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嘆かわしいことが起きても歎き悲しむな

まったく思いも寄らぬ事や、不慮の事態など、嘆かわしい事が起きた時にも、やたらと歎き悲しむべきではない。これも因果で何らか意味があるに違いないと思うようにせよ。あまりに嘆いてばかりいると、かえって心が荒んでくるぞ。

悲しいことが起きたときに、悲しむのは当然です。
それが自然な心の動きです。
むしろ悲しみの中に自分から飛び込んで、悲しみを自分のものにしてしまったほうがよいのでしょう。
それは目の前にある料理を食べてしまうことと似ています。
飲み込んで、消化してしまうのです。
そうすれば、嘆き悲しむような出来事は栄養となって、
人間的な成長をもたらしてくれるでしょう。
いつまでも目の前のお皿に悲しみを置いたまま、
それしか見えなくなるのは、
欲に溺れて我を失うのと同じです。
そうならないためには、悲しんでいる自分を
見失わないようにすることでしょう。

『仕事で活かす武士道 北条重時の家訓48』より


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