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手紙3/15.23

悪気がない(あるいはそう思ってる)差別に
本当に腹が立つ作品。

スタートは直樹が高三の時。
村井くん、意外と制服いける。
嶺亜さんはまあ、いけるの知ってた。

弟の大学進学のために裕福なばあさんの家から
金を盗もうとしたら、見つかって騒ぎ立てられた
のでうっかり殺してしまった兄の剛。彼の犯した
罪のせいで殺人犯の弟として解雇されたり、
後ろ指を刺される生活を送る直樹に対し、
そんなことには気づきもせずに呑気に手紙を
送ってくる剛の理解力のなさはある意味で
「らしい」。後先考えられないから強盗殺人を
起こしてしまったのだろうし。

直樹はだる絡みをしてくる由美子を邪険に
するが、兄のことを知っても受け入れてくれた
ことで絆される。
差別を受ける直樹を支える由美子と高校時代の
友人ユースケ。
ただ、昔から知ってても離れていった人いっぱい
いるんだろうから、結婚前のシーンで、
そばで支えてくれたのは由美子、君だけだ、
っていうのは流石にユースケ可哀想では笑?

ユースケの誘いでライブへ行ったことから
バンドに入り、お嬢様とも仲良くなる。
侍の3人でのバンド演奏もかっこいいが、
村井くんが入ってからの演奏もよかった。
加入前のシーンではしゃぐ(演技をする)
大光ちゃんが可愛かった。

しかし、兄のことがメジャーデビューの話が
出た時にバレ、脱退せざるを得なくなる。
ここでメジャーデビューより直樹を取ろうと
するのがユースケのいいところであり、
悪いところだと思う。
嶺亜さんに突き飛ばされるこんぴちゃん、
殴られる大光ちゃんいい。

兄へ手紙を出すのはやめ、電気屋に就職するが、
やっぱり兄のことがバレ、倉庫の仕事に
飛ばされる。ここで社長と出会うのだが、
この社長が本当に嫌な人。
理解を示しているような振りをしながら、
左遷は不当ではない、君が苦しむのは君の兄の
犯した罪の罰だ、君はここからたくさんの人と
関わって一歩一歩行くしかない、と言い、
しかし、兄のことにより、由美子と娘が
攻撃されると、私の言ったことはそういうこと
ではない、開けっ広げにすることがいいこと
だとも思ってるのか、努力の方向が間違ってるん
じゃないか、とその場に即したてきとうな
正論ぽいことだけを吐き続ける。
地獄に突き落として都合のいいことで
言いまかすのは新興宗教の教祖的とも言える。
相手が弱い立場なのをいいことに自分に酔って
言いたいことを勝手に言い、
勝手に主張を変えてくる無能感がすごい。

娘がひったくりによる事件に巻き込まれ、
犯人の母親が謝ってくる。
ただ、そのシーンを見て、正々堂々が良いとは
限らない、という話になるのが謎。
正々堂々は犯人の家族だろうと他人だ、という
態度であって、謝りにくるのは真逆の行動だと
思うが。母親の自己満足感が気持ち悪いと
思ってしまった。

結局、直樹は兄に絶縁を通告し、引っ越すことを
決める。そして、長い間兄に頼まれていた、
被害者のおばあさんの線香を上げに行く。
そこで君は関係ないから線香はいらないが、
あるものを見せてあげる、と家に入れてもらう。
紙袋いっぱいの手紙から、兄がずっと手紙を
遺族に送っていたことを知り、遺族から時間は
かかったが、もう終わりにしよう、と言われる。
許しはしないが、もうそれに囚われるのは
やめよう、ということだ。

引っ越し先にユースケが会いにきて、今も親を
泣かせながら音楽を続けていること、
最近は慰問をしていて、今度剛のいる刑務所へ
行くからけじめをつけに一緒に行かないか、と
言われ、悩んだ末に行くことに決める。
そこで会話こそないが、再会して終わる。

