#6 終遠のヴィルシュ ErroR:salvation 第3幕 救済エンド感想 【ネタバレあり】
ここから先はタイトルに関するネタバレがあるため、もしよければプレイしてから読まれることを推奨致します。
注意喚起は設けましたので、それによる苦情等は一切設けません。
それでは一度、改行を失礼致します。
イヴさんルートでは色々な事象の説明により、私の感想とも言えない何かが散乱していたため、今回はこの第3幕での事象の説明は最小限にし、その上で感想を連ねさせていただきます。
まずはダハトさんについて。
本当に……私は彼のことが元から好きでしたが、もっと大好きになりました。
【普通の人間】に憧れる彼は確かに狂っていて、計画も賞賛されるものでは無いですが、でも、それでも惹かれるものは存在してしまうのです。
どこが彼に惹かれるのか。
それは彼の思想が、計画が。壮大なもので、きっと現実で起こりえたら大変なことになると自覚はあり、そしてどうか起こるなと思っているものの、創作だとわかっているからこそ良いなぁと思わず口角を上げざるしかないからです。
プレイしてから若干時間が経っているため、少し忘れかけていますね。それでも口にするのなら。
私は彼の計画を倫理的には良くないと糾弾はしますが、それでも否定は出来ないのです。
彼が好きだから、というのもあります。でもそれ以上に国民の性根が腐っているように見えて。あ、これ一度これくらいの規模の反乱……? とも違うでしょうか。まあ何にせよこの規模の戦争を起こさなければ、誰も考えは変えてくれない。セレスちゃんの大切な人達以外は、と思ってしまったもので。
本当に最大限、私はアルペシェールの国民を苦手としていたので、ダハトさんのとあるお言葉に、あ、私は否定できないな……と思った次第です。
まあそういう訳で、私は彼を最推しとは言えないまでも好きになってしまったのです。元から好きでしたけど、計画や真相を知ってからは特に。確かに彼によって不幸をもたらされたキャラはいますが、それでも、それによって産まれた生命もあるのではないかなぁ、と。私はマティスくんのことを見て思う訳です。まあそれはそれとしてこのぅ……!!! とは思いますけれどもね。
さてお次はこのルートの主役、アドルフさんとアンクゥさんについて。最初はアンクゥさんルートについてですね。先に第3幕共通の話題を終えてからアンクゥさんルートの感想についてお話していきます。
第3幕の途中の段階でアンクゥさん、もしかしてアドルフさん本人……? どこかの世界線のアドルフさん……? と考えていたものですが。それでも真相が明かされていくにつれて驚いたものがあります。
それはアンクゥさんの通ってきた道の過酷さ。予想するだけではまだ輪郭すら掴めなかった蜃気楼のそれが、彼が語られることによって鮮明になっていきました。
けれどまあ、それでも彼の体験した感情等には到底及ばない鮮明さではありますが。
セレスちゃんを助けるために奔走してきたのに、それでも最後に毒素に蝕まれることになるセレスちゃん……本当に嫌でした。私は先にアンクゥさんルートから行ったのですが、最後まで見続けて、どこが救済なんだ……? と首を傾げておりました。
でも改めて思えば。確かに救済なんですよね。死という救済。そしてアルペシェール全土。彼女を苦しめた全てを壊し、そして安らかに、とまでは行きませんが。眠るアンクゥさんとセレスちゃん。
いやぁ、本当に……終遠のヴィルシュって、最大限絶望、そしてそれによる救済を丁寧に描かれる作品なんですねぇ…………今だからこそ読める気がするので、昔に読めていたら、と自分を責めはしませんが。それでも少しだけ、早く知りたかったなぁという気持ちがあります。
アンクゥさんにはどうか、セレスちゃんと共に。楽しく幸せなあの世でのお姿を見せてくれると嬉しいなぁと思います。あの世にまで毒素が彼らの周囲に振りまきませんように。
お次はアドルフさんルートについて。
