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わたしがハガキ職人だったころ

中学生の頃、僕はいわゆるハガキ職人だった。雑誌の読者投稿コーナーにネタを送りつけるのに激ハマりしていたのだ。

当時のもっぱらの目標は、ファミ通の投稿コーナー「ファミ通町内会」だった。町内会に集うネタはその圧倒的なレベルの高さで、他を寄せ付けていなかった。ひねりが効きすぎていてハイコンテキストすぎるきらいもあったが、とにかくシュールさ、言葉のセンスがたまらなくツボだった。

いきなりセリエAで戦うようなものだったが、それなりの数のネタを本誌に送り込むことができ、ガバスをGETすることができた。掲載されるとめちゃんこ嬉しいのは確かなのだが、同時にまわりの職人たちのレベルの高さに驚き、リスペクトし、自信喪失する日々でもあった。

今思うと、昔からプロダクトを作って世に問うことが好きだったのだと思う。ハガキからプログラミングになっただけで実はやってることの本質は変わっていない気がしている。

雑誌の売り上げが減少し続けているのは世の流れとは思うが、投稿コーナーも活気がなくなっていくとしたら残念だ。特に、毎週ファミ通を買って町内会のページを最初にみるときのドキドキのUXはなかなかネット時代では再現しにくい代物だと思う。

僕は間違いなく、雑誌の片隅のコーナーに育ててもらった。ガバスと交換して手に入れたスターオーシャン2を一生忘れることはないだろう。

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