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食欲のバロメーター

お金を出せば食べ物が簡単に手に入るというヒトの歴史の中で稀有な時代を生きている。

子供のころ、私は食べるのが苦痛で、夕飯のときに二言目には「こんなに食べなきゃいけないの」と言っていた。

タイムマシンに乗って子供時代にいったら、たぶんそいつぶん殴ってる。

いつからたくさん食べるようになったのかよくわからない。

浪人している頃も、夏は食欲がなくて苦しんでいたことを覚えている。

あ、大学生のときかな、『美味しんぼ』のアニメをテレビでやるようになって、それからいろいろ食べることに興味を持った。

クミゴン(奥様)と付き合っていた時、彼女は「この人食べるの遅いな」と思いながら、私に合わせてゆっくり食べていたというから、やはり就職してからだな。

会社の飲み会では「細いのによく食べるね」といわれるようになっていた。

これは一切酒を飲まないので、食べなきゃ損だと一生懸命食べていたせいもあるが。

食べるのが早くなったのは、現在関連会社の社長になっている彼が上司になってからだというのは、はっきりしている。

よく食べるようになったのはしかしそれより前のはずだ。

頭脳労働だけの学生時代より肉体労働比率が高まった会社員生活がやはりきっかけかな。

部活をやめてからの高校生活は不眠気味だったが、働くようになってから、それはほとんどなくなった。

以来、不眠は日中の運動不足だと確信している。

さて、食べることにあまり執着していなかった個人の歴史もあり、本当におなかが空いているのかどうかわからないことがしばしばある。

しょっちゅう「腹減ったー」とは言っているのだが、そう言わずに本当に食欲がすごい時というのは、こんな特徴がある。

  • 目に入る食べ物すべてがおいしそうに見える。

  • 目に入ったあれもこれも食べたいと思う。

  • 出てきた料理を少ないと感じる。

ついさっきはまさにそれだった。

食品スーパーに次の納豆を買いに行ったが(#納豆駅伝 参照)、どれもこれもおいしそうで、今日のランチはデニーズと決めていたのに、心揺らいだ。

特にB公園帰りに寄ったスーパーの半額の寿司にはもう目が釘付けになり、手を出したら間違いなく買っていた。手を出さなかった自分を褒めてやりたい。

いったん家に戻り、再度お出かけで納豆買った後、予定通りデニーズへ。

今日は、お値段に関係なく、食べたいものを食べる贅沢デーにと決めていた。

(その割には半額の寿司に手が出そうになったのだが)

お値段にこだわらないと言いつつ、迷わずランチメニュー。

結果的に安い方になってしまうが、「牡蠣とほうれん草のクリーミードリア」、うむ、これだな、食べたいのは。

タブレットで注文…しようとしたら、品切れだよ!

やはりおいしそうに思う同志が多いのだな。

食べたいと思ったものがなかった喪失感を親近感でごまかす。

気を取り直し、もともとこれが第一志望になるだろうと思っていた昼デニのカットステーキにした。お値段も張る贅沢感の演出にも良い。

安く上がってしまう日替わりプレートランチにも実は惹かれたんだけどね。特にミートペンネグラタン、食べてみたいなと。

単品でないか探している自分がいた。

これを書きながら探したが、やはりないようだ。残念。

サイドメニューも悩んだ。

以前頼んだ時シーザーサラダにして、お、うまいなと思った。

今回はベーコンとほうれん草のサラダに。

さて、注文してから、レッツノートちゃんを出して、ドリンクバーよりアイスカフェラテをまず用意。

そして、飲みながら、今日撮った写真を確認したりしているうちに、お待ちかねの料理が届いた。

え?これだけ?

サイドメニューのベーコンとほうれん草にはむしろ量的にまずまずと思ったが、カットステーキが寂しい。寂しすぎる。

こうして写真で見てみるとそうも見えないが。

前も頼んだ時、少なくて、損した―とそういえば思ったような。

これはもう1品頼もうかなと。

なにかスープもいいかな。

わしわし、ぐるぐる食べているうちに、いかん、もう少しスピード落とそう、よく噛もう。

思っているうちに、ぺろりと平らげた。

絶対物足りないと思ったが、少し時間を置くことに。

今日は、いつもなら絶対に食べないスイーツにも手を出すぞ。

しかし、メニューを見てもこれといって触手が伸びない。

子供の頃はこういうところでパフェを頼むのがすごい憧れだったけど。

なんか大人になってしまってつまらないな。

まあ、あとで頼むかもしれないけどね。

料理はおいしかった。

命を捧げてくれた動植物たちにも感謝します。ありがとう。




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