別れの季節
雪も降るような寒い日
電車を待っている間
自販機で買って飲んでいた
粒入りコーンスープ缶
「粒たっぷり」
と、なっているのに
半分飲んでも
粒に出会わない
このままでは
大半の粒を缶に残したまま、
コーン達に別れを告げねばならない
そんな寂しいことを
させるものかと
缶を🌀のように
ぐるぐる振り、
スープに粒が浮かび上がった
頃合いを見て
一気に飲み干す
(やっと会えた〜)
それでも
飲み口から顔を覗かせながらも
手と手を取り合うことができなかった
何粒かのコーン達よ
別れを告げねばならない
「いざ、さらば」
(ふ〜、電車来たから乗ろうっと)