アドルフさんルートについては本当に……良かった……!!!の一言を添えるしかありません。何分それまでに得てきた絶望は私の心がやめろ……!! もうやめろ……!!!! これ以上彼女達を害するな!!!! と悲鳴をあげるには充分でしたから、尚のこと、アドルフさんルートのこの救済エンドはとてもほっとした覚えがあります。
だって、最後に嬉しそうにアドルフさんとセレスちゃんが笑いながら白いリコリスに囲まれているんですよ? 今までの絶望を見てきたが故に、この救済はああ、良かった……と思わず安堵せざるを得ません。
ナディアちゃんだって無事病気は治り始めているし、リュカ先生だって薬の影響が抜けてナディアちゃんと笑いあえている。
マティスくんだって、実験に犯されることも無くジャンさんのことを許し、そしてジャンさんとお子さんの写真を取れて嬉しそうにしている。それに本も出版出来ましたかね。
イヴさんだってご先祖さまの故郷に行ける機会を得れた。しかもヒューゴさんと一緒に。
シアンさんは感情を持てるリライバーとなった。そして人間であり、神となれた。
アドルフさんは言わずもがな。セレスちゃんと楽しそうに笑い合うことができた。
セレスちゃんはもちろん、毒素が消えたことが本当に喜ばしいことです。だって普通の女の子になれた訳ですから……
このルートは本当にそれぞれのキャラの救済された姿が丁寧に描かれていて。それだけで、それだけで本当に今までの絶望を乗り越えた甲斐がありました。このゲームをプレイしていて思ったことですが、私は最大限絶望、そしてバッドエンドというものが苦手なようですね……少しはこのお話でバッドエンドに耐性がついているといいのですけれど。
私は攻略対象者それぞれを運命の人だと思っています。けれど、彼がずっと【普通の人間】と自身を蔑んできたアドルフさんも、他の攻略対象者と同じように運命の人なのだと思います。それに何より私は主人公のことをずっと想ってきた幼馴染という設定に弱いですからね。だからこそアンクゥさんも正しく、運命の人と呼べるかなぁ、と私は心の中で思いますね。
最後に。マムについて。シスター・サロメ。そして、クリスティーヌ・レーヴポワールについて。
彼女とダハトさんが親子ではないか、についても若干ながら私の中には突拍子も無い予想としてあったのですが、まさか本当にそうだとは……
どうか間に合って欲しい、と願ったことが間に合って本当に良かったです。
一度殺されかけ、それでも最愛であったはずの息子を手にかける。リライバーになったことによって感情は引き継がれないはずですが、それでも薄らながら覚えている感情。
私はマムが、シスター・サロメが大好きです。だからどうか味方であってくれ、と願っていました。
味方、と言えるか分かりませんが。それでも命懸けでダハトさんを連れ去っていってくれて。私はダハトさんが好きですが、それでもホッと安堵してしまいました。人の死に安堵するな、という話ではありますけども。それでも最期にマムと会えて救済されたのではないかな、と。その事がとても嬉しく思います。それに、一部は腐敗していなかったにせよ、腐敗しきった王家が断絶された訳ですから。好きなキャラは死にましたけれども。と書いてきたところでこの話はそんな簡単に言語化できるものでは無いなと感じました。一概に悪人は退治されるべき、と言ってもいいのかもしれませんが、それが死による退治であるべきか……いや、本当にやめましょう。言語化がかなり難しいです。
そして物語の最後に、マムとダハトさんが一緒のお墓に入れたことは、とても嬉しかったです。どうかあの世で穏やかに、幸せな普通の親子喧嘩を。シアンさんのお言葉を借りる形にはなりますが、してください。
さて、これからは心に余裕のある時に絶望エンドを回りながら、真っ先に他のキャラの救済エンドを回っていこうと思います。
ここまで拙い感想を読んでくださりありがとうございました。
また書くことがあるかもしれません。その時はもしよければ読んでいただけますと嬉しいです。
それでは、またお会いしましょう。
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