最初で最後?の夢見図書館レポート

 先月友人に誘われて、夢見図書館へ行ってきました。友人のポストにチラシが入っており、面白そうだから行ってみないかと。

 そこでは、人のみた夢の記録が保管されていました。記録にはみた夢のタイトルと内容、年齢、性別だけが記載されており、プライバシーは保護されているようです。一日に読める夢は一つだけだったので、そこで読んだ夢を紹介します。タイトルは「いくら丼」、二十五歳、男性です。

 僕は、お店のテーブル席に座っており、目の前には白米だけ載ったどんぶり茶碗がありました。そこへ店員さんが来ると、どんどんいくらを載せ始めました。店員さんは気前よく載せていくのですが、何故かどんなに載せてもいくらが溢れません。

 するといつの間にか横にいた人が「これがいくらの表面張力か。溢れて何が良いと思ってたけど、溢れないとそれはそれで何か物足りないね。俺は自分勝手な人間だとつくづく思い知らされたよ」と。私は何か人生に通ずることを言ってそうだと色々考えましたが、夢の中でも想像力はそのままのようで何も結びつけることは出来ませんでした。その方に「いくらの表面張力?」と言ったところで目が覚めました。

 夢見図書館の管理人の方に、自分の夢を記録して保管して貰うことは出来ますかと尋ねると、どうやら夢の寄贈は断っており、自ら収集したものしか置いていないとのこと。

 どうやって収集しているのか聞いても、管理人の方は微笑むだけで答えてくれませんでした。帰り道友人にどうだったと聞くと、友人は楽しくなかったようです。

 自分は結構楽しかったので、先週また一人で行ってみると、空き地になっていました。また行きたいなと思いますが、どうしたら良いのかさっぱり分かりません。

 結局自分には何か大事なことを言ってそうな夢の記録を読んだ記憶が残り、いくら丼が食べたくなっただけです。夢見図書館の情報をご存じの方は誰か教えてくれませんか?    
         (了)

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