黒埼ちとせは病気で死なないと思ってるのに

はじめに


本稿の主旨は[Life is HaRMONY]黒埼ちとせの特訓エピソードを始めとした、該当カードに感じた違和感に向けた私見です。
しかし、該当カードに向けた私見でありながら、その内容は『黒埼ちとせが重篤な病を抱えている』という解釈の否定に直結しています。
それは筆者の言葉選びゆえですが、申し訳ないと思いつつも、私見をぶちまける上で外せませんでした。

本稿は『誰かの解釈の否定に繋がる内容』だと先にことわります。
正反対な考えを受け入れてくれと思っていませんが、そういった内容だとご理解した上でご拝読ください。



「私ね。長くないと思うの。だから、今が楽しければいい。」

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出典: イベントコミュ「Fascinate」『第4話 Moon Is a Harsh Mistres』 より

ちとせが何を「長くないと思う」のか。
この言葉の真意は未だに一切語られていません(2021年5月14日時点)。
ですが、作中の虚弱体質描写や治療・療養を理由に休学した可能性から、
彼女自身の命を指しているかもしれません。

黒埼ちとせは「長くない」。
この言葉、黒埼ちとせを考える上で非常に重要です。

というのも、黒埼ちとせを考察・妄想する人たちは「長くない」は彼女が自身の命を行く末を仄めかしていると捉えている人が少なくないからです。
(筆者は他者の考察を避けて触れないようにしていますが、おおよそまちがっていない…はず!)
または命そのものでなくとも、彼女の人生を大きく左右する、
重大な『終わり』の訪れが秘められている考え方もあります。

貧血を始めとした虚弱体質描写や、1年間に及ぶ休学を推察すると、
「長くない」はちとせの命を指している可能性も想定できます。

"重篤な病により死を受容し、「長くない」身体を騙し騙し言い聞かせながら限られた人生すべてを千夜ちゃんに賭す"

逞しく、気高く、勇敢で、美しいです。

ですが筆者は「長くない」の真意に命は関係無い可能性を信じています

作中描写が示すように黒埼ちとせは虚弱体質です。
休学理由が病に基づく可能性を捨てていません。

しかし…重篤な病により命が「長くない」のだとすれば…
腑に落とせない点が多々あります…

19歳が病を抱えていて、それは死を受容するほどで、病状が「長くない」と悟る積み重ねを経て、重篤に進行した状態が現在なら…

それって、そもそもアイドル活動を始められないし継続できない容態では?

以下より本題である筆者が「黒埼ちとせは重篤な病を抱えていないと思う 」私見を述べます。

なお、ちとせがアイドルを始めた当初・始めるに至るまでの容態は先述の
"19歳が病を抱えていて、それは死を受容するほどで、病状が「長くない」と悟る積み重ねを経て、重篤に進行した状態"
とします。

この根拠は…無いですね…だって作中でそれを裏付ける描写ないし…
そもそもこの容態を示せる病気って何? 実在するの?! 
ただ、ちとせが「長くない」とPに打ち明けた時点で重篤な病と折り合いをつけているなら、描写に従うと、大よそこんな感じでは…つまり勘ですね。
(「長くない」発言はFascinate4話参照。すなわち黒埼ちとせ・白雪千夜がアイドルとしてデビューする前。時系列の詳細は後述)



本文


そもそもの話、健康面を考慮すると、黒埼ちとせがアイドル活動を始める上で間違いなく立ちはだかる壁があります。
白雪千夜です。

"19歳が病を抱えていて、それは死を受容するほどで、病状が「長くない」と悟る積み重ねを経て、重篤に進行した状態"
のお嬢さまが『私これからアイドルになるね♪』と言おうものなら、千夜ちゃんがそれを看過するとは自分は思えません。

根拠を述べるため黒埼ちとせと白雪千夜のデビュー過程を振り返ります。
まず二人が事務所の所属に至るまで。

二人が事務所に所属する経緯を概説すると
①ちとせがPに自分をスカウトさせて所属

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出典: アイドルコミュ「黒埼ちとせの特訓エピソード」 より

②千夜ちゃんはちとせが独断でオーディション会場に向かわせて所属させた

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となっています。

つまり二人の所属には時差があり、ちとせの所属を経て千夜が所属します。
モバマス時空だと二人同時所属の可能性が強いと捉えていますが、デレステ時空は時差が確実に存在し所属は二人同時ではありません。

アイドルが楽しいと感じるまでの千夜ちゃんは”僕”の側面が強いです。

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出典: 白雪千夜「ステータス」 より

自分の意思ではなくとも、お嬢さまの戯れでしかなくとも、その人生を千夜ちゃんは受け入れているので彼女はアイドルになりました。
しかしそれは白雪千夜自身の話。

"19歳が病を抱えていて、それは死を受容するほどで、病状が「長くない」と悟る積み重ねを経て、重篤に進行した状態"のお嬢さまがアイドルになろうものなら、僕の千夜ちゃんだろうがその選択を受け入れないと思います。