カテコ最後に村井くんとspiさんがハグしてて
よかった。

まだ、殺人犯の親ならばまだしも、兄弟にまで
影響がいく、ということは正直理解しがたい。
親は多少なりとも教育という面で責任を
持たなければならないと考えるのは自然なこと
かもしれないが、兄弟、しかも、弟ならば
人間性さえちゃんとしていればレッテルを貼る
必要を私は感じない。
小道具の新聞に加害者の子供に救いの手を、
みたいな記事が載っていたのも、
そういう考えを持とう、という示唆なのかな、と。
また、海外では個人は個人という考え方から
むしろ犯罪者が親類にいることを話のネタとする
ケースすらあるという。そこまで変化しろとは
言わないが、家族だろうと他人だ、という考えは
浸透して欲しいものであるし、FBIの証人保護
プログラムのように加害者家族の生活を
守るための法律も欲しい。せめて、自由に
縁を切る権利あたりはあってもいいのではないか
と思ってしまう。

キャスト別感想

村井くん
前髪下ろすと意外と童顔なんだな、と思った。
演技も歌も当然上手いから逆に特筆して
思いつくことがなかった。
最後の再会のシーンの声の震え方、表情は
めちゃくちゃ良かった。
ただ、一度もギター弾かないし、
イマジン歌わんのかい!

spiさん
でかいし、能天気。サイズと雰囲気が剛役に
ぴったりだったと思う。歌はもちろんバカうまい。

三浦さん
ミュージカル初めてで大きい声で
普段歌うことがない、と書いてあったけれど、
すごく通るし、いい歌声で嘘だろ、と
言いたくなった。
由美子は美人じゃないけど惹かれるのは
なんかわかるな、と思う。
ちょっとお節介だけど。

嶺亜さん
ユースケはほんとにいい男だな、と思う。熱くて
友達思いで、でも、押し付けがましくなくて。
演技も本人のキャラとそう変わらないからか、
割と自然だった。歌が普段とは違って、低い音域
ばかりで、サムダマのために特訓したのが
効いてるのかな?と勝手に嬉しくなってた。
ベース弾いてるのも見られてよかった。
前の方の席だったから
振動も来て余計に楽しめた。

囚人のシーンで端っこで体育座りして床睨んでる
のがちょっと怖かった。単に塞ぎ込んでる
っていうことなのかもしれないけど。
頬杖ついてたところは可愛かった。
あと、電気屋さんも可愛い。
チラシ破ってたけど笑。

カテコの最後に手をぶんぶんぶーんってしてる
のも可愛かった。ちゃんと振っといた。

こんぴ
全体的に声がいい。よく通るし、歌がいい。
特にジャズ的な歌との相性がいいのかも。
アツシの姿がこんぴが普段着ないというか、
矢花的な服で、髪色も結構矢花なの面白い。
あと、ぼっちゃんの口から俺たち庶民って
言葉が出てきたのも面白い。

個人的に看守のこんぴちゃんかっこよくて好き。
きれいな顔から威厳あるイケボが出てくるの
めっちゃいい。パン屋店長の姿とか電気屋さんの
姿とか保育士の姿は可愛くてそれはそれでまた
良いのだけど。

大光ちゃん
やっぱり演技上手いし、スタイルがいい。
歌はもうちょい声量欲しいけど。
パンチパーマが似合いすぎで笑いそうになった。
引っ越し屋さんといい、離婚届のくだりといい、
ちょっとすれた大人役がちゃんとらしく
演じられるのは素直にすごいな、と思う。
犯人と医者がどっちも大光ちゃんなのは笑った。
君、白衣似合いすぎでは?

染谷さん
かっこいいおじさんだった。母を殺された息子
としての悲壮感ある演技と歌声に圧倒された。

川口さん
さすジャベな威圧感ある囚人姿がかっこいい。
離婚届は送り付けられてるけど、基本的には
剛を叱りつけたりして、しっかりした大人
といった感じだし。
それに対し、社長の自分に酔っているような
ウザさが素晴らしい。

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