資格いおっさん9 二級ボイラー技士試験

note稼働以前に受けた試験について、記録します。

二級ボイラ技士試験
試験日 2017年9月 試験地 東京(早稲田大学)

①勉強時間
 2ヶ月半、毎日2時間程度

②勉強量
 ボイラ実技講習2日間受講+
 日本ボイラ協会編著2級ボイラー技士試験公表問題回答解説を3周以上

③下知識
 機械工学卒、ボイラータービン主任技術者代務者候補として着任1年未満

④試験の印象
 ひねった問題は法規を除いてなく、基本的な知識を問う問題と過去問の使いまわしという印象。

⑤手応え
 試験時間も4時間あったが、そんなに使うことなく最短で退出。
 この試験勉強一本で2か月半しっかりやったこともあり、迷うようなことはなく出来たと思う。
 実際一発合格である。

⑥ 資格の意義など
 ボイラまたは圧力容器を取扱う現場に勤めているならば必須。工場であれば必ず2級以上の資格者が居て、ボイラ取扱作業主任者として配置されている筈である。
 最近は大きな伝熱面積のボイラ自体が減少していて、循環システムがなく伝熱面積の小さい貫流ボイラが多い。従って2級を押さえておけば、恐らく8割~9割のボイラまたは圧力容器を合法的に事業利用できるものと思う。

 ウチは小型ボイラーだけで、2級の資格がなくても実務上大丈夫だよという人でも、2級までは是非取ったほうがいい。取扱い方法や構造について知識があれば、簡単なトラブルの解消ができる。こうしたトレーニングは一応、ボイラ実技講習や、特別教育又は技能講習における小型ボイラ向けの講習でもやる。だが、自分でしっかり勉強した経験と、手元に残るであろう教科書や問題集は、部下後輩への説明と指示出し、現場トラブルの際の自信と問題解決力に確実につながる。

 ビルメン4点セットの1つともされていて、ビルの維持管理業務を仕事とする場合は、実務上も、箔の上でも最低限押さえておきたいラインでもある。
 いくら伝熱面積の小さなボイラであっても、建物全体の維持管理となると、蒸気の利用先への配慮や省エネ対策、配管などを含めた全体としての取り回し、燃料や薬品を含めた維持管理なども考える必要が生じる。
 持っていなければ判断できない場面も増えることと思う。

 <特別教育・技能講習>
 勉強が嫌いな人は、ボイラや圧力容器の容量、用途に応じた特別教育・技能講習があるので、会社の命令などを利用し、そこから取得して、実務を経験しながら徐々に取ってもいいかもしれない。

 <ボイラ実技講習>
 ボイラの取扱実務がない人や少ない人は、まずこの講習を受けてからでないと取得できない。筆記試験の受験自体は可能であるので、先に筆記だけ取ってしまっても構わないが、結局ここで勉強した内容が出題されるので、先に実技講習を受けてしまってから勉強に入るとよい。
 また、実務が浅いうちにこの講習を受けることで、ボイラの点検業務や起動停止について、スムーズに実務に活かせると思う。自身は勿論のこと、後に続く部下後輩が同じ業務に着くならば、早めに受講させておくとよい。


⑦ 試験対策
 公表問題回答解説を3周+間違えたところだけ再チャレンジで十分行ける。
 全くの初学者であっても、ボイラ実技講習を受講すれば図解資料や詳しい解説も手に入る筈なので、それらを必要に応じて参照にしながら理解を深めるとよい。

 計算問題としてエンタルピーの問題が出題されることもあるが、出題割合としては少ないので、最悪捨ててしまっても合格自体は可能との説もある。だが個人的には計算問題は捻くれた出題が少なく、理解さえできれば確実に点数になるので、覚悟を決めてしっかり学習してしまえば心強い得点源かつ、他の受験生に対するアドバンテージにもなると思う。

 「取扱い」の科目は、実務とズレたことはほぼやらないはずなので、実務をしっかりやって学ぶようにしたらよい。例えば水面計の点検作業などは、通常毎日はやらないにしても、勉強と思って頻度を上げてトライしてみる。また、普段の点検では大雑把な確認で済ませる部分についても、図解を片手に構造まで含めて確認するなどすれば理解が早い。

⑧ その他
 ボイラー技士の受験生は多いので、どの地方でも「出張試験」にラインナップされている。
 出張試験とは、通常、労働安全衛生センターで開催される試験が、都心部の大学などで、年間計画とは別日に開催される試験のことである。
 出張試験は土日開催が多いので、都合の良い日程をチェックしておくといい。

 上位資格の1級ボイラー技士は若干難易度が上がるが、2級の合格後に内容を忘れないうちに受験すれば合格しやすい。
 1級になっても新しい学習事項はなく、単に問うてる内容がより細かいだけと思う。箔をつけるためにもぜひ挑戦したい。
 ボイラー技士以外にもボイラー整備士という資格もある。ボイラの維持管理経験が長ければ整備業務の実務経験として十分カウント可能であるので、将来的にどっちも取得したいと考えている場合はボイラー技士からをお勧めする。
 逆にボイラー整備士の実務経験は、ボイラー技士の実務経験にカウントされないので順番を間違えないように。

 ボイラータービン主任技術者の資格取得のためにも、先ずは2級ボイラー技士が前提になる(尚、1級で実務経験が長ければ、取得時の面談でより信頼を得やすいとも思う)。
 近年余熱利用として、工場などの事業所では、蒸気タービンの利用が当たり前になっている。ボイラータービン主任技術者はそのような事業所で必置の資格になるので、早めにキャリアアップしたければ、2級を一日も早く取得すべしである。

...

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?