窓際のおっさん11 得体の知れない人達とどう闘うか(中編:問題者への加担を避ける、勇気をもって判断する)

 会社にいると色々ある。どうにもならない事ばかりで、禄を食むためだけにひたすら受け流して暮らしている。時には反撃してみたり、動き回って相手を撃ち落とすこともあるけれど、会社全体としては何らプラスがない。それでも一筆積み上げれば、誰かの一遇は照らせるかもしれない。そんな想いで今日も筆を取る。

 前回は、思い通りにならないと怒る人、絶対に非を認めない人といった問題者について紹介してきた。また、おっさんの場合、過去にそれら問題者と「闘う」選択肢を多々選んだこともあり、その経験について、事例と共に述べてきた。

 今回は前回に引き続き、非を認めない人への対処法(おっさんの経験談)からお話しする。そしてこれらの問題についての、おっさんの想いを述べたい。

<非を認めない人達の手口と対処まとめ> 

 
 
前回の事例から問題者の手口をまとめるとこんな具合である。

 
① 自由や差別など、批判しづらい切り口や、自分にだけ都合の良い規範を持ち出してこちらを悪人とする。ないし最後は人格否定、能力否定。
 ② 聞いていないなどととぼける。あるいはその場の誰かのせいにする。
 ③ 話を逸らし、都合の良いストーリーを再構築したり、相手に手間暇をかけさせて煙に巻こうとする。

 ①はまず、シンプルな一手でフォーカスのズレに対抗する。
 「話が違ってきている」「今それは関係ない」「もっと優先することがあるでしょう」などと言い続けて土俵に乗らないことだ。

 そこで引き下がれば苦労はないが、平行線ならば「もういいでしょう、では具体的にどう対処しますか?」と議論をやめさせて具体的判断をさせる。

 多分それでも判断を下さない人もいるので、平行線ならば「もう止めましょう、理解できないので後で指示書をください。」と書面を要求する。
 ここまで言って書面を断られても構いやしない。後は「言っていることが業務とずれていて、書面がなければ理解出来ない」の一点張りでその場を去って良い。
 
 書面では問題者は責任を取らざるを得なくなるので、当然出して来ないわけだが、逆にそれを後に指摘すれば良いし、以後は多少おとなしくなる。

 ②は以後迷わずボイスレコーダの準備をする。
 指示判断のやりとりは①同様に口頭ではなく書面か、普段からメールや連絡ツールでのやり取りを徹底するように念を押しておく。

 また、こちらの提案を蹴った具体的な理由を上司に明記させ、矛盾があれば容赦なく確認。「事態が解決するまで、こちらは仕事の判断が出来ない」といった一言ことも忘れないように。

 ③は脱線している旨を根気強く言い続ける。
 「質問をしているのはこっちなんですが?」「今、この件(例で言えば予算)を具体的にどうするか話しているんですが?」などの言葉の繰り返しが良い。

 また、相手がひねくれた人間だと分かっている場合は、先に「イエス」と答えやすい類似案件のボヤっとした質問を投げて「イエス」を貰い、本題を出して「ノー」と言った場合は、「何故ですか?さっきはイエスでしたよね?」と矛盾を問い詰める手段も有効だ。汚いが相手はなんでもしてくるのでこれしかない。
 
更にその一部始終を録音しておけば「今回に限ってはこういう理屈で。。。」などと苦し紛れの言い訳や、最初の発言と矛盾する珍回答が拾い放題である。

<問題者との応酬は周囲の批判を受ける だが、被害者の人生を取り戻すことの方が遥かに大事>

 
 前回も今回も、闘う方法ばかりお勧めしてきた。また、そこまでやるのかと思うような、卑怯な戦術も紹介しているつもりである。

 人によってはそんな応酬、見るのも息が詰まることと思う。

 だが、正しい謀略をしなければ、問題者はより卑劣な手、過激な手に移行する。戦争と同じで、綺麗事では片付く問題ではないのだ。

 また、息が詰まると言うよりも、単純に道徳的に揉め事を良しとしない人も多いだろう。

 無論、そうした一般的に言いたいことは理解できる

 だが問題者相手に揉め事を避ければ、結局は被害者に全ての負担が行く。つまり問題者に加担しているに等しい。それは絶対ダメだろう。

 
おっさんは、問題者による苦境に見舞われた時、いつも周囲は「我慢せよ、口論や揉め事はNG」と言う状態からのスタートであった。周囲の協力を取り付けるだけで本当に苦労する。

 だが、休職に追い込まれたこともあるおっさんから言わせれば「揉めるななんて勝手な言い草だ」と思う。
 
揉めるのは面倒だし美しくはない。だが揉めさせてくれないと問題者に対して一方的に我慢するだけで終わって、最後は潰れてしまう。

 毎度思うのだが、事態を放置し、何人辞めさせ、何人潰し、何人殺したら気が済むのだろう。いい加減に問題者の排除には、全員が当事者意識を持って欲しい。

<勇気を持って正しい判断をして欲しい>

 
 前回から紹介してきた体験談に出てくる問題者達は、周囲から徹底的に嫌われている人ばかりだ。揉めて追い出すよりも、放置するのことの方が大きな誤りなのは子供にでもわかる理屈である。

 おっさんが闘った問題者達は、実際にある程度の処罰も受け、立場を失って、それ以後の被害は減っていると思う。
 おっさんも批判され、立場を落としたが後悔はない。大変だったが、理解者も沢山得られたのだ。


 休職も経験したおっさんの言葉である「当事者意識を持ち、皆で協力して問題者に立ち向かうべし」「被害者は泣き寝入りだけはよそう」。
 やり返すことは美しくないし批判も受けるが、単に我慢することに比べたら、絶対に後悔のない選択と保証する。どうか勇気を持って対処してもらいたい。

次回に続く


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