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このまんま

9月27日大阪肥後橋駅前にあるアパホテルで朝6時前、私はボールペンを手に彼への手紙を書いていた。

それは、私が今しているように、音声入力で下書きをしたメモ帳の内容を、少しずつ変えながら、書き写す行為。その前の日に行った京都の喫茶店で売っていて、思わず衝動買いしてしまった、カラフルなレターセットに書き綴るという行為だった。

どうしても彼に伝えたいことがあった。
むしろ彼に聞きたいことだった。

彼はこの夏どんな気持ちで過ごしていたのかが知りたかった。私には教えてくれなかったことを、どうにかして聞き出したかった。

その手紙を書く前の1週間は、私が私でないかのように感じるような、地獄のような1週間だった。

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エモい旅をして素直な気持ちを書いて。感情に揺さぶられながらいつかの誰かの幸せを作るのために成長します。