『評伝 福田赳夫』(五百旗頭真監修、岩波書店)

オードリー若林さんの文章を読もうとnoteに入ったが、いっぺんも投稿してこなかったので、してみようと思います。なので、あまり期待しないでください。

タイトルは最近読んだ本で印象に残ったものです。

折しも総裁選の真っただ中ですが、私も少しばかり(野党の、しかも一地方の支部ですが)政治に関わったものとして、話題になっていたのでさっそく読みました。

まず私が思ったのは言葉のセンスが抜群だということです。

「党風刷新」「昭和元禄」「人命は地球より重い」「天の声も、たまには変な声がある」

どの言葉もそのときの時代や状況を的確に捉え、批判も加えながら、悲観的でも冷笑的でもない。

ワンフレーズというと小泉純一郎元総理が思い浮かびますが、ひょっとするとこれは福田の書生だったからかもと思ってしまいます。

もう一つは、財政家としての面です。

佐藤栄作内閣の大蔵大臣として戦後初めて赤字国債の発行を決断したのは福田でした。一方で福田は「歯止め」をかけることも忘れませんでした。その一つが「市中消化の原則」です。彼は日銀による国債引き受けは「絶対避ける」と考えていました。それは戦前の苦い経験から来たものです。

アベノミクスの金融政策によって日銀による実質的な財政ファイナンスが続いている今の日本を福田はどう言うでしょうか。

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