見出し画像

誠実な者は心の明るい者、運を開く者

みずから光となり道を拓け。

 人の心というものを、たとえをもって述べておく。
 同じ夜でも闇夜を喜ぶことはなく、月の光があたりをくまなく照らすような夜を喜ぶものだ。
 同じような事だが、曇り空を見たいという人はなく、たとえ風流などとはほど遠い女であろとも、明るい日の光とくもりのない鏡を望む。
 つまり同じように、人も明るいほうが尊ばれ、暗愚な人に親しみを感じたりはしないのだ。
 明るく誠実な心を持つ人には運も開けてくる。
 これをよくよく心得ておけ。

 言葉の端々や、ちょっとした仕草にも、周囲に対する慈しみが感じられる人の傍にいると、心は安らぎ、不思議なほど元気になってきます。
 私は武士道の底流には愛があると確信しています。
 武士道といふは、愛することと見つけたり。
 長年追い求めてきた結果、ここに辿り尽きました。

『仕事で活かす武士道 北条重時の家訓48』(内外出版社)より




みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。