わせません。龍と竜の違いとか知りません。

ともかく、トカゲは達成。あとはバッタ。
ですが、土産屋にもバッタはいなかったので本格的に探す場所がありません。やはり地道に本物のバッタを探すしかないのでしょう。

いいかげん暑さと体力が限界なので、タイムに影響がありますが休憩を取ることにします。つーかもうタイムとかどうでも良いだろ。

冷たいもの・・・アイスでも食べて・・・

ん?


あ。


バッターだ〜〜〜〜〜!!!!!


この構えは間違いなくバッティングです。紛れもない4番バッター、メジャー級のスラッガーです。彼女ならドームの天井に穴を開けられるでしょう。

バッタという文字が入っているのですからバッタ判定です。文句は言わせません。というかもう勘弁してくれ。

というわけで、開始から2時間20分、残っているのは

6.トンネル

のみとなりました。

バスで来た時から目に入っていたこのトンネルを通ればクリアです、タイムのこともあるので急ぎましょう。


やった〜〜〜〜!!!!!


トンネルを抜け、さんぽタイムアタック完全終了です。あまりにも地味な絵面ですが、これにてタイマーストップとなります。

目標は30分でしたが、果たして結果はどうだったのでしょうか・・・



現在時刻、5時3分59秒。

スタートが2時30分だったので、記録は・・・


2時間33分59秒


となりました。

さて、完走した感想ですが、初見にしては早い方なんじゃないでしょうか。もちろん効率の悪さや準備不足ゆえのタイムロスはありましたが、それは伸び代として前向きに捉えておいた方が良いでしょう。
今後も追走者が出てくると思うので、切磋琢磨しながらチャートを詰めていきたいところです。


喜びの舞

さて、いかがだったでしょうか。これなら忙しいみなさんでも簡単に挑戦できると思うので、是非癒されてみましょう。

以上、さんぽRTAでした。








翌朝



納得がいかなかったのでもう一度走りました。


10時ちょうどからスタートして、


10時43分19秒にタイマーストップ。

43分19秒という大記録を打ち立てました。

残念なことにカメラが熱暴走を起こしてしまったので途中の映像は残りませんでしたが、あくまで参考記録として。

チャートの見直しでここまで早くなるとは思いませんでした。このタイムならみなさんもお昼休みに挑戦できますね。この競技の走者が増えることを祈っています。

以上、コオロギでした。



さんぽRTA in白川郷、費やした時間:二日と半日


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