千夜ちゃんは自らの人生をお嬢さまに捧げていますが、お嬢さまが選ぶ全てをあるがまま受け入れてるわけではありません。
お嬢さまの身体を気遣った千夜ちゃんから諭した一幕もあります。

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出典: イベントコミュ「TRUE COLORS」『第5話 True Colors』 より

こちらは千夜ちゃんとお嬢さまがアイドルデビューを果たした後、二人がアイドル活動に理解が育まれた時です。
千夜ちゃんもお嬢さまに掛かる活動の負荷の範囲やお嬢さまの変化を共に培っているので過保護ではありません。

しかし千夜ちゃんが所属する前・お嬢さま所属当初となれば話は違います。

ちとせは初レッスン時に疲労で倒れました。

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出典: アイドルコミュ「黒埼ちとせとのメモリアル2」 より

そしてこの時、千夜ちゃんは早急に駆けつけお嬢さまと共に帰っています。

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出典: アイドルコミュ「黒埼ちとせとのメモリアル2」 より

重篤な容態のお嬢さまが倒れたとなれば、これ以降千夜ちゃんはお嬢さまをレッスン場に向かわせなくなるのでは?

この時お嬢さまは所属済みです。
だから『重篤な容態でも千夜ちゃんは所属を受け入れた』とも思えてしまうかもしれません。
ですが、救護室には走って来たし、千夜ちゃんは有無を言わせずお嬢さまを手配したタクシーに向かわせ帰っていきます。
そして千夜ちゃんにとって、これが彼女とアイドルの世界の邂逅です。

"お嬢さまが過度な負荷によって倒れた。その原因は得体の知れないアイドル活動によるものだった"

ちとせが重篤な容態なら、得体の知れない存在によってお嬢さまの救護に駆けつける千夜ちゃんの心情を慮るに、お嬢さまが倒れたというのに活動を看過するとは思い難いです。
『お嬢さまがアイドルになるというなら、僕の私は受け入れるまでです。』などと到底言いそうに無い気がします。

寧ろこの後アイドルを辞めさせる口添えまでしててもおかしくありません。

しかも千夜ちゃんが所属した後、二人がデビューLIVEに至るまで、レッスン中に貧血が原因で更に一度倒れています。
それも千夜ちゃんの側で。

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出典: イベントコミュ「Fascinate」『第2話 Brghtness falls...』 より

お嬢さまが重篤な容態と知るなら千夜ちゃんがそれを二度も看過するのか?
重篤な容態のお嬢さまに負荷でしかない活動を二度も看過するというのか?

しないと思います。

お嬢さまが重篤な容態と知りながら負荷を看過し続ける白雪千夜を考えられません。

ならば『ちとせは千夜に重篤な容態を隠し続けてる』のか。

筆者としては、それも考え難いです。

既存描写を鑑みると確かにちとせは虚弱体質です。
しかも休学を体験しています(だから19歳の女子高生なの)。

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出典: イベントコミュ「Fascinate」『第4話 Moon Is a Harsh Mistres』 より

虚弱体質に「長くない」発言を加え休学経験があるなら、ちとせは治療・療養のために休学を迫られ、これこそがちとせが「長くない」と己の行く末を受け入れた重篤な容態を示している…
という見解もあると思われますが筆者はそれも選べなかったです。

2021年5月14日時点で黒埼ちとせの休学理由は不明です。
治療・療養を理由に休学した可能性自体は筆者も考えてます。
しかし"重篤な容態"となれば話は別です。

何度も強調しますが、
"19歳が病を抱えていて、それは死を受容するほどで、病状が「長くない」と悟る積み重ねを経て、重篤に進行した状態"
なら既にベッドの上が生活スペースでもおかしくありません。

でも現実として、ちとせはベッド暮らしではなく、身体に無理を言い聞かせながらも、筋肉痛を初体験するほど精力的にアイドルを取り組めています。

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出典: [Life is HaRMONY]黒埼ちとせ「メッセージ」『ルーム』 より

千夜ちゃんは「12のとき」から黒埼家で暮らし始めました。

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出典: イベントコミュ「Fascinate」『第3話 If the Stars Are Gods』 より

そして二人で海を渡り、現在は日本で生活を共にしています。
そんな千夜ちゃんがお嬢さまの容態を把握してないと思えないです。

休学理由が”重篤な容態”を治療・療養するためだとしたら尚更です。
留年するほどの休学の経緯を千夜ちゃんが知らないとは思えません。
千夜ちゃんは何年もお嬢さまの側で暮らしているのに、重篤な容態に至る病の進行具合を今日まで目の当たりにしたことが無いとは考えにくいです。

ましてや千夜ちゃんを相手に、ちとせが最期を迎えるその時まで己の容態を隠し続けられるとも思えません。

そして、そういった病の進行具合は今日まで描写されていません。
今後描写されるなら既にベッドが生活スペースだと思います。
描写が無くとも抱えているなら既にベッドが生活スペースだと思います。

