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2022大阪国際女子マラソン結果とあれこれ

2大会ぶり公道での開催となった大阪国際。松田瑞生選手はこの大会3度目の優勝。
5㎞ごとのラップタイム。下線は各定点間のベストタイムを表す。

大阪国際女子マラソン・結果

女子の選考会第1弾、大阪国際女子マラソンが先日行われました。無事に大会が終了して多くの視聴者がホッとしていることでしょう。
さて、今大会の優勝は本命・松田瑞生選手でした。これでフルマラソン6戦4勝。ハイレベルです。今大会の優勝タイムは2時間20分52秒の大会新記録でしたが、本人のコメントは意外なものでした。

>レース後、松田は「悔しかった。自分の目標は達成できませんでした」と涙した。目標に掲げていたのは東京五輪代表3枠目を争った一山麻緒が、20年の名古屋ウィメンズマラソンで出した2時間20分29秒。この記録が出たことで松田は五輪出場を逃しただけに、「一山選手のタイムが最低ラインだった。それがクリアできなかったのが悔しかった」と話した。

意識の高さを伺わせるコメントです。本気で一山選手のベストタイムを上回ろうと考えていたのでしょう。悔しさの一因をちょっと見てみます。

一山選手(2021名古屋ウィメンズ)・松田選手(2022大阪国際女子)の比較
松田選手の直近2走(上・2021名古屋ウィメンズ 下・2022大阪国際女子)の比較

注目すべきは30㎞以降でしょうか。コースの違いはあれど30-35㎞では35秒、35-40㎞では48秒、最後2.195㎞でも16秒、30㎞以降で1分39秒の差が出来ています。
更に、10ヵ月前に走った名古屋ウィメンズマラソンのラップタイムと比べても、今大会は35㎞以降で26秒下回りました。単純に今大会の記録に当てはめると2時間20分26秒、一山選手を3秒上回る計算でした。これは確かに悔しい。次回以降大きく巻き返してもらいましょう。狙うは世界選手権7位以上でしょうか。

2位は上杉真穂選手でした。25㎞付近まで松田選手と競り合うも疲れが見え始めたのか徐々に失速、しかし、タイムの落ち込みを最小限に抑え、去年の2時間24分52秒を約2分半上回る2時間22分29秒の好タイムで見事初のMGCファイナリスト入りを果たしました。

>「攻めるレースをテーマにしていて、実際力を出し切れた。でも中盤でペースを上げた松田さんの強さも痛感した」と収穫と課題の両面を挙げた。

3位、4位は天満屋所属の松下菜摘選手、谷本観月が2時間23分台の好走で続きました。次々と選手がフルマラソンで台頭する「天満屋マジック」は今年も健在でした。松下選手はフルマラソン2走目(共に3位)で、ドーハ世界選手権7位の経験を持つ谷本選手がMGCファイナリスト入りを果たしました。

5位の阿部有香里選手まで自己ベストを更新する走りでした。阿部選手は前回僅かな差で届かなかったMGCファイナリストを見事掴み取りました。自己ベストとはならなかったものの6位の佐藤早也伽選手も直前のアクシデントで万全とはいかなかったようですが、初マラソンから3レース連続2時間25分切りとポテンシャルの片鱗を見せました。

今年の大阪国際女子マラソンでは6位までがMGC出場権を獲得しました。前回MGC有資格者が13人だったので、最初の選考会でほぼ半分の6人突破したのは素晴らしい結果と言えます。瀬古利彦氏も絶賛していました。

>今大会は気象条件に恵まれたこともあり、松田を筆頭に好記録が続出。4位の谷本観月(天満屋)までが今夏の世界選手権の派遣設定記録を突破し、6人がMGCの出場権を獲得した。瀬古リーダーは「見事と言うほかない。東京五輪前の同時期と比べて女子もレベルアップしている感じがした」と評価。

別府大分毎日マラソン・招待選手発表

もう半月以上前ですが、別府大分毎日マラソンの招待選手が発表されました。事情を考慮して、今回も海外招待は見送られました。明日2/6(日)に開催予定です。

実は招待選手の中でフルマラソン3位以内を経験しているのは北島寿典、橋本崚選手のみです。再起を誓う者、次の主役を狙う者、次戦以降への経験値を積みたい者、様々な選手が集まったというのが適切でしょうか。ちなみに、(同条件で)別府大分を走った事のない選手は市山翼、藤曲寛人、小山裕太、北島寿典の4選手です。

個人的には、駅伝等で好成績を残している藤曲寛人選手に注目しています。一般参加には大学生もチラホラと参戦しており、中でも箱根駅伝で圧倒的優勝を果たした青山学院大学からは主力格5名が参戦してきます。怖さを知らないまま突っ走るか、フルマラソンの壁に阻まれるか、ニューヒーローが誕生するのか、注目です。

東京マラソン・招待選手発表

https://www.marathon.tokyo/media/press-release/pdf/220204-02_release_jp.pdf

こちら今日発表となりました、東京マラソン2021の招待選手です。日本記録保持者の鈴木健吾選手、福岡国際でMGC出場権を獲得した細谷恭平、髙久龍、上門大祐の3選手、ハーフマラソン日本記録保持者小椋裕介選手らがリストに入っています。男子一般参加には自己記録2時間07分台を持つ選手が10人、また初マラソンを予定している選手も箱根駅伝でシード権を確保した中央大学勢、箱根駅伝区間賞を獲得した細谷翔馬、津田将希選手も参戦します(恐らく、準エリートから繰り上げ?)

今大会は女子もグレードが上がり、メインレース扱いで開催されます。一山麻緒、新谷仁美選手が東京を走ります(それにしても招待選手2人は正直寂しいです…)。

なお海外招待については2月中旬の発表を予定、2月18日に正式開催できるか判断するようです。是非開催に踏み切ってください(願望)

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