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この旅はまだ終わっていないから、と泣いた夜が明けた。けれどまだ、旅は終わっていないんだよ。

人とぶつかったと思えた朝がきた。
綺麗に物事を考えられるようになるのは、朝にかかっている魔法だと思う。

リビングでソファーに横たわる君を見つめた。
君が起きそうになった午前7:17、私は君が怖かった。

どうか君が、私の好きな人を好きになる世界が突然現れることがありませんようにと願った。
どうか彼が、私のことを好きだったから私の隣に座ったという夜が私の妄想の中で終わりませんようにと願った。

でも私は彼がどこでどんなふうに寝ているかを確認できるほど強くなかった。
冷蔵庫に誰かがしまったジャスミン茶を、誰かが洗ってくれたコップで飲むことしかできなかった。

私はみんなが飲む中で、持て余した自分を、いい子ちゃんアピールすることでしか使えなかった。
このコップを洗ってくれた誰かは、
冷蔵庫に残りの飲み物をしまったり、食べたあとの焼きそばを片付けたり、荒れた机の上をそう思わせないように掃除したりした誰かは、
どんな気持ちでそうしたのだろう。

みんなの失敗や、みんなの汚いところを、どうやって綺麗にしたんだろう。


そうベッドの中で考えていたら、ガタンゴトンと聞こえた。
もう電車の走るこの街に、逃げこんで消えてしまいたい気持ちになった。
君を連れていきたいけれど、連れていけないのもわかっていて、苦しくなった。

あの場所で強かったのは、わたしでも、君でもなくて、あの子が綺麗だからと買ったお酒だけ。

こうやってお酒というクスリにすがって楽しんで、みんなの弱いところが溶けていく朝だ。
私の涙は、みんなの夢がさめるころには消えてなくなっていてくれよな。

エモい旅をして素直な気持ちを書いて。感情に揺さぶられながらいつかの誰かの幸せを作るのために成長します。