ひと匙日記 思い込み

6月21日(水)

 職場に向かう電車に乗っていた。通過電車の待ち合わせの関係で電車が停車している時、途中で体格の良い外国人ふたりが、体格の良いスーツケースを転がして乗車してきた。
 わたしは、その姿から察して空港に向かうのかな?と予想した。もしそうだとしたら、この電車じゃないぞ。と、ソワソワしていた。
 一人の外国人が異変に気付いたようで、電車から降りた。わたしが、だよね。良かった。空港行くなら向かいのホームだよ。と心の中でほっとしたのも束の間、もう一度乗り込んできた。

 なんでよ!違うよ!ほら、向かいのホーム、見て!電車来たよ!飛行機マークついてんじゃん!見て、はやく!後ろ振り返って!

と、必死で念を送ったが全く気づかれなかった。わたしはなんだか申し訳ない気持ちになった。
 ところが、外国人ふたりが降りた駅はわたしの職場のある駅だったのだ。
 え?待って。この駅にゴツいスーツケースを持って行くような施設あったかな?どういう目的?わたしは頭がクエスチョンマークでいっぱいになったが、結局その方々はわたしとは逆方向に行ってしまい、謎は解決できなかった。
 そんなわけで、スーツケースと外国人というだけで空港だと安易に思い込んだ自分を反省した。 
 それにしてもあんな何もない駅で降りるとは思えないようなスーツケースの中身がすこし気になる。。