私の夫 #3
夫との出会いは音楽イベントで
私は映像制作、夫は弾き語りの出演者だった
犬みたいだなと思った
頭がもじゃもじゃでゆるいTシャツを着て、物怖じせずかわいかったから
ふざけることもできて
ちゃんと真面目で
透き通るような声で
お互い人見知りをしない私たちはすぐ仲良くなった
二人で飲みに行って、その後友人が合流して酔っ払ってその友人の家に行き、3人で寝た
私は初めの頃に、自分のほとんど全てを話したと思う
付き合うつもりはなくて
こんな私でもよければ、どちらかに好きな人が出来るまでしばらく一緒にいますか。という感じだった
しばらくそんな感じで週末は一緒にいることが多くなった。
暑い夏が終わった頃、その中途半端な関係に耐えきれなくなった彼が 終わりにしたい と言い出した
気付かないふりが出来なくなった、彼が私のこと本当に好きでいてくれたことに。
その時、私は彼のことを心から恋焦がれ好きだったのかと言われたら
今となっては 正直よくわからない
けれどその時の私は、彼の人生にもう関わることができない事が耐えづらく
一緒に居る選択をした
それが、私と夫の始まりだった。
そう選択をしてよかった
…のかは、果たして、まだわからないけれど。笑
少なくとも彼の成長を感じ お誕生日を毎年お祝いしあえることは嬉しく
私の人生には彼が必要だったんだと思っている。
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