黒埼ちとせは生きています。
病気は彼女が死ぬための設定ではありません。
19歳に死を受容させた重篤な病の進行が在るなら露見してる方が自然です。

だけど! [Life is HaRMONY]! 何故! 何故ちとせの行く末を
『選択の余地が無い最期』のように醸した!
このカード! 病気とも言ってない!
筆者は! 筆者が勝手に考えてきた解釈とそぐわないと勝手に憤ってる!
それはそう! たしかにそう! 自分でも分かってる!
だけど! だけどさ! 納得できない!
ほぼ病気じゃん!
病気じゃなくても『死』が「長くない」に直結してそうじゃん!
それ今までの描写として筋通るか!?
筆者も考察当初は「死んでほしい」とか「死んでほしくない」とかそう言った他人の見解を見てアレコレ想い馳せてた!
だけど! 『そうなってほしい』『そうなってほしくない』って個人的な見解はさておき! 描写に基づくと生き死になんて書いてないじゃん!!!
明記されてなくても! 19歳に死を絶対視させた病があるなら!
今のちとせの示せる病気って何!?
明記してほしいとは言ってない! 思ってもない! 別にしなくていい!
だけど! 今のちとせの示せる病気って何!? あるの? 実在するの!?
実はあると思ってる!!! そう! 筆者あると思ってるの!
"19歳が病を抱えていて、それは死を受容するほどで、病状が「長くない」と悟る積み重ねを経て、重篤に進行した状態"
とかいう筆者の私見に基づいただけだけど実在すると思ってるの!
むしろ!
"かつてルーマニアを脅かした、現代医学でも完治の術が無い、実在する
『死の病』を抱えおり、絶対に免れられない運命によって全てを喪った上、『死の病』の治療を諦め、世界に懺悔し命を閉ざす"可能性!
このくらい思ってる! 病気どころではない! 他にもくっついてる!
そっちは妄想だけど! いや全部妄想か……
絶対的な負の先に存在する完全無欠のハッピーエンドって最高だよね……
でも! 何にせよ『ちとせが最期を選択する余地』がある病なの!
どれとは言わないがな~!! 実在するぞ~! 言わないけど!
だけど! [Life is HaRMONY]!
何故ちとせの行く末を『選択の余地が無い最期』のように醸した!
なんだよそれ! どんな病ですか!?
フィクションなのか!?  存在しない病が存在するのか!!?
黒埼ちとせは『死ぬ設定』のために死を受け入れたのか!?
いやそもそも病気と言ってないのに自分が勝手に暴走してるだけだが!!?

あ~! 府に落とせない!
公式が出してきた以上従うしかないのだろうが腑に落とせない!
あ~!



おわりに


筆者としては、考察という言葉の意味を
『作中の疑問に対し唯一無二の答えを模索し宛がう』行為と捉えています。
言い換えれば『たった一つの答え以外を削ぎ落とす』行いです。

もちろん考察の定義は筆者個人の尺度でしかありません。
また筆者個人の考えである以上、『こうであってほしい』という、個人的な願望が多分に含まれていることに間違いありません。

ですが、唯一無二を提示する以上、『他の答えを選ばない理由の提示』まで行わねば、説得力に欠ける、他の解釈を軽んじた考察にしか成りえないと思うのです。
そのため『「長くない」が重篤な病に基づく解釈を選べなかった』旨を述べました。

終始に渡り『他の解釈を選ばない』旨を述べた以上、不快に思う方々がいると重々承知です。
ですが[Life is HaRMONY]に抱いた違和感を抑えきれませんでした。

さんざん出典を明記した割にこのカードの具体的に何がどう違和感を抱いたのかを一切書きませんでしたがそれは意図的に選びました。
これ以上言語化したくない…理解してほしいとも思ってないし…不要です。
筆者が腑に落とせていないだけの話です。

他者の解釈を否定した言葉の責任の所在、筆者なりの「長くない」の解釈を書き留めた記事が以下です。

表題がそのまま筆者なりの「長くない」の解釈です。

『後編』ですが、前・中編を概略しつつ述べてるので、一読いただければ幸いです。
もちろん、他者の解釈を否定した筆者の持論を読む義理はありません。

本稿の主題は以上です。

二次創作的な解釈を広げる場合なら"命が長くない"可能性も交えます。
ただ、妄想ではなく、考察として捉えるなら話は別です。

重篤な病により「長くない」と解釈する場合、
『何故その容態で今ベッドの上じゃないんだ』という疑問に対し、自信が持てる答えが見つけられない…

デレステ公式…よくも…よくも一線を超えたな(筆者基準)
絶対に最後まで追い続けてやる…
まず5月19日が楽しみだ…

そう…

5月19日…

5月19日が何の日か…ここまで読んだ方々はご存じですよね!?

そう!
「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 058-060 黒埼ちとせ・砂塚あきら・久川凪」
の発売日!!

個人コミュも楽しみだな~もっと先の未来かと思ってた。
個人コミュで深堀されるだろうし、背景がもっと垣間見えたらいいな。
純粋に早く読みたい。早く聴きたい。
楽しみ~

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