心無い言葉

※この作品は以前「こえ部」にてお題として投稿していたものです。



ある日、彼と喧嘩をしたの。

なんで喧嘩になったのか、もう覚えていないけど、

ついカッとなって、思わず、

彼に心無い言葉をぶつけたのよ。

それは、彼が周りによく言われていた言葉で。

それは、彼が一番傷つく言葉で。

それは、私が絶対言ってはならなかった言葉。

本心ではなかったのだけれど、

咄嗟に口にしてしまったの。

自分の発した言葉が信じられなかった。

彼は、一瞬、ほんの一瞬、悲しそうな顔をして、

『そっか。』とだけ言って、笑ったのよ。

そのまま彼は何も言わずに私の前から姿を消して、

二度と、私の前に現れてはくれなかった。




Konose

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