《darumaだるまさん》からの質問

以前、インタビュー記事でオーディションの募集要項に「不条理だと思うことを書いてください」とあったとお見掛けしました。差し支えなければ、みなさんがどのような事をそう思っているのか、お聞きしてみたいです。また、それに対してどう向き合われていますか?

あと、最初にオンライン上映(近衛寮祭付きのバージョンです)を観たわりとすぐ後に写真集を購入しまして、ドラマ版のシナリオを読みました。あれっ?こんなこと言ってたっけ…?と思うような知らない情報が結構あったのですが(大学やキャラの設定だったかな?単に劇場版の記憶が飛んでいるだけでしたらすみません)、劇場版を製作するにあたって再構成した時、情報を間引いて、より観客が深く考えられるような(いろいろと想像できるような)作りにしたのでしょうか?
(ドラマ版も当時観たのですが記憶がなくて…もしかしてドラマ版の段階から、脚本に書いてあった部分を意図的に削ぎ落としているのでしょうか?)

もう1つ、これは素朴な疑問なのですが、上の件に関連して。志村がキューピーに大学の仕組みを話すところで消しゴムとペットボトルとティッシュ箱を使って説明していたと思うのですが、これもシナリオと順番が違います。あれはアドリブですか?それともわざと変えてあるのでしょうか?
(ドラマの作り方として、脚本に忠実ではなくても良くて、そのあたりは役者さんに委ねられるのでしょうか?個人的には高さと厚みの表現(壁として立ちはだかる物の順番)が、最終形の映像を見て、ああなるほど…!と感心しました)

✉️監督・前田悠希からのお返事

この度は、「近衞寮私書箱」にご投函いただき誠にありがとうございます。 頂いたご質問にお答えしていきたいと思います。

ドラマ版と劇場版のセリフについて

写真集をご購入いただきまして、ありがとうございました。確かにシナリオと映像とでは、違いがあります。ドラマ版を制作したときは、放送枠59分という限られた時間の中で、どのような形が一番伝わるものにはなるのかを模索していました。結果的に全てのシーンやセリフを入れることができませんでしたが、劇場化に際しては、よりシナリオに近い形に戻して寮内の空気感や登場人物どうしの関係性をより深く伝えられるよう意識しました。いずれにせよ、渡辺あやさんのオリジナルなシナリオが読めるのは写真集だけなので、とっても貴重です!

志村が大学の仕組みを話すシーンについて

あれは岡山さんのアドリブです。ペットボトルとティッシュの順番が、シナリオとは逆になっています。私も現場で順番が違うことに気づいたのですが、映像で見ると高々とそびえているペットボトルが越えられない壁の高さを表現しているようで、そのままOKしました。このように映像化する段階で、演出サイドの判断、あるいは役者さんの演技などで必ずしも脚本通りにならない場合もあります。より良くするために、様々なスタッフ・キャストの知恵と工夫を取り入れながら、一つ一つのシーンを作っています!