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『言バトン No.244 ボクロフスコエからの巡礼者』by HANZAWA on 1月 30, 2015 • 00:01

シベリアのボクロフスコエ村から、ひとりの巡礼者が旅立ったのは、

1871年くらい、

はっきりとした日時はわからない。


その巡礼者は、

ロシア帝国の首都、サンクトペテルスブルクで祈祷師として病人を治し、

瞬く間に有名になった。

やがて宮殿呼ばれた彼は、

皇太子を祈って治し、皇后の信頼を得る。


皇帝夫妻の信頼を得た彼は、宮廷のなかで「力」を手にする。

その力を恐れたロシア貴族たちは、

彼の暗殺を企てた。

宮廷の女性たちがこぞってこの祈祷師に盲従していたため、

それを貴族の男たちが嫉妬した…こともあったのだろう。


彼はある夜、毒を盛られ、

その後殴られ、さらに銃撃され、それでも死ななかった…と言われている。

凍った川に投げ込まれ、そこでようやく彼は死を迎えた。

彼の名はグレゴリー・ラスプーチン。

明日は、ボクロフスコエからの巡礼者の「しゃ(や)」。

取材、執筆のためにつかわせていただきます。