月夜のこぼれ話 〜マスクのお狐さん〜
昨年から、なんだか急に狐を意識し始めた。理由はわからないけれどなんとなく憑いてもらっているといった感覚。守られていると勝手に思っている。
元々は美術館とか舞台を見に行ったりしたときにその土地の寺社仏閣にお参りすると言うルールみたいなものを自分に課してみたのがきっかけではあったが、今は基本的には狛狐いる稲荷神社に絞ってお参りしている。
狐の表情や咥えているもの、足元のポーズもさまざまで、とても愛らしい。面白い表情のお狐さんに会うととても嬉しい。
今日は前から気になっていた王子にある稲荷神社にお参りに行った。残念だったのは何匹かのお狐さんがマスクをつけていたことだ。シャレのつもりなのか終息を願ってのことなのかわからないがこちらからすればお狐さんのお顔が見えないのがなんとも悔しい。どうしてわざわざマスクなんてするんだ。神様の使い、眷属だぞ。そもそもコロナであーだこーだやってんのは人間なんだからお狐さんにまでマスクをさせるなんて罰当たりじゃないのか?などと胸の内でモヤモヤした。
待てよ、これまで参拝した神社にはマスクをしている狛狐はいなかったもんだからびっくりしたけど、もしかするとこれから先にもマスク狐がいるかもしれないな。そういえば、渋谷のハチ公や名張の江戸川乱歩像やスイスのフレディーマーキュリーの銅像にもマスクが付けられているのを見たぞ。
これから先訪れた神社にもマスク姿のお狐さんはいるかもしれないということは念頭においておかなければ。
けれどももしかしたらこの先マスクがいらない生活が戻った時、このマスク狐の写真を見て「あーこんな時もあったねー」と思える日が来るかもしれないのだから、これはこれで今の状況として記録に残しておくのも良いのかもしれないな。
そしていつかマスクが取れたお狐さんにもう一度会いにいこう。
それと大晦日の狐の行列というのもいつか見てみたい。見られる日が来るといいな。